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アニメやゲームでよく出てくる単語の元ネタを史実で解説 vol.1

アニメやゲームでよく出てくる単語の元ネタを史実で解説1

アニメやゲームには聴き馴染みの単語や設定が沢山出てきます。
今となっては響きだけ採用されて元ネタと全く異なる設定が付与されていることもあります。

では、よく聞く単語は元々どこに何だったのか。
何回かに分けて一覧にしていきます。

◆ラグナロク

FFなどの武器名、あるいは初期の有名なMMORPGのタイトルとしても有名なコレ。
元ネタは北欧神話に出てくる神々が滅亡する未来の大戦争です。神々の黄昏という日本語訳も中二病をそそります。

JRPGは海外のダンジョンものや指輪物語などから派生した作品で、設定も多くが流用されています。
一方でJRPGはこれにオリジナル要素として北欧神話のテイストも併せました。

その結果、JRPGには北欧神話の用語や内容が結構盛んに残されていたりします。

北欧神話はドイツ北部から北欧にかけてキリスト教化以前に広まっていた宗教です。
また、聖書のように1冊の本ではなく、いくつもの伝承や詩集などが残っていてそれを組み合わせたものが今も残っています。

北欧神話でのラグナロクは、キリスト教の終末に相当する未来に起こる神々の世界の終わりです。

神々は予言が可能で、未来のこともすべて知っています。その結果、神々は押し寄せる巨人との終末戦争により滅亡が来ることを知っているのです。それがラグナロクです。

◆ユグドラシル

アニメやゲームでよく目にするユグドラシルは世界樹とも言われています。世界樹という単語もスクエニ作品では常連です。
ユグドラシルは北欧神話の舞台となる9つの世界を持つ大木で、世界そのものです。

我々人類が住む大地もユグドラシルにあり、人間世界はミッドガルドと言われています。こちらも何かと常連単語ですね。
ユグドラシルの世界は地球のような球体ではなく、インドの神話にあるような階層社会になっています。

日本のRPGにも階層世界設定のものがよくありますが、これらの元ネタとも言えます。
ただ階層世界説(キリスト教の天国というものもそれに該当する)は神話にありがちなので、北欧神話に限ったものではありません。

◆パラディン

ゲームでは上位騎士や盾騎士として多く登場するほか、聖騎士扱いもあります。アニメでも何となく上位の騎士っぽい待遇のパラディン。
元々は欧州中世の騎士物語であるローランの歌に出てくる騎士です。

パラディンであるローランはカール大帝に仕える騎士でした。
ローランは空想上の人物ですがカール大帝は実在しています。ようは帝王の騎士たちをパラディンと言います。

この物語ではローランという騎士(パラディン)が忠義や忠誠を見せつつ諸外国と戦ったり、騎士試合などで武を示したりする王道の騎士ものです。
中国(セリカ)の騎士とも試合で戦ったりしてしまいます。当時は中国があんなに離れているとは思われていませんでした。

ところでこのパラディンは元ネタがあります。
つまり元ネタの元ネタですね。

パラディンは古代ローマ帝国の親衛軍(プラエトリアニ:英語でプレトリアン)から来ています。

プレトリアンは元々は軍部隊の本部隊でしたが、指揮官護衛任務が主であることから、いつしか親衛隊の意味になりました。

帝政期のプレトリアンはローマ帝国本国(イタリア半島)に駐留できる唯一の軍事部隊でした。

ローマ軍は海外や属領に本部を構えており、ローマ本国に駐留は許可されていませんでした。なぜなら本国が攻められる心配は一切なく、警察のような治安部隊は別にあるからです。

プレトリアンは皇帝警護、秘密警察、テロ等に対する即応軍などの機能を持っていました。

このことから、パラディンは王の直営護衛騎士の称号になったのです。


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