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#48 知識=出会い。私達は知識や教養を食い物にして個性をアップデートしていく

最近、食に纏わる知識を入れていくのが趣味です。

以前、人間の根底には三大欲求、そして現代病(?)とも言える、承認欲求等の欲求の元に行動していて、それらの欲求が原因で不満や執着を抱くといったお話をしました。

例えば、食欲に執着してしまうと、つまり食への過剰なこだわりがあると他の食事で満足出来なくなったり、承認されたいという欲求は度を越すと承認されないことへの不満へと繋がるわけです。

しかし、個人的にそれらの欲求のなかでもとりわけて有用な知識があると思います。

それこそ、知識欲。

何かを知りたいという欲求は、いくらあっても基本損することはないです。

また、先ほど挙げた二つの欲求と比べても『満たされないことで不満になること』はありません。知識は右肩上がりで増えるものですし、途中で減るわけじゃないですからね。

自分は『知る』ということには色々なジレンマを抱いてきました。教養は、あって困るものではないが、ありすぎて果たして特をするのだろうか?

学び続けるという姿勢、向上心自体は間違いなく良いものですが、ふとした瞬間に、どうも点としての知識が線として結ばれる甲斐が将来的にあるかないかわからないものを知識や教養という名の下に覚えていくことは、意味があるのかと思ってしまうわけです。

そういうジレンマを繰り返しつつ、行き着いた現状としての自分の意見は、

それでも、学び続けろ。

ということです。

私はパックマンが得意なんですが、パックマンって止まらないんですよね。ステージの両端に行ってアカベエとかを減速させることは出来ても、ステージのクッキーを食べきるまでずっと動き続けます。
私達の頭もそうです。思考停止という状態は実際にはなく、寝ている時も、食べている時も、常に動き続けています。

そして、考えないで生きることは出来ません。いつも私達は選択をしたり、行動に伴って自分で何かを考える為に頭を使います。

私達の脳は1日に65000回の思考を繰り返すという話を聞きました。もはや、私達が生きていることと頭を使っているということは同義であるかのようにさえ思えてきます。

そしてここに、私は人間として産まれたことへの意味合いに対するヒントが隠れている様な気がするのです。

常々、私は産まれてきた意味はないと思っています。そこに明確な意味合いがないからこそ、私は楽しく生きていること、自分がやりたいことをするということが信条だと思っています。しかしながら、やりたくないことだって、うまくいかないことだって、やらなくてはいけない時はきますよね。

だから、私は楽しく、やりたいことをやるというのも人生の目的である一方で、自分を探すというのも人生の目的なのではないのかな、と思います。

知識には、おおまかに二種類あります。
一つは、アップデートしていく知識。
もう一つは、固定化している知識。

私達には、好きなアーティスト、色、服、本、ロールモデルなど、個性を語る上で必要な要素があり、それは固定化している知識です。

でも、私達は産まれた時からそのアーティストの存在を、その本の存在を知っていた訳ではないですね。生活を営む上で、丁度どこかの広告で目にしたりカーステレオから流れてきたのを気に入ったものが、個人の好みに結びついただけです。

これは、一種の自分探しと言っても差し支えはないのではないかと思います。

そう考えると、私達の好みは曖昧なもので、偶然出会ったものがアイデンティティーに関連していたりするわけです。

これは、知識=出会いということではないでしょうか。

出会いを繰り返して、何かを知る。それを知って気に入れば、自分の好みになる。そうして自分をアップデートさせていく。

哲学に、ロゴスという考え方があります。

これは、植物は種から出来ているように、人間にも一人一人に個性という"種"があり、その種にしたがって人は個性を育てていくというもの。

私達は産まれ持って好き嫌いが100パーセント決まっているとは言えないかも知れませんが、確かに誰かにとって生理的に受けつけない趣味がある一方で、それが他方にとっては大好きな趣味だったりすることを考えると、生来的な趣味嗜好の偏りというのは存在するかもしれないです。

だとしても、それを好きか嫌いか証明するには、それ自体に出会わなければいけないのです。

もし、知ること、出会うことがなければ、それを好きになることも出来ないまま終わってしまうのです。

だから、出会い続ける必要があるのだと思うんです。

知識をアップデートして、アイデンティティーを模索し続ける必要。

それが出来れば、生活は一層充実して、満ち溢れたものとなり、常に飽くなき知識欲に突き動かされて生きることが出来るのではないかと思います。

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