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シリコンバレーでExploratory (https://ja.exploratory.io) というデータサイエンスのスタートアップやってます。日本にもブートキャンプのためにたまに行きます。いっしょにデータ分析学びたい方は声かけてください!

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  • アナリティカル・シンキング by Exploratory

    主に海外のデータサイエンスやデータ分析関連の情報をみなさんと共有することで、日本のデータ競争力を上げたいなって思ってます。日本でトレーニングもやっています!https://exploratory.io/training-jp

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最近の記事

Exploratoryの2019年を振り返って

今年2019年はExploratoryにとってはいつものように目まぐるしくも大きな飛躍の年でした。ほんとにたくさんのことがあったので、2019年を振り返るということでこちらにまとめてみました。もしよろしければ目を通してみて下さい。 Exploratoryデスクトップまずは、Exploratoryというプロダクトに関してです。 「データサイエンスを誰でも簡単に使えるように」ということで2016年にデビューしたExploratoryデスクトップですが、すでに4年近くになります

    • 意思決定には2つのタイプがある、 一方通行と両方通行

      全ての意思決定を同じように捉えていませんか? 実は意思決定には2つのタイプがあります。 AmazonのCEO、ジェフ・ベゾスが2010年に株主へ宛てたレターの中でこのことをきれいにまとめているので、ここで紹介します。 以下、要訳。 --- タイプ1の意思決定いくつかの意思決定はその結果が重大で、あとで修正したり、もとに戻すことができないものだ。つまり一方通行である。 このタイプの意思決定は念入りに、注意を払って、ゆっくりと行う必要があり、十分に考え、専門とする

      • ソフトウェアの波に飲み込まれた後は、さらにAIによって進化中のカメラ

        私がシリコンバレーに移った2000年ころは、カメラと言えば日本、つまりキャノン、ソニー、ニコンといったかんじでしたが、今やそんな面影すらありません。すっかりAppleかGoogleという時代になってしまいました。 これはカメラがソフトウェアに飲み込まれてしまったからですが(少なくとも一般消費者にとっては。)、現在ソフトウェアの中でも特にAIのレイヤーによって、カメラはこれからもさらに進化していくことが期待されています。 この10年ほどは、「Software is eath

        • アメリカのAI戦略を理解するための3つのポイント

          ようやくでてきました、トランプ政権下初のアメリカのAI戦略。 現在のところ、中身に具体性が乏しく、さらに具体的な予算が取れているわけではないので、評価が難しい側面はありますが、実際に読んでみると、AIをわかっている人間が後ろで戦略を練っているのだなということが読み取れて、いくつかの点で興味深いです。 Executive Order on Maintaining American Leadership in Artificial Intelligence - Link ち

        Exploratoryの2019年を振り返って

        • 意思決定には2つのタイプがある、 一方通行と両方通行

        • ソフトウェアの波に飲み込まれた後は、さらにAIによって進化中のカメラ

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        記事

          Spotifyで流行った後、3ヶ月ほど経ってラジオでヒット曲を知る時代

          これを読まれてる人たちの多くはSpotifyやApple Music(またはYoutube)のようなストリーミング・サービスを使って最新の音楽を発見したり聴いていると思います。 そのことは最近ではあまりにも当たり前になってたので、すっかり忘れてたのですが、ちょっと前までは(といっても10年前ほどですが)ラジオのDJというのがどういう曲が流行るのかどうかというトレンドを作っていたりしたものです。(少なくともUSでは。) ところが今のようなストリーミング・サービスで音楽を聴く

          Spotifyで流行った後、3ヶ月ほど経ってラジオでヒット曲を知る時代

          自動運転ソフトウェアを国が審査? - 宗教的にじゃなく、サイエンス的に考えればよいという話

          データを使ったサイエンスな思考法であるアナリティカル・シンキングこそが、今日の不確実な世界の問題解決に最も求められるスキルだ。 最近、日本で国が自動運転に関するソフトウェアの修正パッチを検査するというニュースが出てましたが、私のツイッターのタイムラインでも盛り上がってました。 ツイート見てたら賛成と反対の立場での反応は以下の2つに集約できそうです。 賛成:人の命がかかってる、公道走るんだから、国が検査するのは当たり前。 反対:政府にソフトウェア、特にAIをスピーディに検

          自動運転ソフトウェアを国が審査? - 宗教的にじゃなく、サイエンス的に考えればよいという話

          10のチャートで見るアメリカの悲惨なミドルクラス

          Image from Teaching Telerance 「アメリカのミドルクラスが死んでいっている。」 現在のアメリカはますます、極端な右と左の2極化が進んでいます。右はトランプ旋風を支えている人たち、左は金持ちから70%の税金を搾り取れと叫んでいる主に民主党の人たちです。 以前にも紹介したことのある、Bridgewaterという世界で一番大きいヘッジファンドの創業者で元CEO、現在はCIO(Chief Investment Officer)としてまだ現役のレイ・ダ

