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Exploratoryの2019年を振り返って

今年2019年はExploratoryにとってはいつものように目まぐるしくも大きな飛躍の年でした。ほんとにたくさんのことがあったので、2019年を振り返るということでこちらにまとめてみました。もしよろしければ目を通してみて下さい。

Exploratoryデスクトップ

まずは、Exploratoryというプロダクトに関してです。

「データサイエンスを誰でも簡単に使えるように」ということで2016年にデビューしたExploratoryデスクトップですが、すでに4年近くになります。

今年2019年は、4つのメジャー・リリースをしました。

5.1, 5.2, 5.3, 5.4 です。

さらに、細かい機能強化やバグの修正のために18回のパッチリリースも行いました。

詳しくはこちらのリリースノートを。

とにかくたくさんの新機能や機能強化を世の中に送り出しましたが、その中でも私個人が選ぶTop 10 Great 新機能は以下です。

最もよかった新機能 トップ10

1. パラメーター

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これは2019年最初のプロジェクトでした。

SQLのクエリーや、データラングリングの計算処理やフィルター、さらにはカスタムのRスクリプトでもどこでも使えるスーパー・パラメーターを作ろうということでスタートしました。このパラメーターを使うことで、ダッシュボード、ノート、スライドがインタラクティブになり、さらにはExploratoryデスクトップを持っていない人でも、ブラウザ越しにRやSQLでデータ処理をさせることができるようになりました。

2. 新しいチャート・タイプ

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2019年は、バイオリン・プロット、密度曲線、ワード・クラウドという3つの新しいチャート・タイプが加わりました。ただ、バイオリン・プロットに関しては、箱ひげ図が苦手な人にはよりわかりやすいだろうと思ったら、逆により混乱していたというのは大きな学びでした。

3. スーパー・テーブル

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ダッシュボードやノートに入れたり、データを共有したりするときに便利なチャートの一つのタイプとしてのテーブルですが、こちらに「スーパー・テーブル」というべき機能強化を行いました。列ごとにフォーマットしたり、値や条件によって色付けしたり、関数を適用したり、さらにはURLリンクをつけたりといったことが簡単にできるようになりました。

4. 数値のカテゴリー化

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チャートの中で直接、数値データをカテゴリー化、つまりグループ分けすることができるようになりました。これは、自分たちが当初期待してた以上に使いやすく、さらに分析の幅を広げてくれるものとなりました。7月に来日した際には西麻布のバーでこの機能の話で盛り上がっていたのですが、ムラサトが「これは箱ひげ図 2.0ですよー!」と叫んでいたのが昨日のことかのようです。

5. コメント

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データを分析し始めるとたくさんチャートを作成していくことになりますが、そんな時に、一体何がわかったチャートなのかをコメントとして残しておくことができるようになりました。

こうやってコメントを残しておけば後で分析ノートを作る時に、貼り付けるだけで完了、ということでこれは #EDAサロンでも重宝する機能となりました

6. データ・カタログ

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私達はデータサイエンスの民主化をふだん謳っていますが、私達の多くのお客様の組織では、実はデータの民主化なしにはデータサイエンスの民主化が始まらないということに気づき、それを解決するために、いわゆる「データマート」である、Exploratoryデータ・カタログを作りました。

これは私達にとっては初のソリューションベースの機能ということで、データガバナンス、データ・レディネス、データ・アクセスに関する課題を持つ多くのお客様から多くのことを学ばさせてもらうことができました。

7. ボルータ

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これは、ブートキャンプでランダム・フォレストを使って変数重要度を出す時にみなさんが納得行かない問題を解決するためにつけた機能です。これで、毎回順位が変わってもばらつきの分布として比べることができるようになり、さらにどの変数は見ておく必要があるかないかの判断もつきやすくなりました。

8. パワー(検出力)分析

これもブートキャンプで仮説検定の話になると決まって問題になる、必要なデータ量とはという質問に答えるために使いした機能です。これによって、A/Bテストのデザインに使ってくれるユーザーの方が出てきたのはうれしかったです。

9. 集計(Summarize)のUIのデザイン・アップデート

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集計の他にも、ピボット、列名の変更などデータラングリングのステップのUIをいくつかデザインし直したのですが、特にこの「集計(Summarize)」のユーザビリティが10倍くらい良くなりました。

