朝起きると隣で彼女が眠っていた。僕は彼女を起こさないように布団から出て珈琲を作った。僕は珈琲を作りながら彼女を見ていた。朝の光は彼女の弱弱しくも美しい肌を何かから守るようにそっと包んでいて、彼女をより生き生きとさせていた。彼女の吐く息がこの1LKのちっぽけな部屋の中ではよく聞こえた。僕はその愛おしくも神秘的な吐息に合わせて珈琲を作った。 ちょうど珈琲を作り終えたとき、彼女が起きてきた。彼女は放りだされた下着をつけながら、あくびをした。 「おはよう。」と彼女が言った。
何かを書きたくなってしまったので、久しぶりに書いてみようと思う。 今はちょうど深夜26時になろうとしている時間帯だ。静けさと暗闇が世界を牛耳っている。僕はこの時間が好きだ。というか好きになってしまった。 しかし生活のルーティーン上、毎日起きているわけにもいかない。では何故起きているのか。それはチャンピオンズリーグの決勝戦があるからである。更に言えば、僕の応援しているリバプールがその決勝戦で戦うのだ。寝過ごす訳にもいかないから起きているわけである。 浪人生として二
平成の終りと迎えるとともに村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読み終えることが出来たのは何かの縁なのだろうか。わからない。 平成の終りを迎える前に世の中では色々なことが起こった。ノートルダム大聖堂が燃えたり、ピエール瀧が覚醒剤で捕まったりだ。当然、天皇陛下も退位なされた。 それはともかくとして、平成が終る。だからと言って、今日が明日になることに何ら変わらない。僕が生まれてから過ごしてきた平成の間において、一日が24:00きっかりに更新されていく
僕はビーチの側にあるコンクリートの上で足をふらつかせながら、どこに焦点をあてるわけでもなく自分が今捉えている景色を眺めていた。波が僕の呼吸に呼応するように音をたてていた。月や道路の街灯に照らされた波面はムンクのそれに似ていた。 月が僕を見つめていた。頭の上から。声をかけられたわけではない。月は彼の持つ硬い岩肌に多くの光を反射させていた。静かな街にその存在を知らしめるかのように。もしくは、僕の虚ろな意識に光をあてるかのように。 「こんばんは。」と僕は言った。 月は答
タイトルを書く際にうっかり、「2月」、と書きそうになったが、よくよく考えてみるともう3月である。早い。僕の卒業式が3月8日だから、卒業式ももう一週間後らしい。高校入学したころを懐かしく感じる。 今日は遅く起きてしまった。8時に起きた。やってしまった、と思ったけれど、よく寝ることは健康にもいいだろうから気にしないことにしよう。 上妻世海『制作へ』を読んでいた。読みきってはいないけれど。まだ50pくらいしか読めていない。今読んでいる内容は、《コモン・センス》の意味、《常
今日は夜更かししてしまったこともあり、8時に起きてしまった。受験がある程度終わり友達と話していたら、深夜の1時だった。いけない。いけない。 起きてから僕は暫く上妻世界さんの「制作へ」を読んだ。彼がTwitterで仰っていたことがわかってきた気がする。僕らは狩らなければならない、と言っていた。そう狩らなければいけない。しかし、何を狩るのか、これが僕の疑問だった。時間や本、女の子という具体例に共通項が見出だせなかった。それは自分でなく/自分でなくもないというような鏡を空間を狩
今日の朝もいつも通り5時すぎに起きた。まだ日は出ていない。夜と朝の区別をつけるまでもなく、それは限りなく夜だった。僕はとりあえず顔を洗い、牛乳を飲んで、『海辺のカフカ 下』を読むことにした。 昨日の宣言に関わらず、今日は読書しかしていない。昼寝はしたが、書くまでもないだろう。午後4時すぎになるころ、僕は読書の場所図書館に移した。 ひょんな理由で3000円を手にした僕は、その三枚の紙っぺらを財布に大事にしまい、近くの本屋へ足を運んだ。1時間半ほど本をえらび続け、5冊の
今日は二次の二日目。といっても昨日の通り書かない。 僕の頭は、九月から続く事象がもうすぐ解決するという期待と安心とそれがかなわかったときの恐怖で溢れかえりそうだった。 家から帰ると僕は読みかけの『海辺のカフカ』を読み続けた。休まず、何かに駆られるように必死に。そして、上巻を読み終えた。下巻はまだ読んでいない。読むと今の状態では止められそうにない。決壊したダムを塞き止めるのは難しい。それ自体は非常にファンタジーでカオスだった。村上春樹小説特有のファンタジー要素に、彼も好き
