3年間、部屋に引きこもっていた高校生が動き出した理由

あるご家族の変化



引きこもりや不登校は親の人生も、子どもの人生も大きく変えてしまうほどインパクトのある出来事です。


他者が関わることが難しいので、家族は孤立し四面楚歌な場合が少なくありません。

昨晩、相談支援事業「まるHUG@FAMILY」の講座をご夫婦で受けられている方(女性)から夜にメッセージがありました。

メッセージの内容の前に
少しだけご家族の奇跡を説明しますね。

5ヶ月の奇跡

3年ほど部屋に引きこもっていた息子さんが、お父さん、お母さんの地道な努力によって、少しずつ部屋から出てくるようになり

それまでは15分以下だったご家族の時間が2時間以上になりました。

2ヶ月前には、他の家族と一緒にキャンプに行くことができました。

先月にはなんと
3年ぶりに髪を切りました。


腰よりも長かった髪がスッキリとイケメンに変身した様子を写真で送ってくださったときは、
わたしは感極まって涙がこぼれました。

思春期のお子さんの容姿の変化は、
行動を大きく変える力になりますから、


きっとこれから動き出すだろうと
推測をしていましたが
まさにその通りになりました!


歯医者にも行き
長年溜まった歯垢を削ぎ落としてもらい


お風呂にも短いスパンで
入るようになりました。

なんと、
高校にも行きたいと今、動き出しています。


Aさんからの夜遅い連絡は・・・


そして、昨晩のご連絡です。
何事かとドキドキLINEを読むと

メッセージと
1枚の写真が送られていました。


ご家族で泊まりの集まりに息子さんも参加し
若者たちのグループの夜の集まりで
自然な笑顔で過ごしている写真を
送ってくださったのです。

長かった髪の彼の変貌ぶりに
知り合いの方々は驚き
そしてとっても喜んでくれたそうです。


青年を変えたもの


彼が小さな自分の部屋から出てきたこと。

徐々に家族と会話をするようになったこと。

散髪、歯医者などの社会に出るようになったこと。

これは、なぜだと思われますか?



強制したり、誘導したわけではありません。
わたしも直接お子さんに関わりを持ったわけでもありません。

ご両親が粛々と誠実に実行されたこと

それは、
肯定的なフィードバックを与え続けることです。


講座ではこれをアファメーションと呼んでいます。


アファメーションは
「肯定し、言語化し、宣言すること」です。

心理学的、脳科学的な根拠がありますが
大切なことは


お子さんが自分について
「肯定的に見られるようになる」こと。
これに尽きます。

人は誰だった否定され続けたら
生きていくのが辛くなるだけで、
やる気を起こすどころではありません。

でも私たち大人は簡単に
子どもを否定しがちですよね。


なぜか怒鳴ったり、
叱責したらやる気になると思っています。


でも、これは科学的に心理学的にも
間違ったやり方であることがすでに
証明されています。


人の心と体の仕組みを理解することって
子育てでも、仕事でもこれほど重要であるのに
あまり理解されていないなと思います。

引きこもる理由はただ一つ


人が引きこもる理由って
究極的に一つだけだとわたしは思っています。


それは

”安心できる場所がそこにしかない”から。

それ以外の場所は
自分が自分でいられない。

心からの安心感がない
自分にとって危険な場所だと
思うからではないでしょうか。


青年のご両親は方々手を尽くしたので
頼れるものはこれしかないと
思ってくださったのだと思いますが

挫けそうになってもアファームを
し続けました。


お子さんが動きたいと思うことを
私と相談しながらタイミングを待って
そっと差し出す日々。


忍耐の限りを尽くして優しく
働きかけました。



放っておいても
強制的でも
うまくいきません。


大切なのは
人のやる気=モチベーション


やる気がなければ
基本的に人は動けないからです。

言葉だけのアドバイスで動けるなら、
もうとっくの昔に動いていました。


私たちができることは、
子どもが安全に感じる環境を作り
本人の思いを支えながら
安全基地を広げていくお手伝いをすること


これは教育ではなく、サポートなんです。

人生につまづいているお子さんに
必要なのは
躾や教育ではなく

サポートであると思うのです。

理想と現実は違う


ただし、お金もかからない
「声をかける」だけでも

生産的な活動していないと思うお子さんに
肯定的なフィードバックを与え続けるって
心理的になかなか難しいものです。

わかっていてもそんな気持ちになれないので続かないことが多いのですね。


だからこそ

お母さんを励ます人が必要です。
お父さんを応援する人が必要です。


親の努力だけではない

家族内の困りごとに他者が入りにくいのは
「自己責任」という呪縛が頭の
どこかにあるからかもしれません。


私はもっと温かいお節介が
増えればいいなぁって思っています。

助けてくれる人を必死に探さなくても
「困ったときに相談できる」状態が
最善だとdaremogaは考えます。


では、支援者は何もしていないの?
いいえ、そんなことは決してありません。

私は支援者交流会や
勉強会に頻繁に参加していますが
自腹で、多忙の中、子どもたちの
幸せを思って日々努力されている
支援者や先生に大勢お会いしました。


親もがんばっている
先生もがんばってる
医者も支援者もがんばってる

みんなとても努力されてる。

それでも
子どもがつらい、と感じる
環境が改善されないのは
なぜでしょうか。

私たちdaremogaで考える
問題の本質(ボトルネック)と
daremogaが考える解決策について
(120ページに及ぶ会議録になっています)
また次の投稿で書きたいと思います。


長文読んでくださって
ありがとうございます^^


daremoga代表 
泉けいと
泉けいとはこんな人
【プロテスタントのクリスチャン。発達障害支援コーディネーター、国家資格キャリアコンサルタント、個人事業主(まるHUG@FAMILY代表)、友達作りが天性、時々英会話講師、夫婦カウンセリング、発達凸凹カウンセリング、子育て世代のキャリアを応援するライフデザインカウンセラー】


任意団体 daremoga について

子どもを支えるすべての人が理解し合っている協力協働の輪(ループ)
当事者✖️専門家が共に支援のGood Loop(好循環)を創ることをミッションにしています。

学校に行きづらいお子さん、発達障害やグレーゾーンといわれる診断が降りないけれど困りごとを抱えたお子さんたちを育てる親が自ら時間とお金をかけて発達や脳を学んだ当事者プロメンターとして活動を始めました。

発達専門の作業療法士(OT)、カウンセラー、保育士、言語聴覚士(ST)、元教員、療育や放課後当デイサービスなどの支援員、認知行動療法のペアレントトレーナー、発達凸凹キッズの療育専門員、脳科学を専門とするアドバイザーなど、他業種専門家と当事者の養育者がタグを組み、
誰も傷つけない、非難せず子どもの成長と幸せのために協力し合うプラットフォームを作るお手伝いをしています。
メンバーの9割は当事者家族であることが大きな強みです。
子育ての理想論ではなく、実体験に基づいた「生の声」を支援者と当事者の方々にお届けしながら、支援に繋げます。

現在の活動
フリースクールの保護者向け講演会、オンライン勉強会、職員研修、知育教室での定期勉強会など必要にあったオーダーメイド型のコンテンツを提供しています。

保護者も当事者の子供も、支援する側もみんなが笑顔になる
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