見出し画像

Fall and (prospective) rise of Mets Realm

Mets担当の磁場ミャです。
前回の更新から随分と間が空いてしまいました。

今更ながら振り返ってみると、2022年のMetsは粗方の予想を遥かに上回る101勝を重ね、4月7日から9月30日まで、首位を開けたのはたったの2日と大成功といえる1年を送りました。ゲーム差なしの2位でシーズンを終えたことを除いては。


image retrieved from https://erikberg.com/mlb/charts

WS制覇率の変化をもとに算出される「重要な試合*」でも6割以上の勝率を誇ったMetsは、決して重要な試合に弱かったわけではありませんでした。シーズン終盤に「あと一つ」勝てばよかったところを落としてしまったというだけなのです。
*Championship Leverage Index > 1.2の試合の勝率は.611だった

2022Mets 10試合の得失点移動平均
easy-winが続く期間と厳しい期間が交互に来ているのがわかる。この周期からすると、シーズン最後は「勝利の波」が来るはずだった…

王座を奪うならゲリラ戦じゃだめなんだよ、君

5連覇中のBraves王朝に立ち向かうべく、Metsは今年も活発なオフシーズンを送っています。昨年は野手を中心に新戦力を加え、皆が期待に答えて素晴らしい成績を残しました(S. Marte OPS .814; M. Canha 122OPS+; E. Escobar 9月Metsを支えた月間最優秀選手)。フロントは確かなFA手腕を示したと言えます。打って変わって、今オフの課題は投手陣の補充です。カリスマ的存在であったJ. deGromが早々にRangersと契約 (;_;) し、T. WalkerC. Bassitとも再契約しなかったことに加え、T. MegillD. Petersonが埋めていた枠も「埋めようがある」状態でした。

Cohen体制のMetsは動きが早い。なぜなら、圧倒的財力のおかげで「コスト」と「リターン」の視点で支払い可能な額が決まれば、躊躇をする必要がないからです。非常に機械的な意思決定を行えることになり、方針がブレにくいのです。

したがって、Metsの中長期的戦略は、再建・必勝のサイクルではなく、確率の高い投資を継続することで確かなリターンを積み重ねる方向性になります。具体的には、単年は高くても契約期間が短い中堅-ベテランを毎年補充し、一方で「レンタル移籍」的なトレードを控えてプロスペクトを守る戦略です。打撃成績が安定し (通算OPS.827, OPS+130)、平均以上のセンター守備+両翼をこなせるB. Nimmoを長期契約 (8yr, 162M)で囲ったのも、その方針の現れでしょう。

We found Nimmo!

新たな仲間と新たな旅:ペイロール>$400M(暫定)の巨大戦艦

期待が先行した感のあるカリスマdeGromのポジションに老神J. Verlanderを据え(10年ぶりにM. Schserzerとの厨ローテを組む!)、WalkerをJ. Quintanaで代替しつつ左腕でローテにバリエーションを持たせています。そして、Metsファンにとって少し早いクリスマスプレゼントとなったのが千賀滉大です。中4ローテの適応など不確定要素は多いですが、アップサイドはサイ・ヤング級です(5年契約であることを見ると、MLBお墨付きの名将B. Showalterの創造的な起用によって、焦らず適応をサポートすることになるのでしょう)。確実な補強とファンのワクワクを両方実現するなんて、最高ではないですか?

加えて、E. Diazの再契約や(さらっと流すのは本来おかしい大ニュース🎺🎺)、実績十分かつ2022シーズン好調のD. Robertson及びB. Raleyも加え、リリーバーの層も厚くなっています。

さて、2022シーズンの悲哀とオフ前半を足早に振り返ってみました。続きの記事では、Metsの将来展望についても纏めてみたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?