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【NYM】延期に支えられた(?)好調

 こんにちは。すでに今季2度目となるダブルヘッダーの第2戦を観戦しながら書いています。開幕から計7試合もCOVID-19や雨・雪など様々な理由で延期になっており、なかなかスケジュール通りに試合が消化できないMets。延期の試合はどれもdeGromが先発予定となっていたため、彼の投球を恐れた各チームが様々な力を使ってdeGromから逃げ回っているというようなジョークがSNSに投稿されていました。

 今日がダブルヘッダーになった原因は昨日コロラドに降り積もった雪でした(本記事のヘッダー画像参照:出典)。なんと本日も最低気温は摂氏零度を下回るそうで、そんな気温でも雪が片付いたら平気で試合をするというアメリカ的な執念を感じます。

 さて、Metsは現在地区首位です。高々十数試合でどうこう言うのも騒がしいですが、やはり嬉しいもの。好調の理由は? 簡単な戦力分析も交えつつ紹介していきます。

ポジティブ要素①:先発ローテーション

 現在MLB6位のチーム防御率(3.12; DH2戦目開始時点では2.55で2位だった)を支えているのは先発陣の頑張りでしょう。ついに4シームとスライダー以外を投げる必要がなくなったJacob deGrom(今日は勝ち星が付いた!)、1シーズンの休息を経た最強のグラウンドボーラー兼意識高い系ツイッタラー(私見)Marcus Stromanを筆頭に、キャリア序盤レベルの球速(95mph)を取り戻したTaijuan Walker、ルーキーイヤーにスライダーを軸に高い奪三振能力を示したDavid Petersonと続きます。ここまで10試合中7試合で先発陣がQuality Start(6回以上を投げ自責3失点以下)を示しており、非常に好調です。本日は谷間の先発であるJoey Lucchesiが打たれてしまいましたが、このスポットに試合形式の練習で4イニングを投げ復帰間近なCarlos Carrascoが入ることでさらに強力なローテーションとなるでしょう。

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 不安要素としては、試合延期の影響でのスライド登板が重なったことが今後のコンディションに影響しないかという点があります。谷間の先発を務める投手には不安があるため、ローテーションにほころびが生じるとチームの調子が大きく崩れてしまう可能性があります。

ポジティブ要素②:出塁能力

 現在のナ・リーグ首位打者は誰でしょうか? 四死球でも全力疾走を欠かさない我らがBrandon Nimmoです。驚異の出塁率.571を誇るNimmoを筆頭に、チーム全体でも出塁率がMLBでもDodgersに次ぐ2位の.347と、相手守備に絶えずプレッシャーを掛けることができています。今月始めに10年総額300億円以上の契約を結んだ新加入のFrancisco Lindorは打率こそ.212と振るわないものの、出塁率は.371と高水準です。

 攻撃面での不安要素は長打力が発揮できていないことでしょうか。チーム長打率はMLB26位の.363と沈んでいます。デビュー以来チームの顔を務め、今オフのFA前の契約延長がホットトピックとなっているMichael ConfortoがOPS.509、チーム屈指の巧打者であるJeff McNeilもOPS.565と振るいません。2019シーズンに新人の本塁打記録を更新したPolar BearことPete Alonsoは本日の第1戦に目のさめるような弾丸HRを放ちましたが、打率.222でOPSも.737と、少し寂しい成績。もちろん、彼らの実績を考えると、今後の揺り戻しがあると期待してよいでしょう。先発陣が崩れだしたときに、今度は逆に彼らの打棒でチームを支えてもらいたいです。

ネガティブ要素:中継ぎ陣

 ここ数年のウィークポイントであるブルペン。今季は、Edwin DiazJeurys Familiaというおなじみの投手に加え、昨年トレードで獲得した100mphリリーバーのMiguel Castro、新加入のTrevor May、同じく新加入で昨年WS進出のRaysブルペンを支えた一人であるAaron LoupKing Cobraの愛称を持つJacob Barnesという比較的新しい顔が多くなっています。しかし、チームの全自責点28点のうちの13点が中継ぎ投手による失点(防御率は5.24)という、苦しい成績となっています。特に被打率が全体的に高く、不穏な数値です。

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 上がり目としては、Seth Lugoの復帰が挙げられます。中継ぎとしてはここ数年かなり安定した成績を残しており(2018年:54試合 EAR2.66 WHIP1.13 103SO、2019年:61試合 ERA2.70 WHIP0.90 104SO、2020年:9試合 ERA2.61 WHIP0.97 11SO)彼が戻ればLoup(May/Castro)-Lugo-Diazという勝ちパターンが形成できるでしょう。

まとめ

 これまでMetsがある程度戦えている理由の一つは、度重なる延期のおかげで7イニング制であるダブルヘッダーの試合が増えていることが挙げられます。高い出塁率を生かして効率よく得点して試合を優位に運びつつ、先発陣が長いイニングを投げることで、中継ぎ陣が投げる機会を減らすことができています(実際、ダブルヘッダーでは4戦3勝)。今度、気候やCOVID-19関係の情勢が落ち着き通常通り9イニング制の試合が増えると、このような戦い方はできなくなってきます。そうなった後も勝ちを重ねられるかは、どれだけ中継ぎ陣が踏ん張れるか、また高い出塁能力に長打を加えてビッグイニングに繋げられるか、という点にかかっているでしょう。

 次回は今回あまり触れなかった守備についての分析や、番外編として今シーズン活躍している元Mets戦士の紹介といった内容を考えています。ではまた!

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