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【歌から妄想してみた】第一回 Damaged lady (KARA)

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さっそく始まりました。「歌から妄想してみた。」記念すべき初回はKARAが2013年にリリースした「Damaged lady」 であります。日本でも人気であったため様々な日本語曲を出していたKARAではありますが、この曲は日本語版がありません。そして、僕は韓国語がほとんどわからない(大学で単位とるためにちょっと勉強した程度。)それゆえ、妄想はタイトルと曲の雰囲気からのものとなります。

僕は、「傷ついた女」というタイトルとメロディの雰囲気から、「メンヘラ」、「失恋」という言葉が出てきまして、そこからある「傷ついた女」のストーリーを妄想しました。では、実際に妄想の結果を見てみましょう。


            妄想ストーリー:「傷ついた女」

 EXは私に対して、常に自らの描く「女らしさ」を求めた。食べる物、飲み物、服装、生活スタイル。すべてにおいて、EXは私を自分の理想に近づけようとした。私はワインを飲んだ。週に1度はエステに行った。サプリメントも飲んだ。鼻も少し高くした。吉野家に行くこともなくなった。煙草なんて当然やめた。私は、EXの求めに必死に応じようとしたのだ。EXの求める「女らしさ」を追求した。EXは私が自分の理想に近づくと頭をなでて、褒めてくれる。それがうれしくてたまらなかった。
 ハンサムで、仕事が出来るEX。そんな、EXが私は欲しかった。とにかく、欲しかった。EXと歩いていると、世の女性にどこか羨んだ目で見られるし、今まで行ったことのないようなところにいき、会ったことのないような人にであうことができた。しかし、そんなことは関係のない話。私は只一人のEXを愛されたいだけなのだ。EXが欲しただけなのだ。EXが私だけのもので、頭をなでで、褒めてさえくれればそれでいい。私はもう「EXのもの」以外何ものでもなかった。
 それなのにどうして、EXは私を愛せなくなったのか。EXの心のうちはどうなっていたのか。誰よりも、なによりもEXの理想に近づこうと、努力し、そして誰よりも、何よりもEXを愛した私をEXはどうしたかったのか。どうしたら、EXは私のことを愛し、そしてEXは私だけのものであり続けたのか。わからない。
 

               〇
 あの日の光景を鮮明に覚えている。EXが私ではない女と肩を組んで、歩いているときのEXの表情、女の表情を。女は私よりも、若く、ルックスも、スタイルもよかった。EXの好きなスカートとヒールを履いた彼女のふくらはぎはしまっていて、ヒップは少し上を向いていた。
 私の時間を返せ、私の努力を返せ、私を返せ。
 結局、EXにとって私は、数ある女の一人にしかすぎなかった。だから、彼はたとえ私を失ったとしても何も傷つくことはない。私はEXを失えば、ただの傷ついた女となってしまう。もう私が「EXのもの」になるために費やした時間は取り戻すことができない。あのエステは何だったの?あの手術は?あの習い事は?あの本は?すべてわからなくなってきている。時がたてば、わかるのだろうか。
 いずれにせよ私は思い続けるだろう、私がEXのためにそんなことをする必要はなかった。だってEXは私を愛していなかったのだから。と。

              〇

 ある日、EXの前で私はビールを注文した。EXは「君は女だからワインにしろ。」といった。私はビールが飲みたかった。だから、「ビールが飲みたいのよ。」とEXに言った。EXは顔を赤らめ、机をたたいて怒った「もう、君なんか僕の女じゃない」。そうだ、もう私は「EXのものではない」、只の「傷ついた女」なのだ。私は怒る彼を前に、バッグから煙草を取り出し、吸い始めた。彼は、「君には失望した。さようなら。」と言って席を立つ。8か月ぶりの煙草の味は最高だ。やがて、注文したビールと、料理が来た。こんなにうまい酒が、料理が、この世にはあるものか。
 傷ついた女も悪くないわね。次はどんな恋をしようかしら。

終わり。

まあ、実際にこんなストーリーを妄想したわけであります。どうやら「Damaged lady」というタイトルに引っ張られすぎたようではあります。

妄想後調べてみますと、この曲、韓国語のタイトルとして「숙녀가 못 돼」というのがあるそうです。その意味は「淑女にはなれない」という意味らしいです。お、妄想と合致かと思いきや歌詞の内容少し違いました。タイトル通り、失恋した女の話ではありますが、そこまでEXの話はでてきませんでした。むしろ、周りのカップルやフェミニンな女たちと自分の状況を対比して、自分の苦悩を描いている模様です。(参考:ゆいオフィシャルブログ

支配欲求の強いEXへの没入と裏切られた彼女の思いを描いたのところが、僕の「妄想」によって新たに生まれた歌の面白さのようにも思えます。

次回のこの企画では一等星になれなかった君へ(チャットモンチー)の妄想をします。お楽しみに。

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