見出し画像

【NYM】我慢の時

 こんにちは。僅差で競り負ける試合が続いているので滅入ってしまっています…。ヘッダー画像はこの本の表紙から持ってきました。

 Metsは過去10試合で3勝7敗と負け越し、貯金をすべて吐き出して地区4位まで転げ落ちました。しかも、7敗のうち4敗が1点差での負けと、非常にストレスの貯まる(直球)試合を繰り返しています。タイトルの通り、現在は我慢の時だと思いますが、何をどう我慢すればいいのかを具体的に数値を挙げて見ていきたいと思います。

 ところで、昨今Jacob deGromの登板試合に援護がない/守備のミスが目立つなどと言われていますね。2018年以降60試合以上先発した投手の防御率と勝率の関係は下図のようになってます(選手名の色は勝数に対応)。deGromはたしかに全体の傾向からすると外れ値です。逆に上振れしているのはEduardo Rodriguezでした。ただ、彼がどうこうではなく、Metsにはもっと根本的な問題があると筆者は思っています(それが今回のテーマです)。

スクリーンショット 2021-05-01 12.32.26

 MLB屈指の投手陣(ERA 2.90でMLB2位)を誇るのになぜ勝てないのか! Metsが抱える闇へとご招待いたします。以下で紹介する数値はすべて2021年シーズンのものです。

①長打力の低さ

 前回の記事でも指摘しましたが、Metsは長打力不足が問題です。データを見てみると、長打力を表す指標であるIsoP(長打率-打率)において、最下位を突っ走っております(下図)。横軸が[打率]・縦軸が[長打率-打率]を表しています(文字色はチームOPSに対応)。Metsがどこにあるかって?印をつけなくてもわかりますね。Bravesすげ〜

スクリーンショット 2021-05-01 12.55.11

この原因としては、主力が軒並み長打を欠いてしまっているのが原因でしょう。打球速度や角度から予測される長打力 (xSLG) において、D. Smith (上位83パーセンタイル/100)とJ. McNeil (67/100) には上がり目がありますが、M. Conforto (50/100)や、特にF. Lindor (16/100) は単なる不運ではないアプローチの問題が見て取れます。

②得点圏での弱さ

スクリーンショット 2021-05-01 13.59.52

横軸が[打率]・縦軸が[得点圏打率]を表しています(文字色は一試合あたりの打点に対応)。Metsがどこにあるかって? 印をつけなくても(以下略)。貧打にあえぐTigersは打率に比べたら頑張ってる方なんですね。

 いかがでしょう? 闇がだんだん深まってきましたね。

③エラーによる失点

  以下の図は横軸が[失点を試合数で割ったもの(一試合あたりの失点)]・縦軸が[失点-自責点を試合数で割ったもの(一試合あたりの非自責失点)]を表しています(文字色はチーム勝率に対応)。Metsがどこにあるかって? 印をつけなくても(以下略)。

スクリーンショット 2021-05-01 13.27.43

上図の示すことは、New York Metsという名前のチームが一試合あたりに1点近く自責がつかない失点をしているということです。要はエラーによる失点がMLB中最悪の頻度ということです。チーム守備率は.981と低いですがMLB26位と下がまだあります(それでも悪い数値だけど)。

 ただ、失点率で見ても30チーム中の2位ですし、たくさん点を取られているわけではありません。しかしエラーによる失点を引きずって嫌な負け方をする試合が多いような気がします(例えば、今日の試合)。

まとめ

 こうも不穏なデータが揃うと、なにか背後には重大な問題があるような気がしてきませんか? deGromの援護が無いどうとかではなく、単純に得点が絡む場面に弱いのです。ネタにしやすい事例が言い訳になって、チームとしてそれぞれの問題を改善しようという努力ができていないのだったらそれは大問題です。番記者やチーム関係者(時にファンも含む)はこういうところをしっかり指摘していかなければチームとして負け犬根性が染み付いてしまいます。

 問題の一つとして挙げられるのは、チームとしての精神的支柱を欠いていることでしょう。頼みの綱のLindorもこの不調 (AVG .189, OPS .542) で、なかなか厳しい状況です。また、得点圏でここまで抑えられるということは各選手の弱点が把握されている可能性も示唆されます。

 一方、これほどチームの体質として問題がはっきりしているのですから、チームの雰囲気が変わってくると一気に勝てるようになるかという期待はあります。トレードなどで新しい風を入れることも検討してもいいでしょう。

 ドMの皆さんにとっては素晴らしい体験を提供する野球チームであるMets。今後の戦いを生暖かく見守っていきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?