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帰省が日常に対する満足度を教えてくれるという話

僕は今、実家から自宅へ戻る道中にいる。

この年末年始は、久しぶりにゆっくり過ごすことができた。


僕は田舎で生まれ育った。

夜には満天の星空を見ることができる街。

周りは田畑ばかりで、3階建ての建物を高いと感じる街。

僕のような若者が大学進学を機に都市部へ出ていくので、人口が減っていくばかりの街。

そんな街が大好きだ。


この街では新たなお店や建物ができるなんてことはほとんどない。

ずっと変化していないから、僕が子供の頃見ていたのと同じ風景を今も見ることができる。

だから、いつでも簡単にあの頃の自分に戻ることができてしまう。


実際この帰省中、僕はこの街で過ごしていた頃の自分を追体験していた。

しかしこのせいで、少し怖い思いをした。


「楽しかったあの頃を思い出せよ」

「みんな田舎でのんびりと生きられているよ」

「お前だって本当は楽して生きたいんじゃないのか?」

こういうセリフが頭の中を駆け巡り、今の僕を苦しめた。

この言葉に支配された僕は、日を追うごとに帰りたくなくないという気持ちを強めた。


しかし昨日の夜、なんとかこの思いに蓋をすることができた。

満天の星空の下でのランニングが、僕を前向きな気持ちにさせてくれた。

汗とともに、余計な考えを流していってくれた。

このおかげで、今は前向きな気持ちで帰路につくことができている。


あんな思いになってしまったのは、「日常に満足できていなかったから」だと思う。

僕は日常に対してそこそこ満足しているつもりでいた。

したい仕事をできているという自負はあったし。


しかし、それは日常に慣れてしまっていただけで、心から満足できていたわけではなかったと気づいた。

非日常を過ごしてみて初めて、日常に対する真の満足度が見えてくるのだとわかった。


「もっと自分を高めて、日常に満足した状態でまたここへ帰ってこよう」

そんな思いを持って、僕はまた日常へ戻っていく。


思い出は心の支えとなる天使のような存在であるが、時に自分自身をよくない方向へ導く悪魔になりうる。

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