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池森雄也
2021年2月27日 00:09
この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。数日後、奈美がやって来た。はい、と言って僕にレポート用紙を数枚差し出した。『書いてきたから読み終えたら感想を聞かせてほしいの』『時間を少しくれないか?』『うん』僕たちの関係がジェットコースター並みの速さで、この先をどんどん加速していく。僕は奈美のことを何一つ知らない。それともう一つ後々に判明するのだが、僕を新進気鋭の作家だと思い込
2021年2月26日 03:15
この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。奈美は平然としている。黙って次の言葉を待っているのが本当に伝わってくる。僕のほうが緊張している。ずっと見つめられて恥ずかしさで顔が赤くなっていく。どうやら奈美のあどけない表情や自然と発する言葉に魅了されて恋心を抱きつつあるようだ。僕が奈美に一目惚れされたのに。苛立ちを隠せず、待ちくたびれたお客様に気づく。『お客様、大変申し訳あり
2021年2月25日 02:39
この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。ある日、疲労で倒れた女性を店舗内で介抱していたスタッフに変わって、心配になり話し掛けたのが奈美との初対面だった。僕はまだ奈美が大学生くらいに見えた。本当に随分と若く見えたものだ。奈美もまた僕に対して同様の思いを持っていたようで、実年齢より若く見えたそうだ。この初対面が僕たちを思ってもいなかった方向へと運命が導いていくのだった。それは
2021年2月17日 07:08
この作品も過去に書き上げた長編小説です。現在、三本の連載小説を投稿中ですが、並行して進めていきます。何卒、宜しくお願い致します。プロローグ『ここっていい場所でしょ』彼女は少し微笑んで僕の顔をじっと見つめた。『どうしてそう思うんだい?』そう尋ねた僕に彼女は目を輝かせて近づいてきた。『御苑の気を感じることができるから』素足のまま、彼女はベランダへと移動した。長い黒髪を赴くまま