私は存在しなかった
「私は存在しない」いつからかずっとそう思っていた。なぜそう思ったのかはわからない。わかるのは、私が孤独であったということだ。孤独というよりは孤立の方が正しいかもしれない。誰ともうまくつながれなくなっていた。どこかで聞いたような一説によると、観測者がいなければ観察物は存在しないという。あったよね。そんなのなかったっけ。たぶんあったと思うんだけど。その説を意識したわけではないけれど、きっと私は体感的にそれを感じていたのだと思う。誰かと長い時間にわたって言葉を交わすことで深いところ