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Organization health watch
本記事に先立ってお知らせです。定期更新の目処が立たないことから、MLBファン合同NoteのMetsメイン担当は今年限りにさせていただくことにしました(正式な担当変更は後任が決まり次第ですが)。投稿頻度が下がり大変申し訳ありませんでした。最後の記事は、チームの未来に着目してみたいと思います。
本来であれば1人1人の有望株について掘り下げた記事にできればいいのですが、自分にはあまり知識がないため、別
Fall and (prospective) rise of Mets Realm
Mets担当の磁場ミャです。
前回の更新から随分と間が空いてしまいました。
今更ながら振り返ってみると、2022年のMetsは粗方の予想を遥かに上回る101勝を重ね、4月7日から9月30日まで、首位を開けたのはたったの2日と大成功といえる1年を送りました。ゲーム差なしの2位でシーズンを終えたことを除いては。
WS制覇率の変化をもとに算出される「重要な試合*」でも6割以上の勝率を誇ったMetsは
【NYM】速報:Mets開幕
旧約聖書に『ヨブ記』という書物があります。神に信仰心を試され、何も悪いことをしていないのにも関わらず、様々な苦難(神の裁き)を受ける男性の話です。
New York Mets のファンであれば、というか野球ファンであれば誰しも、この伝説について知ることにより、自らに与えられた苦痛(例: 大エースの故障)と向き合った先達がいることに気付けるでしょう。
Another year, another m
【NYM】落ち着かない好調
2022シーズンのMetsは好調な滑り出しを見せています。開幕33試合を22勝11敗の好成績で終え、NL東2位のBravesと6.5ゲーム差をつけ首位につけています。昨年まで隙だらけのMetsとは異なり、相手のミスに付け込んで逆転勝ちを収めたり、中盤に中押し点を挙げて逃げ切る試合が多いように感じます。先日Phillies相手に収めた大逆転勝利では、9回に7点を入れ逆転を果たしましたが、昨年であれば
もっとみる【NYM】戦力分析=極端に言えば占星術
毎年思いますが,Metsの戦力分析はあてになりません.せいぜい地震予報のようなものでしょうか(さすがに占星術は言い過ぎか).このNoteが数日前に書かれていれば,そこにはJ. deGromとM. Scherzerに対する礼賛が綴られ,勝利への希望が満ち満ちていたでしょう.deGromについては肩甲骨の異常による一月以上の離脱が報じられ,Scherzerはシーズン前の最終登板をスキップ.不穏なニュー
もっとみる【NYM】2021Metsを打ち砕いた一打
1位にいた期間が長いチームが優勝というルールであれば,2021シーズンのNL東地区の覇者はMetsでした.首位に立っていた期間はシーズン日程の過半数である103日.しかし.8月を境に転落が始まります.
Fangraphsサイトより,Metsのplayoff oddsの推移を見ることができます.筆者の知る限り,これと最もよく似た図は中和滴定曲線のグラフです.この中和点に当たる部分,すなわち傾きが最
【NYM】監督が決まる★祝
現役最強投手の一人であるMax Scherzer がMetsの一員となって3週間が経過しようとしています。他にも、ロックアウト(選手会とMLB機構の関わりが絶たれる、すなわち新規のメジャー契約が起きない)前に手堅い補強を行い、来季に期待が持てるチーム編成が進んでいます。
新監督、爆誕そして、大きなニュースは念願の新監督が決定したことです。3年契約で監督に就任したBuck Showalterは3度
【NYM】GM探しの旅
問題を分割して個別に解決する (divide and conquer) は複雑な状況への対処の基本ですが、まさにこの点に苦労しているプロ野球チームが存在します。
短期的ビジョン、中長期的ビジョン、フロントの人事、選手の獲得/放出、等々は相互に絡み合った問題ですからいかに問題を切り分けて解決するかが肝心です。しかし、それが可能となるためにはチームを管理する責任者(General manager)を
いい打者はいいファウルを打つのか
打球速度・角度が打席の結果をなかなかの精度で予測することが明らかになり、そういった情報を元に打球の「最適化」を測る選手も多くなってきました。
ところが、ファウルの打球について検討した事例はあまり見かけません。打席の結果としては残らないので興味を惹きにくいのかもしれません。本記事では簡単に、インプレイの打球の速度・角度とファウルの打球のそれらの関係を見てみたいと思います。明らかな傾向があるので
【NYM】Oh shit
久々の更新になりました。あまりにも情けない敗戦が続き、TDL前は首位を維持していたチームが借金を作って地区3位まで転落。悲劇が一段落ついたらnoteをしたためようかと思っていましたが、息つく暇もなくここまで転落してしまいました。
本日のTragedy-Headlineは、1)復帰へ向けて調整中のN. Syndergaardがコロナ感染、2)一部のMets戦士がファンに対するブーイングをしてい
【NYM】 Metsに必要な補強
ご無沙汰しておりました。最近もMetsの試合は大量得点かつ僅差という馬鹿試合もといシーソーゲームが多いですね(最たるものが延長11回15-11で勝利した一昨日の試合)。やたらとハラハラする試合が多いのはなぜかとデータを見てみると、面白い傾向が見えました。
回の開始時点でリードしていた場合普通は終盤になるほど勝利が確実になるものですが、Metsの場合はその傾向が他のチームに比べて低いようです(
【Mets】June flight
"ベースボールの詩人"ことRoger Angell氏はかつて、「ベースボールが真に開幕するのは6月だ」と書きました。いうにそれは、毎日野球を見るわけではない普通の人が「今年の〇〇は強いらしいねぇ」と世間話をし始める時期だと。確かに6月に入ると順位が乱高下することも少なくなるし、そうでもないならば、「今年は接戦だぞ」ということです。さらに熱心な野球ファンについて言うなら、それは敗戦への対処に現れる
もっとみる【NYM】進撃のゾンビ・メッツ
ご無沙汰しております。前回のNoteを書いた時期と比べてみると、Metsのベンチには随分と違った顔ぶれが並んでいます(ヘッダー画像はこのツイートから)。26人中13人(野手に至っては13人中9人)がこれまで故障で離脱というまさに野戦病院状態です(一部直近数試合で復帰した選手もあり)。しかし、この瀕死の状態でも貯金を維持し、まさにリビングデッドのごとくナ・リーグ東地区の首位に君臨しています。↓はナ
もっとみる平均への回帰:Tangoの方法というやつ
野球は基本的に、勝率とか打率とかの確率の変動を狂喜乱舞するスポーツなので、統計的に扱おうという場合には確率的な振る舞いを考慮する必要があります。1週間に1本ヒット数が違えば.040くらい打率は変わってくる(7 / (4*6) = .291; 8 / (4*6) = .333)というのはわりとびっくりします。このように確率の実現値はちょっとした運によって大きくばらつくものなので、シーズン中の数百打
もっとみる【NYM】延期に支えられた(?)好調
こんにちは。すでに今季2度目となるダブルヘッダーの第2戦を観戦しながら書いています。開幕から計7試合もCOVID-19や雨・雪など様々な理由で延期になっており、なかなかスケジュール通りに試合が消化できないMets。延期の試合はどれもdeGromが先発予定となっていたため、彼の投球を恐れた各チームが様々な力を使ってdeGromから逃げ回っているというようなジョークがSNSに投稿されていました。