よく考えれば「集計(Summarize)」はデータラングリングをする1つの大きな理由でもあるほどなので、後で考えれば、さっさとやればよかったと思ってしまったほどでした。

10. GoogleアナリティクスのUIのデザインし直し

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後で考えればさっさとやっておけばよかったということでは、このGoogleアナリティクスほどふさわしいものはないと思います。はい、それほどに以前のUIはうんこのようでした。

何はともかく、これでようやく普通の人が普通に使うことができるものになりました。ただそれだけなのですが、ここまで来るのが長かった。。。自分たちもGoogleアナリティクスは使っているので、この新しいUIのユーザビリティは無茶苦茶助かり、そのせいでGoogleアナリティクスのデータを見る時間が多くなり、さらに見方もより深くなりました。データを取りやすくするということは、分析の幅を広げ、より深くすることになるのだと、気付かされた経験でした。

もちろん、これ以上にもたくさんの新機能や機能強化がありましたが、今回はTop 10ということで、この辺にしておきます!

Exploratory Public

しかし、今年2019年のExploratoryを語るには忘れてはいけないのが、Exploratory Publicです。こちらは、プロジェクトとデータをExploratoryクラウド上でパブリックなものとして保存することに構わない人が無料で使うことができるExploratoryです。こちらを10月にリリースしたのですが、それ以前の10倍くらいの方たちにExploratoryユーザーとなっていただくことができました。

ただ、こちらは絶えずオンライン状態でないと使えないということで、ネットワーク関連の設定を含め結構痛い思いもしました。社内でのVPNの設定がうまく行かない場合あまりにもひどいユーザー・エクスペリエンスとなってしまい、Exploratory史上初の「ブランドの危機」を経験しました。

幸い、Team Exploratoryの必死のリカバリー開発ドリルで、そのあたりのユーザー・エクスペリエンスをパブリック版だけではなく、有料版でも改善することができ、さらにはそこから「完全オフラインモード」という機能を追加することもできました。結果としてですが、ただでは転ばずにすみ、よかったなと思います。

Exploratory Data Science Bootcamp

2017年に始まったデータサイエンス・ブートキャンプですが、今年は5回開催することができました。平日版、週末版を分けてカウントすると1クラス3日のものを10回行うことができました。

5月には、イーオン様向けに初の北海道でのブートキャンプを開催することもできました。

さらに、その5月のタイミングで、SaaSアナリティクスとEDA(探索的データ分析)の2つの新しいトレーニングも開催しました。

ほぼ2ヶ月に1回の割合でトレーニングを行ってきたことになりますが、実はそのタイミングでExploratoryの方も新しいリリースを行ってきました。トレーニングからのフィードバックやExploratoryユーザーからのフィードバックから明らかになった問題を解決するための新機能や機能強化のためのリリースです。ただ正直言って、この新バージョンのリリースと、トレーニングのコンテンツの改善を2ヶ月に1回ペースでやるのはチームにとってかなりつらかったと思う。Team Exploratoryのみんな、この場を借りてご苦労さま、そして必死にやり抜いてくれてありがとう!

そのおかげで、ブートキャンプ(11月)のNPS(ネット・プロモーター・スコア)は1月:52.5、3月:67.5、5月:57、7月:60、11月:81と、着実に上げていくことができました。

ただ、何と言っても、このブートキャンプを通して多くの人たちと出会うことが出きるというのがサイコーの贈り物です。みなさん様々なデータに関する問題、期待、恐怖感(!)を抱えていますが、そんな「データ」を共通言語として多くの人たちと出会い、語り合うことができるのは、Exploratoryをやっててよかったと一番思える時でもあります。

これまでに参加してくださった方、この場を借りて、どうもありがとうございました!

来年も1月よりスタートしますが、より多くの人達と巡り会えるのを楽しみにしています!

