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ハギワラシンジ
2020年4月17日 17:38
Somebody,火を まず僕が見たのではない。冬の鷹は僕の夢の中にいた。 今朝、8時に起きるところを12時に起きたせいで僕の一日は狂った。冬の鷹が夢の中にいたから。きれいな夢に見とれてしまったから。だからこんなに寝坊したんだ。そして僕の有史以来、過去から今まで続く腐った日々を、今朝の寝坊のせいにすることにした。 12時は昼なんだ。朝じゃない。だからみかんだけ食べた。朝ごはんは無し。 そう
2020年3月27日 23:00
彼女の身体は銃身で、放った後は良く歌う。"よく熱せられた銃が好き。あなたの次に好き" それ言うの待ってって。ちょっと言うのまだ早いって。まだだって。"アギトをぐっと、奥歯をぐっと、食いしばって" 俺と教授は彼女が穿つ様子をモニター越しに眺める。"そのまま千まで数えて引き金。銃痕・イン・ザ・頭蓋"『また頭蓋かい?』 教授が俺に言う。「そうなんだよ」『カレイニナはよくはずしてしまう
2019年3月25日 08:02
風が強くて、温度も低い。 昨日までは暖かかったのに。今日は危険だ。 これから人と会う。そして彼は危険。「久しぶり」「久しぶり」 彼は笑顔で言った。「あそこで飲もうか」 そうしよう。 地下の居酒屋は人があんまりいなかった。僕たちと、店員がいくらかと、まばらな他人。束の間。 僕は黒いビールを頼む。彼は青いカクテル。「お前の方から会おうっていうなんてな」「ああ」 乾杯
2019年2月8日 21:45
線のような坂道を列車は下っていた。この時期において天候は移ろいやすく、先程まであれほど外は広かったのにも関わらず、すっかり灰色に沈んでいる。ミラー氏は冷たく吹き付ける風を何とかしようとして、窓を閉めた。すると冷たい風は無くなった。 列車の内装はあまり良いものではない。かつて人々を照らしていたであろう、天井に張り付いている照明は、鈍い光を放っており、ミラー氏の座っているソファは皮が磨り減って傷つ
2019年2月7日 17:39
このままでは私は死んでしまう。何しろとげが刺さっているのだから。 向こうの部屋では、あいつが今か今かと、目を緑色に光らせて、私が死ぬのを待っている。 そう思う度、死んでたまるかと悔しさでいっぱいになる。 足音が聞こえた。微かにだが、はっきり聞こえた。トンネルに反響して、私を叩く。奴はその音にビビり、さらに奥の方まで引っ込んで行ってしまった。もっと音は近くなる。やがて、その音は近くで止まり、
2019年2月7日 07:58
サン・セバスティアンはとりとめもなく涙を流す。目の前には彼の愛馬が横たわっていた。愛馬が寿命を迎えたのだ。彼は泣く。でも愛馬の死それ自体に泣いているわけではない。これでは旅を続けることができない、と感じて泣いているのだった。 彼はこの旅をずっと楽しみにしていた。なぜならそれはとても名誉なことだったからだ。名誉は人の心を蝕んでいく。彼はそのことを知らなかったのだ。まだ子供だったから。 泣く泣く