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メルボルンがロックダウン中に看護師ができること

こんにちはDash(@DashEnglish1)です。

オーストラリアのメルボルンに住んでいて、3度のロックダウンの経験をしました。でも振り返ってみると、やってることはいつもと何ら変わりません。

しかし、その中で気付いたのは
「誰のために」
「何のために」
という目標意識をハッキリともって行動していたことです。

普段生活していると、赤の他人には必要以上に気を遣うことはよくあります。しかし、ロックダウンで制限された生活を送り自分が本当に守りたいものの優先度は日常的に後回しにしていたということに気づきました。

ロックダウンだからと言って特別なことはしていません。しかし、他の職業の人より、人の健康に影響を及ぼす仕事をしていると自負しています。できること+少しだけのアルファを積み重ねるで社会が良い方向に向かえばと思っています。

メルボルンのロックダウンの状況

簡単にこれまでのロックダウンと人々の反応をまとめると下のような感じです。

1回目のロックダウン(2020/03/16-2020/04/12)

多くの人は訳も分からず、本当に感染症が世界的に流行していることさえ受け入れられなかった。「気合で乗り越えればすぐに過ぎ去るだろう」というような楽観的な人も多くいました。しかし今まで経験したことのない生活を強要されて、ストレスが溜まっていた。新しいことを始めることで楽しみを見つけたり、とにかく色んな事を模索していました。

2回目のロックダウン(2020/06/30-2020/10/26)

最初のロックダウンのツラさを思い出して「またか家から出られない」という重苦しい空気が漂う。制限と罰則が強化され、政府が動きを強めていた時期でもあった。軍が街を見回ったり、ヘリコプターが上空を飛んでいて異様な光景が各所で見られた。ロックダウン期間が延長され、人々の緊張とストレスがピークになっていた。そのため政府の方針に反対して250人がデモに参加し、その全員が罰金もしくは逮捕された。

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BBC News

ロックダウンが解除された後に街中に人が溢れ返っているのを見て、本当に抑圧されていたんだと強く感じた。

3回目のロックダウン(2021/02/13-2021/02/17)

前回のロックダウンから約4か月たっており、制限された生活に慣れてきたことろに再開された。開始前からから5日間という期間を設定されていたので、「またか」という感じで受け入れてた。しかし「同じ事を何度も繰り返している」「今後もまた同じことになるので」はという状況からストレスを強く感じてる人もいた。

そしてオーストラリア保健省の最新のデータより、状況はこんな感じ。

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この情報で特に注目しなければならないのはメルボルンのあるビクトリア州での市内感染のケースが2番目のニューサウスウェールズ州の10倍以上もあるということ。やはりロックダウンは避けられないでしょうね。

4回目のロックダウン(2021/05/28-???)

メルボルン市内でCOVID陽性患者が確認され、その行動履歴からメルボルン市内の何か所での感染リスクの可能性が出ました。これを受けて、政府はメルボルンに4度目のロックダウンを決行。また期間中に介護施設でのクラスター発生も引き金となりロックダウンの延長が決定されました。

ロックダウンも関係なく感染予防

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医療者が感染症にかかるリスクが一番高いというのは言うまでもありませんが、そこから更に広げてしまう可能性があるのが恐いと思いました。自分が罹って家で休養しなければならない場合、他のスタッフに負担がかかるので絶対に避けたかったんです。

感染予防の知識があるのに、それを怠ったせいで人に移してしまうと心が痛むでしょうから真剣に取り組まずにはいられません。

♢皮膚がふやけるほど手洗い
♢手が擦り切れてもアルコールで消毒
♢処置の時にはサウナスーツのようなガウンを着用

このようなよくニュースで目にする感じで働いています。コロナで職を失った人も多くいます。仕事があり経済的に安定しているだけでも、ありがたいことです。だからこそ自分の持ち場でがんばることが社会の一員としての役割だと考えています。

ナースこそ家族を守らねば

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※イメージです

コロナに罹ってしまうリスクのある医療者とその家族に対する扱いが、非常に悪いものだというニュースを見て愕然としました。

✖医療者であるために宿泊を拒否される
✖家族が介護施設で働いているから、幼稚園の登園を拒否される
✖病院で働いているという理由で、親が介護施設に行くのを禁止される

病気をうつされたくないという思いは理解できます。しかし医療者は自分や自分の家族が感染するリスクを承知の上で働いているのに、社会から受け入れられないことどのように考えているのだろうか。

世界的には最前線で働くことを肯定的にとらえられているのに、なぜ日本だけはこのような扱いなのだろう。やるせない気持ちで一杯になっていると想像できます。

妻は医療者の家族なので感染のリスクを理解してくれています。だからこそ不安にさせない、妻の職場にも迷惑をかけないように自宅を清潔に保っています。帰宅時の手洗いうがいはもちろん、平常時よりも掃除にも気を使っています。

1日に何十回も手洗いとアルコール消毒を繰り返すので指の関節の部分が赤くなって、切れてしまいとても困っていました。

家で手を洗う回数も増えたので、思い切ってロクシタンのハンドソープを買ってみました。手洗いするだけで少しでもポジティブな感情を持てるように工夫しています。

ロクシタンのハンドソープを使ってから、明らかに保湿の面では効果を発揮してくれました。指しっとりです。洗い上がりの香りもいいので、ちょっと気分が上がっておすすめです。

メルボルンの人のためにできること

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オーストラリアではコロナによる経済活動の停止等の理由で鬱病患者や自殺者が増加していて、社会問題になっています。

オーストラリア健康福祉研究所(AIHW)によるとメンタルヘルスに関する相談件数は2019年の9月に比べて最大で約20%増加したというデータがあります。

  • いつ感染するかわからない恐さ

  • 他人同士が監視しているような感覚

  • いつこの状況から抜け出せるかわからない感覚

こんな環境が人に与える精神的な影響は、とても大きいんです。

それでも人は強いものです。自作で花柄の布マスクを職場全員にプレゼントしてくれたスタッフがいました。
「こんな状況でもポジティブ」
「自分もツラいのに他人を思いやる姿勢」
に勇気づけられました。僕にはちょっと可愛すぎたけど。

このように他人を思いやる気持ちに触発され、僕も普段は連絡をとらないような友達に連絡をとってみました。「大丈夫?」と聞くだけで、お互いに励まし合えるものです。自分、家族、そして友達と少しずつ「気にかける範囲」を広げることで社会の役に立つと思います。

この時代に生きる不運を嘆くより、現状を一緒に乗り越えたいと思っています。

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