出口庸平

大阪で木材加工を営む大信製材株式会社の専務取締役。環境事業を手がけるアミタ株式会社にて…

出口庸平

大阪で木材加工を営む大信製材株式会社の専務取締役。環境事業を手がけるアミタ株式会社にて営業、企画開発、人事の仕事を経験した後、2019年9月に妻の実家の家業である大信製材に籍を移す。木材を扱うのはもちろん初めてのこと。41歳のおっさんによる新たな挑戦を包み隠さず綴ります。

マガジン

  • おっさんたちの往復書簡

    • 14本

    高校の同級生で41歳のおっさん二人が綴る往復書簡。一人は京都で活躍するライター。もう一人は妻の実家の小さな木材加工屋を継いだ男。今に苦悩し、必死に生きるおっさんたちが、熱いエールを交換します。

最近の記事

OSAKA WOOD TOUR 開催‼

去る2022年10月29日、株式会社南河内林業さんの全面協力の下『OSAKA WOOD TOUR』を開催しました。実施場所は金剛山のふもと、お子様も含め23名に来ていただきました。のんびり山歩きをしながら施業現場まで行き、木を伐採し、ジップラインやツリークライミングで遊びました。 その後、場所を地元のスターバックスに移し、地域材の活用事例、店舗でのリサイクルや育苗の取組みについて、店長さんから解説してもらいました。13:00~17:00の短い時間でしたが、森の中で参加者の皆

    • 小さな材木屋の採用戦略

      どうも、大信製材の出口です。えらく久しぶりの投稿です。投稿の仕方を忘れるくらい久しぶり。それほど久しぶりに投稿したくなったのは、当社に赴任して(もう一年半前になる)からずっと懸案だったことが一段落したから。2021年4月に入社してくれる仲間が一名決まったのです。 私以外は全員60代後半の当社は、私が来るまで若手を雇うつもりは毛頭なく、自分たちが働けなくなったら会社をたたもうと思っていたそう。しかし私は今後何十年も会社を続けていくつもり(←当たり前か)なので、技術の伝承は必須課

      • 南河内林業視察 ~木を育てるとはどういうことか~

        「大阪の森」を見学私自身、昨年から木材の仕事に携わっているものの木を伐る様子はいまだ見たことがありません。木材人といて、それではいかんぞ!ということで大阪で森林施業を行う南河内林業の仲谷さんに現場を見せてほしいとお願いし、早速お邪魔してきました。 大阪府河内長野市に本社のある南河内林業さんですが、今回伺ったのは平成30年の台風被害を受けた高槻市の現場。数週間前にもたくさん雨が降ったので、現場に続く道の先は当日も通行止めになっていました。このあたりは雨の被害を受けやすいエリアな

        • 大信製材 学習机をつくる

          2019年11月、ある友人からのe-mailがこのプロジェクトの始まりでした。 「長男の学習机が欲しい。大信製材で製作できないか」 お客様からの要望に応じて加工する「賃加工」(=加工委託事業)が主体の大信製材。自社製品は何一つありません。それに当社が扱うのは内装材やデッキ材。家具を加工した経験はなく「机を作って」と言われても、何から始めればいいのやら。 ただ友人は、私が以前机づくりイベントに参加し感銘を受けたこと(その時の様子はこちらに詳しいです)や将来自社製品をつくりた

        OSAKA WOOD TOUR 開催‼

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        • おっさんたちの往復書簡
          14本

        記事

          大信製材の問題点(2020年4月現在)

          木材業界もご多分に漏れずコロナの影響を受けています。当社の仕事量は、「4割に減った」と書いた3週間前より少し持ち直していて、4月6日現在は7割程度まで戻ってきました。しかし明日、緊急事態宣言が発令されます。そもそも仕事ができるのか!?今後の動向は全く読めません。 そんな状態でスタートした新年度。 見えない敵と戦う不安な日々。一方例年と打って変わって時間に余裕があるのも事実です。こんな時はふさぎ込んでいてもしかたがない。大切だけど時間がなくて後回しになっていたことに着手しよ

          大信製材の問題点(2020年4月現在)

          新型コロナとのお付き合い

          【おっさんたちの往復書簡】 ↑高校の友人とやってる往復書簡です。 ミョウ ご無沙汰です。前回記事を書いてくれたのが1月末。その時から世の中が一変したね。私の場合、仕事への影響も出ています。木材業界は建築業界の浮き沈みに連動します。新型コロナの影響で、中国で生産される住宅部材が入手できなくなり、作りかけの家も作りかけのまま待たされた状態です。建築業界が打撃を受けて、木材業界もそのあおりを食っています。 見事に不景気な市況を報告してくる本日の業界紙 「住宅部材が中国から入

          新型コロナとのお付き合い

          奈良吉野視察 ~森と生きる非合理的な人々~

          大阪から一時間半程度車を走らせると、深い山あいを流れる大きな川に寄り添う町が見えてきます。 「え、もう着いたの!?」 これまで感じていた心理的距離よりも、実はうんと近いところに吉野の町はありました。 (写真:http://yoshinochoboku.com/tyoboku/) 2019年11月、株式会社飛騨の森でクマは踊る(通称:ヒダクマ)の視察でご一緒した吉野の皆様。あれから3か月。「せっかくいただいたご縁を無駄にしたくないね」と話していたヒダクマ・松本君と一緒に、今

          奈良吉野視察 ~森と生きる非合理的な人々~

          ヒュッゲな暮らし

          【おっさんたちの往復書簡】 ↑高校の友人とやってる往復書簡(6往復目に突入)です。 あけましておめでとう!間が空いてごめんなさい。 昨年は、ほんと大大大逆境だったんだな。でもミョウの思考や行動を見ていると、寂聴さんが何かの本で言っていた「逆境もご縁だと思って活かしましょう」という言葉を思い出す。そんな教訓を他人に助言するのは簡単なんだろうけど、いざその境遇に立たされた時、心を平静にして、状況を受け入れるのは難しい。去年の後半あたりからミョウに何度か会っているけど、noteに

          ヒュッゲな暮らし

          飛躍の年にする?しない?