          10のチャートで見るアメリカの悲惨なミドルクラス

          人間の命を救うはずだったAIが政治と無知によって無視されてしまった話

          優れた料理人はお客さんが育てると言うことばがあります。料理を食べるお客さんが、それがほんとにうまいかどうかわからないと、料理人のレベルも上がらないということです。 実はAIにもそれと同じような面があります。 AIがわからない人にAIを渡しても、AIの真価は発揮できないということです。 今回は、汚染された水道管を発見することができるAI(機械学習による予測モデル)をせっかく開発したにもかかわらず、結局使われなくなってしまい、そのせいで問題の水道管が今でも取り替えられず、多

          人間の命を救うはずだったAIが政治と無知によって無視されてしまった話

          P値の問題は氷山の一角だ

          統計を勉強するときに避けて通れないものの一つに、P値というものがあります。(正確には頻度派ですが。。。)仮説検定のときに出てくるやつです。 しかし、最近は統計の世界にはびこっているこのP値に対する盲目的な信仰がいろいろと批判の対象になっていたりもします。 そんなおり、Jonhs Hopikins大学でデータサイエンスを教えるRoger D. PengとJeffrey T. Leekがネイチャー誌に興味深いエッセイを出していました。 P値に対する批判ばかりに目を取られるの

          P値の問題は氷山の一角だ

          ヨーロッパはAI時代の競争においてなぜ絶望的なのか

          日本では「欧米」という言葉のもと、ヨーロッパとアメリカを一緒のようなものとして扱ってしまうことをよく見受けます。 例えば、アメリカがすごいという分野があると、それによってヨーロッパも同じようにすごいのだ、というかんじです。 ところがじっさいにアメリカやヨーロッパに住んでみると、この2つは大きく異なる価値観をもった2つの異なる世界なのだと実感することになります。もちろん、そのヨーロッパの中でも、西と東で大きく違い、西ヨーロッパの中でも北と南、もしくはカトリック系とプロテスタ

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          気づき力 - 意思決定の精度を上げるための3つのアドバイス

          Max Bazermanによる「The Power of Noticing: What the Best Leaders See」という本があります。この本自体は数年前に出たものですが、そちらの本のレビューとして「意思決定に役立つ3つの「気づき」パワー」といった内容の記事を最近目にしました。 よりよい意思決定を行うためのデータ分析という観点からも、非常に参考になる提言だと思います。 ちなみに、この本の日本語訳も出ているようです。タイトルがちょっといけてないですが。。。

          気づき力 - 意思決定の精度を上げるための3つのアドバイス

          「データは真実」はほんとうか

          最近、データを使うということが手段でなく、目的になってしまい、その挙げ句、データが「神格化」されてしまっているような風潮があります。 つまり、データが言うのだから、間違いはないというわけです。 そこで「データ・ドリブン」という言葉が先歩きをしてしまうのでしょう。 もちろん、単に「データ」と言っても、人によってその意味することは様々ですが、その中でも、英語では、「Raw Data」、日本語にすると「生データ」、つまり加工する前の、とれたてほやほやのデータという意味でのデー

          「データは真実」はほんとうか

          「AIはテック企業をもっと強くする」はほんとうか

          AIによってシリコンバレー(もしくはベイエリア)への一極集中はさらに加速するのでしょうか。 現在、AI分野で進んでいる企業と言えば、Google、Apple、Facebook、Teslaなどといったシリコンバレーの企業か、中国のいくつかの企業を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。 そういった企業はデータ・ネットワーク効果を利用して、現在もどんどんとデータを集め続け、それによって彼らのアルゴリズムの精度をどんどん上げていくことにより、さらにユーザーの数が増え、それによ

          「AIはテック企業をもっと強くする」はほんとうか

          AI/データサイエンスのプロジェクトが失敗する10の危険なサイン

          ここ数年日本でも会社の規模を問わずAI関連のプロジェクトに関する投資が大きな規模で連日行われているように思います。こうしたAIイニシアチブは多くの場合がトップダウン、つまり社長や重役からの指示ではじまり、それに見合った実行計画をマネージャーレベルが作成し、その部下が実行もしくは外部コンサルティング会社に外注というのが多いパターンではないでしょうか。 しかし、そうしてなんとなく慌てて始まったAIに関する投資も、思ったような成果が上がっていないということで、そろそろ失望と困惑が

          AI/データサイエンスのプロジェクトが失敗する10の危険なサイン

          間違いの多い統計プロバガンダに騙されないための8つのアドバイス

          最近ではフェイクニュースという言葉のおかげで、ニュースなどメディアでみかける主張や数値に対して疑問を持つというスタンスが以前に比べて少しづつではありますが見られるようになってきたように思います。それでもまだ多くの人がふだん毎日忙しい中で、センセーショナルなニュースのヘッドラインをついつい鵜呑みにしてしまい、さらにそれらをソーシャル・ネットワークなどで共有することで知らず知らずのうちにおかしな主張をどんどん拡散してしまっているというのが現状です。社会的に与える影響を考えるとこれ

          間違いの多い統計プロバガンダに騙されないための8つのアドバイス