人を殺した人の供述

落ちのないお話です。

私は人を殺してしまった。
仕方なかった。
彼はもうおかしくなって、人間とは思えないものへ豹変しようしていた。
そんな彼を私は見ることが出来なくなっていった。
だから殺したのだ。
だから私に責任はない。
私は彼を救済し、彼は私に助け出されたのだ。
「言い訳だ。逃げだ。」と人は言うかもしれない。
当事者でもなく、それを肌の近くですら感じたことのないお前らに何がわかるのだ。
私は正しい。
私は正しいのだ。
”正義における殺人”を私は信じている。
末期ガンの患者に嘘をつくのと何らかわりないだろう。
それも救済であり、殺人ではないか。
そうだろう。
私はやはり正しいのだ。
強情なんかじゃない、これは真理そのものなのだ。

おわり。

本を買います。