          【おっさんたちの往復書簡】 ↑高校の友人とやってる往復書簡(今回で5往復目)です。 新しい仕事が始まりそうなんだね。すごい!妙加谷なら心配ないと思ってた。これまでたくさんの人と信頼関係を作っていたことや状況を打破すべく自ら色んなアクションを起こしたのは流石。対処できるかビビってるって?無責任なことを言うようだけど絶対大丈夫やよ。妙加谷、とてつもなく器用やから。高校の家庭科の授業でも男のくせに編み物めっちゃうまかったやん。新しい仕事くらい屁でもないでしょ?うん、もう飛躍しかな

          飛躍の年にする?しない?

          闘病生活と家族への感謝

          【おっさんたちの往復書簡】 ↑高校の友人とやってる往復書簡です。 さてさて妙加谷、4往復目いってみましょうか! 「不安は過去や未来にあり、今にフォーカスすれば不安は消える」ですか。これはいいね。意識したことなかったわ。 俺にとって今に集中できる瞬間は、工場の現場に出てるとき。お客様から届いた図面を確認し、機械をセットし、納入された材の性質を確かめ機械に投入する。ブィーンと大きな音をたてながら木が削られて、美しく造形され機械から出てくる。それを一本一本集中し、丁寧に繰り返す

          闘病生活と家族への感謝

          ヒダクマ視察 ~日本の森を活かすために~

          岐阜県は飛騨古川に移り住み、地域のために奮闘する友人がいます。松本剛君と言います。前職のアミタに同期入社し、若いころは遅くまで一緒に仕事をし、議論し、そしてよく飲んだ仲。 彼は、アミタの関連会社だったトビムシに籍を移した後、さらにその子会社のヒダクマ(正式名称「株式会社飛騨の森でクマは躍る」)に移って今は飛騨の森、日本の森のために働いています。 今回はそんな松本君のところに奈良県吉野町から視察が来ると聞きつけて、森の勉強・木材の勉強のために私も便乗させてもらいました。 広葉

          ヒダクマ視察 ~日本の森を活かすために~

          気持ちの切り替え術

          ミョウ 少し間が空いちゃいましたねー。ごめんね。さて先週の週末も大阪と京都を行ったり来たり。今週のおけいはんタイムは読書の一時間でした。今読んでいるのは『サピエンス全史』。ブームに乗り遅れちゃって今更読むのもどうかなとこれまで敬遠していましたが、手に取ってみるやっぱり面白くてぐいぐいひきこまれます。今は、人類がヒエラルキーを築きあげ差別を始めたあたり。まだ読んでなかったならおすすめですよー。 さてミョウの前回の投稿では使命について書いてくれていて、また所さんの「人間は何の

          気持ちの切り替え術

          命は

          ミョウ この三連休は、比較的お天気に恵まれよかったね。充実してたかな?おれの三連休は大阪と京都を行ったり来たり。金曜日は職場から直接京都に戻り、土曜は大阪の実家へ。日曜にはまた京都に戻って、本日月曜さらにまた大阪です。京都と大阪の往復には京阪電車を使ってるんだけど、淀屋橋-出町柳の一時間をどう過ごすかは、今の自分のバロメーターになってます。読みかけの本に没頭するときもあれば、一時間寝て過ごすときもあるし、外を見ながら考え事をしたり、じっくり計画を立てるときもある。体や脳が、

          馬馬虎虎(まあまあふうふう)

          ミョウ 往復書簡やろうぜと、提案ありがとう。 何をどう書けばいいか、正直今でもよくわからないけど、まずはミョウに手紙を書くつもりで。誰かに読まれてるとかは考えず。 矢野顕子を聞きながら、気楽に書いてみます。 noteは大信に移るときにやると決めたことのうちの一つで、そもそも文章を書くのは好きでも得意でもありません。noteを読んでもらったらわかるだろうけど、置きにいく感じの文章でしょ?いつも、必死で言葉をひねり出してます。 本を読んでいると「この人の頭は、言葉であふれてる

          馬馬虎虎(まあまあふうふう)

          西粟倉で見つけた成功の秘訣

          不思議な村、岡山県西粟倉岡山県、兵庫県、鳥取県との県境に位置する岡山県西粟倉村。面積の95%が山林でその内の85%を人工林が占めています。平成の大合併では多くの自治体が税制優遇や効率化を目的に合併した一方、西粟倉は林業を軸にして自力で生き残る道を選びました。森林資源を軸に50年後の未来を作ろうという大きなビジョンとそれに紐づく様々なとがった取り組みが若者を惹きつけるのでしょう。今や村民の10%が移住者で占めるといわれる西粟倉。ほかの中山間地域と比べて活気にあふれています。宿泊

          西粟倉で見つけた成功の秘訣

          どれだけの親が子供の学習机に満足しているだろう?

          小学校に上がる際、ランドセルと同時に購入されることの多い学習机。じいじ、ばあばからのプレゼント、というご家庭も多いかと(我が家はその口です)。学習机は靴なんかとは違って数か月で消耗するものではありません。6年間使い続け、よいものなら20年たってもまだまだ十分使えます。そんな学習机ですが、満足して購入できた親御さんはいったいどれくらいいるでしょう。私たち夫婦にとって長女の学習机の満足度は30点くらい(じいちゃん、ばあちゃんの愛情が詰まってて20点。さらに、いろんな家具屋を回った

          どれだけの親が子供の学習机に満足しているだろう?