今日は二次試験だったので、特に書くことも見当たらない。受けた学校に行くつもりはないし、受かってはないだろうから。志望校選びが失敗してしまった原因は複雑だし、あまりこういったところで話すべきではないと思っているので割愛する(少なくとも今はそう思っている)。反省するというか、人生上手いことばっかりでもおもしろくないなぁぐらいの気持ちで勉強をしていきたい。 今日のおさらいはもう済んでしまったので、ちょうど昨日読み終わった村上春樹『ノルウェイの森』を振り返りたいと思う。 僕はこ
今日起きたのは5時だった。昨日とは違い何の変哲もない当たり前の日曜日だったが、僕にはこれが心地よく感じられた。流していたビートルズのWe can work it outを止めて顔を洗った。ある程度身体を起こすことに成功したので、読みかけの「ノルウェイの森」を読み進めることにした。静かな朝にこういった読書をできる喜びを知れたことは大きい。最初は、巡礼の年だったりを流していたのだけれど、何かはまらないパズルのような気持ち悪い感じがしたので、Nirvanaはカバーした「The m
今日の朝はなんとも奇妙であった。何が奇妙であったかというと、奇妙な夢のような現実である。昨日は久しぶりにロックスターの熱を浴び、心を昂らせて眠りについた。22時だった。別にここまではなんでもない生活の流れであった。僕が眼を覚ましたのは、午前3時だった。静かな暗闇が僕を毛布と一緒に包み込んでいた。僕は時間を確認し用済みになったスマートフォンを側に置いて、それから流れてくるLed zeppelinの「Since i've been loving you」に耳を傾けた。この曲は耳
目が覚めたのは午前4時だった。僕の記憶は午後9時で止まっているから、7時間くらいは寝れたらしい。お陰で僕の頭は透き通っていた。この時間帯の空気と同様に。今朝の発見は、何時間も起き続けて迎える日の出を迎えない深夜とも朝方とも言い難いこの午前4時と、早起きして迎える午前4時がまったく違っていたことだろう。しかし、僕はこれを言語化出来ないのが残念だ。思い付いた時にでも書くことにする。 朝起きてしたことと言えば、水を飲み、蜜柑を食べたこと。それから、読みかけの「ノルウェイの森」を
あけっぱなしのペットボトル キャップは机の上に佇む とじられた辞書 太陽が表紙を照らす 解きかけの問題は 消しカスとともに 読み終えた本は 本棚へ向かう 脳の活動時間は19時間 思考はふらふらとさ迷う 手に取ったものはペン 身体が作動し始めたようだ
落ちのないお話です。 私は人を殺してしまった。 仕方なかった。 彼はもうおかしくなって、人間とは思えないものへ豹変しようしていた。 そんな彼を私は見ることが出来なくなっていった。 だから殺したのだ。 だから私に責任はない。 私は彼を救済し、彼は私に助け出されたのだ。 「言い訳だ。逃げだ。」と人は言うかもしれない。 当事者でもなく、それを肌の近くですら感じたことのないお前らに何がわかるのだ。 私は正しい。 私は正しいのだ。 ”正義における殺人”を私は信じている。 末期ガンの患
人類の終わりを考える. それは遠いことかもしれないがとても興味深い. 終末の人間は何を思いながら死んでいくのか. きっと彼(または彼女)は自分が最後の人類であることを自覚して死ぬだろう(そのころには今よりずっと情報が発達し、人類の衰退のデータなどを確認できるであろうから). その状況下で彼は悲しみを思うのか、或いは諦めなのか. このことを考えるようになったのは手塚治虫の『火の鳥』を読んでからである.作品中で核戦争によって生き残っていた文明が崩壊し、それから幾ら
これはフィクションであり、オチがないお話である。 珈琲を飲む青年が店の奥で机に向かっていた。 彼だけが異邦であった。 切り離された世界にいた。 ぎこちなく会話を弾ませるカップルや ゴシップネタを飛ばし合う大人達の中で やはり彼は異邦であった。 暑い夏の日の大気とアスファルトに歪められた視界のように。 「ねぇー、ねぇー、お兄ちゃん。何やってるのー。」 少女は尋ねた。 フリフリのついたワンピースを着た彼女と 白いワイシャツに黒眼鏡の彼との構図はどこか可笑しい。 「え。あー、数学