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「青くなれなかった春に」

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どうでも良いことが全部愛おしく思えるような日々に恋焦がれていたかつての僕。 灰色にしか見えなかった春も、大人になって見ると、意外に「青かった」のかもしれないと思えるようになった。…
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#高校時代

「好きかもしれない」はもう負けている

「好きかもしれない」はもう負けている

高校1年生の時に、好きかもしれない人が出来た。

夏目前の6月末。
静岡の土肥海岸というところで、2泊3日の宿泊研修をした時のことだった。

遠泳を目的とした研修だったのに連日空は雨模様で、大して海で泳いだ記憶がない。その日も昼過ぎから海が荒れ始めたので、ホテルで時間が過ぎていくのをただ待っていた。

「好きかもしれない」の対象だった子は、クラスは違うけれど同じ部活で入学してからもそれなりに一緒に

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「ここじゃない」と言い続けて。

「ここじゃない」と言い続けて。

「自分がいるべき場所はここじゃない」

そんな感覚に陥ることが儘良くある。

具体的に何が足りてなくて、なんでそこが自分の場所ではないと思っているのかは分からない。

ただなんとなく「ここじゃないんだ」という漠然とした思いを、僕は常に心の内側に秘めている。

きっと「私」の言葉を見て、感情にも言葉にもならないような何かの所為で、胸に違和感を覚えている人は、同じような思いを抱いているのではないだろう

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勝手に終わった恋だった。

勝手に終わった恋だった。

中学生の時、人生で初めての恋人が出来た。

好きが何かとか、
愛が何かなんて考えたことはなかったし、

所詮は大人の真似事でしかなかったけれど、
僕にとっては紛れもなく初めての恋愛だった。

少し前に「大人の恋愛と子供の恋愛は何が違うと思いますか」と聞かれたことがある。

私はその時「本質的には何も変わらない」と答えた。

恋なんて全部等しく脆くて、痛くて、それでいていじらしく心地の良いものだと思

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性根が腐るには時間が足りない

性根が腐るには時間が足りない

「俺達とお前らは友達じゃないから」

15歳の4月、高校の寮に住み始めた最初の夜のこと。当時の水泳部の主将から言われた最初の言葉だった。

僕が住んでいた寮は、元々精神科の病棟だったと言う噂のある建物で、かなり年季が入った古い外装をしていた。

外見に違わず中もボロボロで、8畳程度の部屋の中に二段ベットが二つ押し込まれた寝るだけの部屋が10室ほど並んでいた。

電子機器の使用は禁止。
勿論ゲーム機

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0.大人になった気がしていた

0.大人になった気がしていた

今まで生きてきて一番大人になった気がした日は、大学生になった4月1日でもなく、入社式を迎えた4月1日でもなく、ましてや初めてセックスをした日でもなく、高校生になった4月1日だった。

学ランを脱ぎ捨て、少し身丈に合わない紺のブレザーに身を包み、足元は白基調のスポーツシューズから真っ黒のローファーに履き替えただけで随分大人になった気がしていたのを覚えている。

勿論それはただの勘違いで、大人になった

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