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アナリティカル・シンキング by Exploratory

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主に海外のデータサイエンスやデータ分析関連の情報をみなさんと共有することで、日本のデータ競争力を上げたいなって思ってます。日本でトレーニングもやっています!https://exp…
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2019年2月の記事一覧

ソフトウェアの波に飲み込まれた後は、さらにAIによって進化中のカメラ

ソフトウェアの波に飲み込まれた後は、さらにAIによって進化中のカメラ

私がシリコンバレーに移った2000年ころは、カメラと言えば日本、つまりキャノン、ソニー、ニコンといったかんじでしたが、今やそんな面影すらありません。すっかりAppleかGoogleという時代になってしまいました。

これはカメラがソフトウェアに飲み込まれてしまったからですが(少なくとも一般消費者にとっては。)、現在ソフトウェアの中でも特にAIのレイヤーによって、カメラはこれからもさらに進化していく

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アメリカのAI戦略を理解するための3つのポイント

アメリカのAI戦略を理解するための3つのポイント

ようやくでてきました、トランプ政権下初のアメリカのAI戦略。

現在のところ、中身に具体性が乏しく、さらに具体的な予算が取れているわけではないので、評価が難しい側面はありますが、実際に読んでみると、AIをわかっている人間が後ろで戦略を練っているのだなということが読み取れて、いくつかの点で興味深いです。

Executive Order on Maintaining American Leaders

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Spotifyで流行った後、3ヶ月ほど経ってラジオでヒット曲を知る時代

Spotifyで流行った後、3ヶ月ほど経ってラジオでヒット曲を知る時代

これを読まれてる人たちの多くはSpotifyやApple Music(またはYoutube)のようなストリーミング・サービスを使って最新の音楽を発見したり聴いていると思います。

そのことは最近ではあまりにも当たり前になってたので、すっかり忘れてたのですが、ちょっと前までは(といっても10年前ほどですが)ラジオのDJというのがどういう曲が流行るのかどうかというトレンドを作っていたりしたものです。(

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自動運転ソフトウェアを国が審査? - 宗教的にじゃなく、サイエンス的に考えればよいという話

自動運転ソフトウェアを国が審査? - 宗教的にじゃなく、サイエンス的に考えればよいという話

データを使ったサイエンスな思考法であるアナリティカル・シンキングこそが、今日の不確実な世界の問題解決に最も求められるスキルだ。

最近、日本で国が自動運転に関するソフトウェアの修正パッチを検査するというニュースが出てましたが、私のツイッターのタイムラインでも盛り上がってました。

ツイート見てたら賛成と反対の立場での反応は以下の2つに集約できそうです。

賛成:人の命がかかってる、公道走るんだから

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10のチャートで見るアメリカの悲惨なミドルクラス

10のチャートで見るアメリカの悲惨なミドルクラス

Image from Teaching Telerance

「アメリカのミドルクラスが死んでいっている。」

現在のアメリカはますます、極端な右と左の2極化が進んでいます。右はトランプ旋風を支えている人たち、左は金持ちから70%の税金を搾り取れと叫んでいる主に民主党の人たちです。

以前にも紹介したことのある、Bridgewaterという世界で一番大きいヘッジファンドの創業者で元CEO、現在はC

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人間の命を救うはずだったAIが政治と無知によって無視されてしまった話

人間の命を救うはずだったAIが政治と無知によって無視されてしまった話

優れた料理人はお客さんが育てると言うことばがあります。料理を食べるお客さんが、それがほんとにうまいかどうかわからないと、料理人のレベルも上がらないということです。

実はAIにもそれと同じような面があります。

AIがわからない人にAIを渡しても、AIの真価は発揮できないということです。

今回は、汚染された水道管を発見することができるAI(機械学習による予測モデル)をせっかく開発したにもかかわら

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P値の問題は氷山の一角だ

P値の問題は氷山の一角だ

統計を勉強するときに避けて通れないものの一つに、P値というものがあります。(正確には頻度派ですが。。。)仮説検定のときに出てくるやつです。

しかし、最近は統計の世界にはびこっているこのP値に対する盲目的な信仰がいろいろと批判の対象になっていたりもします。

そんなおり、Jonhs Hopikins大学でデータサイエンスを教えるRoger D. PengとJeffrey T. Leekがネイチャー

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気づき力 - 意思決定の精度を上げるための3つのアドバイス

気づき力 - 意思決定の精度を上げるための3つのアドバイス

Max Bazermanによる「The Power of Noticing: What the Best Leaders See」という本があります。この本自体は数年前に出たものですが、そちらの本のレビューとして「意思決定に役立つ3つの「気づき」パワー」といった内容の記事を最近目にしました。

よりよい意思決定を行うためのデータ分析という観点からも、非常に参考になる提言だと思います。

ちなみに、

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ヨーロッパはAI時代の競争においてなぜ絶望的なのか

ヨーロッパはAI時代の競争においてなぜ絶望的なのか

日本では「欧米」という言葉のもと、ヨーロッパとアメリカを一緒のようなものとして扱ってしまうことをよく見受けます。

例えば、アメリカがすごいという分野があると、それによってヨーロッパも同じようにすごいのだ、というかんじです。

ところがじっさいにアメリカやヨーロッパに住んでみると、この2つは大きく異なる価値観をもった2つの異なる世界なのだと実感することになります。もちろん、そのヨーロッパの中でも、

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