どうして大人たちはZ世代のことを理解できないのか
最近巷で話題のZ世代というワード。
これは1996年~2012年の間に生まれた人たちのことを指す。
一つ前の1977年~1995年生まれのY世代の次ということで、こういう名前がついているそう。
僕は教育業界で仕事をしているため、Z世代の学生と関わることが多い。
そうして仕事をしている中で、Y世代の社員の方々からしばしばこんな声を聞く。
「Z世代の流行についていけない」
「最近の高校生は何を考えているのかわからない」
これにはすごく共感する。
98年生まれでZ世代の僕でさえ、今の中高生のトレンドを完全には把握しきれていないのだし。
逆に高校生からはこんな声を聞く。
「大人は全然自分たちのことをわかってくれない」
これもすごく納得する。
僕も年上の人たちの考えに全然賛同できないことが多いから。
僕は分類上はZ世代になるけれど、Y世代の方と年が近いこともあり、双方の考え方がそれなりにわかる。
Y世代の考えにもZ世代の考えにも寄り添える稀有な世代だと思う。
今日はそんな僕が客観的な視点で両者を見ていこうと思う。
どうしてY世代はZ世代を理解できないのだろうか。
Z世代はY世代を理解できないのだろうか。
①現在の当たり前しか知らないZ世代と過去の当たり前を知っているY世代
当然のことだが、Y世代はZ世代よりも長く生きている。
つまり、過去の量がZ世代よりも多い。
よってY世代は、Z世代が経験したことのない過去の当たり前を経験している。
例えば携帯電話。
Y世代の人が初めて持った携帯電話はおそらくガラケーだろう。
そしてそれを持つ目的は、電話とメールをするためだったはず。
そこから時を経て携帯電話が進化し、Y世代はスマホを所持するようになった。
しかし彼らにとってスマホはあくまでガラケーの延長線上にある。
今までの使い方に準拠して連絡手段としてスマホを用いる。
一方でZ世代が初めて持つ携帯電話はスマホ。
彼らはガラケーの使い方など知らない。
電話やメールの機能はもはやおまけで、スマホを持つ主な目的はSNSや動画視聴。
毎日1時間以上をインスタを見るのに使うのも当たり前だそう。
このようにY世代のスマホの使い方とZ世代のスマホの使い方の間には、大きな差がある。
Y世代は過去の当たり前を知っているからこそ、Z世代の当たり前を純粋に理解できない。
逆にZ世代は、なぜY世代がこんなにも流行に乗れないのか不思議で仕方ない。
②時代に合った生き方をするZ世代と世間の常識の変化から目を背けるY世代
ここ数年で時代は大きく変化した。
例えば終身雇用は崩壊への一途をたどっており、大企業が安定だという時代の終焉が近づいている。
我慢が美徳の時代ではもはやなくなり、自分らしく生きることが良しとされるようになった。
これを受けて現在、Z世代は多様な生き方をしている。
簡単に転職をするのは普通。
全て在宅で完結する仕事を選ぶのも普通。
SNSで有名になってインフルエンサーを目指すのも普通。
学生に関して言うと、定時制高校に通うのをやめて通信制高校で自分らしく学ぶのも普通になっている。
しかし、こうした生き方はY世代からすると甘えとしか思えない。
彼らは週5~6で通勤し、ずっと同じ会社で働き続けるのが当たり前だと思って生きてきた。
通信制高校なんてありえなかったし、嫌でも学校や会社にしがみつかざるを得なかった。
そんな彼らが簡単に今の常識の変化に納得できるはずがない。
だからY世代は過去の常識を現在にも当てはめようとする。
そしてZ世代はそんなY世代の考え方を時代遅れだと思う。
この差を埋めるにはどうしたらいいだろうか
ここまで見てきてわかるように、Y世代とZ世代の間には大きな壁がある。
ではどうしたらこの壁を壊せるだろうか。
それにはY世代の努力が欠かせない。
もちろんZ世代がY世代のことを理解してやり、無理に現在の当たり前を押し付けないことは重要。
しかし、Z世代が過去に合わせることは不可能だし、そもそも時代の流れに逆らうのはナンセンス。
だからこそ、Y世代がZ世代に寄り添わなければならない。
過去にとらわれず、Z世代の当たり前や現在の常識を受け入れようとする姿勢を見せよう。
長年の経験が邪魔をするだろうが、時代に置いていかれないように自身をアップデートし続けよう。
ちなみにこれは自分にも言い聞かせている。
僕たちZ世代にも、自分達の当たり前が当たり前じゃなくなる時代がいつかやってくる。
いかなる時代においても下の世代のことを理解できる、そんな教育者であり続けようと思う。
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