Exploratoryオンライン・セミナー 19回開催

Exploratoryオンライン・セミナーとしてデータ分析の手法や統計、機械学習のアルゴリズムの紹介と使い方の無料セミナーを19回ほど行いました。まだまだ、データ分析の手法や統計、機械学習のアルゴリズムは多くの人にとってはミステリアスなものかもしれませんが、もっと身近なものとして広めていけるよう来年以降もどんどんと役に立つものを紹介していきたいと思ってます。

日経ビジネスでオンライン・ゼミを開催

日経ビジネスの篠原さんが私達のブートキャンプへ去年参加していただいたことをきっかけに、始まった企画です。データサイエンスが現状、理系の人、エンジニアの人の間で盛り上がってはいるが、文系、理系関係なくビジネスの場で毎日意思決定を行っている人であれば誰でもデータサイエンスやデータ分析を理解し、さらには使いこなしていくべきだという想いをもとに二人で盛り上がり、そこからこちらの企画につながりました。

私の方でなかなか時間が取れず、進捗が滞りがちでしたが、篠原さんが私の背中を押し続けてくれたかいあって、全部で17回のシリーズ、「文系にもできるデータサイエンス入門」を無事に公開することができました!

Exploratoryアワー - 51個の質問に答える

データ分析やデータの可視化をしようとすると、様々なデータの整理や加工に関する問題にぶち当たります。Exploratoryではそうした問題はデータラングリングやチャートを使って比較的簡単に解決できるのですが、知らないとそれは解決できない問題として終わってしまいます。そこで、普段ユーザーの方から受けている質問をもとに、もっと多くのExploratoryユーザーの方たちと様々な解決策を共有していこうということで、毎週火曜日お昼の12時にExploratoryアワーというのを今年の7月より始めました。すでに22回ほどのセッションを行い、51個のデータラングリング、可視化に関する質問に解決策といっしょに答えることができました。

EDAサロン


今年の7月に始めた#EDASalon は6回も行うことができました。もともとTeam Exploratory内部で自分たちのスキルアップとプロダクトの改善のためにやっていたData Hackathonという活動を外で公開してやればこれまでトレーニングに来た人たちやExploratoryユーザーの方たちに継続的スキルアップの場を提供できるのでは、ということでやりはじめました。これまで6回ほどやって来ましたが、Team Exploratory以外にも10名ほどの方に参加していただき、さらには、ワサビさん、タナベさんというスターも誕生しました!

こちらのページでこれまでの #EDAサロンへの投稿が見れます

実はこのEDAサロンとExploratoryアワーをここまで継続的に続けることができたのは、表でも、裏でもしっかりと企画、運営してくれたタカトのおかげです。この場を借りて、ありがとう!!今年の4月にTeam Exploratoryに参加してくれた新卒のタカトですが、彼の飲み込みの速さと「やり抜く力」は来年さらなるExploratoryの飛躍に貢献してくれるでしょう!

Exploratory 2020の予定

さて、来年2020年のExploratoryですが、すでにおもしろい企画が盛りだくさんです。

まずは年明け早々にExploratoryの次期バージョン、v5.5をリリース予定です。ダッシュボード、チャート、データラングリングのエリアでの役に立つ機能強化がたくさんあります!

それ以降は、v6.0のリリースを春頃に予定しています。ここでは2つのおもしろい機能を追加する予定です。1つはコラボレーションで、もう1つは時系列予測に関するものです。お楽しみに!


また、1月末はデータサイエンス・ブートキャンプのために来日ですが、その際には「Googleアナリティクス x データサイエンス」というセミナーとExploratoryユーザーを対象にした「データサイエンス勉強会」を行います。お時間のある方はその際にお会いできることを楽しみにしております!

それ以外にも会ってお話したいという方はぜひ声をかけて下さい!

さらにトレーニングということでは、来年こそは念願の時系列予測に関連するトレーニングと、これまでもリクエストの多かったデータラングリングに関するトレーニングも開催したいと思っています。こちらもお楽しみに!

2020年に向けて

まだまだ私達は小さいチームですが、「データサイエンスを誰でも使えるようにする」ために、毎日を実験と学びの機会ととらえ、顧客・ユーザー・ファーストの視点で謙虚に学び、絶えずExploratoryを改善し続けていきたいと思っています。

それでは、改めて、2019年はExploratoryにお付き合いいただきどうもありがとうございました!

そして、2020年も引き続き、みなさんのお役に立てるよういろいろとチャレンジをしていきたいと思っております。よろしくお願いします!

最後に、Team Exploratoryのみんな、一年間お疲れ様でした!そしてExploratoryをここまで成長させてくれてありがとう!来年もさらに飛躍しましょう!

2019年12月31日、サンフランシスコ

西田 勘一郎、CEO/Exploratory

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