【廃線跡をめぐる】石川県能登半島の鉄道遺構③
石川県能登半島を走っていた「のと鉄道能登線・七尾線」廃線跡の紹介です。
《前回までの記事はコチラ》
(画像:『北陸の私鉄』https://www.hokuriku-rail.com/Noto/Rosen/Rosen.html)
④蛸島駅
能登線の終着駅だった蛸島駅です。ここは能登線の中でもかなりしっかりと廃線跡が残っています。
珠洲市街から車で10分ほどの位置に旧駅舎があります。
駅舎の前にはのと鉄道グッズの自販機が…!めちゃくちゃ古いですが、ちゃんと買うことができます(「新千円札は使えません」の文字があり驚愕…笑)。しかも中身はキーホルダーやピンバッヂなど、ここでしか買えない激レアグッズばかり。もっときちんとした場所で売れば良いのに、なぜここなのか謎です…。
線路やホームも残されており、駅舎から西へ少しいった脇道から入ることができます。
終着駅の雰囲気を残しており、旅情を感じます。
行き止まりの線路の向こうにはネオンサインが立っています。2017年に開催された『奥能登国際芸術祭』での作品。廃線跡をアート作品の一部に組み込んだ、不思議な光景を見ることができます。
ネオンサインと反対側を見るとあちらにもカラフルなアートが。『Something Else is Possible』という、ドイツの芸術家による作品です。
オブジェに上ると、視線の先にちょうど駅舎とネオンサインが見えます。
オブジェのさらに奥には車両(NT102)が残っています。前々回に紹介した藤波駅付近の車両とは違い、こちらはNPO法人によって保存され、廃止後数年は運転体験などにも使われていたそうです。
現在は新しく道路ができて蛸島駅までの線路が分断されてしまったため、動くこともなくここに放置されています。
野ざらしにされ、相当ボロボロです。かなり高い盛土の上にありますが、安全上の心配はないのでしょうか…。
「蛸島」の行先表が見えます。
付近の道は足場が悪いので、行く際は注意してください。
⑤珠洲駅(道の駅すずなり)
蛸島駅の2つ手前、珠洲駅は現在道の駅になっており、わずかに残る廃線跡もきれいに保存されています。
道の駅の横に、わずかに信号機と線路が残されています。
駅名標とホーム上屋は当時のままのようで、かなり雰囲気があります。
⑥能登三井駅
最後に七尾線(穴水~輪島間)の紹介です。
能登三井駅は、旧駅舎をカフェや交流施設として使っています。
訪問した日は残念ながら休業でしたが、アットホームな雰囲気が感じ取れました。
ホームと線路があった場所はゲートボール場になっていました。
当時の駅名標もあります。
⑦輪島駅
(画像:輪島市観光協会 https://wajimanavi.jp/buy/introduce/ekiwajima/)
輪島駅も、現在は道の駅やバスターミナルが併設した観光拠点になっています。施設の中に、当時のホームがわずかに残されています。
復元された駅名標によれば、輪島の次の駅は「シベリア」(笑)当時の落書きか何かが元ネタだそうです。
なお、七尾線の駅のうち残る「能登市ノ瀬駅」は、駅舎も線路も跡形もなく撤去されてしまっています。
能登半島は、廃線跡がさまざまな形で地域の暮らしに根差しており、当時と今の暮らしに深く思いを馳せることができます。廃線・廃墟マニアの方、ディープな旅先に行きたい方はぜひ一度足を運んでみてください。
なお、廃線跡や廃墟を訪れる際は冬が断然オススメです、夏は草木で建物が埋もれてしまっていることがありますし、ヘビやハチなどに遭遇するリスクもありますので、十分注意しましょう(笑)
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