樋口大喜(び)

ふつー。

樋口大喜(び)

ふつー。

マガジン

  • 台湾

    7月25日から7月27日までの台湾旅行をまとめました。

  • カッパの川流れ

  • 少年少女とエンドロール

    超短編集。青春の一瞬。 https://open.spotify.com/playlist/0Nff5uyaBKSHN9uqd4rUGT?si=hno2Uj2kSL2LnpAi-uXOpw

最近の記事

理解できるものを求め過ぎた!

映画「ボーはおそれている」を観た。 結論、まったく意味が分からない。 だが、とにかく興味が湧いた! 不愉快なのに心地良かったのだ。 とても神経質なボーという男が母親の死がきっかけで実家に帰る道中で悲惨な出来事に連続して会うという物語。 だいぶ要約してます。 脳みそ焦げて頭から煙出るんちゃうかなと鑑賞しながら思っていた。 登場人物の言動が意味不明なのに物語は成立したように進む。 これは現実なのか?それともボーの夢か? いや、もしかして自分が映画館で寝てる? 夢うつつなのかも

    • 台湾旅行 Day3

      最終日の朝も早い。 7:15 チェックアウト 向かう先は、朝飯だ! 7:30 朝飯 阜杭豆漿 善導寺駅 大人気で並ぶと言われていたごはん屋さん。 朝ごはん食べにきた! これもめっちゃ安かった。 だいたい一人50元(200円程度)あれば腹パイオツカイデー。 腹ごしらえを済まして台北駅で荷物置く。 士林からバスに乗り向かった先は… 9:00 國立故宮博物院 世界四大博物館のひとつ。70万点もの展示がある!さすが中国四千年の歴史じゃ。 前情報として手に入れていたのが角煮の形

      • 台湾旅行 Day2

        初日は1時くらいに就寝。 7:15起床。 ホテルは朝食付きだったので一応見てみたが、求めているものではなかったのでフルーツだけ食べて街へ出た! 8:00 迪化街 ① 霞海城隍廟 シアハイチョンホアンミョン 創建は1859年、縁結びの御利益。 英語が通じなくて参拝方法はジェスチャーで。 入り口の壁にも日本語で書いてあった! 縁結びの神様で参拝したら御守りが貰える! 御守りの中には赤い糸が入ってる! 結ばれたら御礼言いに来ないといけないらしい! ② 民樂旗魚米粉 朝食

        • 台湾旅行 Day 1

          THE 1975の台湾ライブが発表された時に、電気が走り行くしかない!と思い立ってパスポートを取った。 しかしながら前日に一本の電話。 「1975の台湾公演は中止になりました」 がーん。 落ち込んでもいられないので目的を観光に振り切って、とにかく台北を満喫するスケジュールを立てた。 結論から言うと台湾最高! 今後自分が何か悩んで前に進まなくなったら行く場所のひとつになった。 なので大事な初回をここに記すことにする。 まずは初日。7月25日。 10:00 桃園空港

        理解できるものを求め過ぎた!

        マガジン

        • 台湾
          3本
        • カッパの川流れ
          0本
        • 少年少女とエンドロール
          12本

        記事

          あの頃の、たましいによろしく

          信じている、歌を。 歌に在る、言葉を。 ことばに宿る、魂を。 私は大学生の頃、アナウンサーを目指していた。 とにかくアナウンサーになりたくて、全国の放送局の新卒採用を受けて回る日々。 今思えば「アナウンサー」という称号が欲しかっただけなのかもしれない。 北海道から沖縄まで、募集がある全てにエントリーし面接を受けに行った。 そんなある日、すべての交通費を決済していたクレジットカードが止まる。焦りまくり。 先ず本能的に母親に連絡したのだが、直ぐにはどうすることも出来ないという

          あの頃の、たましいによろしく

          結局

          今に始まった話ではない。 不倫報道で当人を執拗に問い詰める。 それを観て「マスゴミ」と揶揄する。 でも需要と供給が成り立っているから 週刊誌は同じ話題ばかり。 結局観たい大勢がいるんだ。 「民度が高い」と言うらしい。 「群れたがり」と「仲間外れ」を 好んでいるだけじゃないの? いつだって自分のポジションを気にしている。 半沢直樹が好きなのに、 結局は権力に群がるヒエラルキー社会。 今に始まった話ではない。 悪口はいけないと言いながら 誰かの悪口をホムペに書いた奴。 呼

          1年2組 朝の空気

          目覚まし時計は鳴っていない? 昨日から降り続いた雨と 体にまとわりついた湿気のせい。 唇に触れて漏れ出ようとした ため息を 大きく吸い込んで背伸びをする。 耳をふさぐと聞こえる音。 1週間が始まる。でも昨日までとは違う。 のそのそと起き上がって、冷蔵庫を開ける。 取り出すものは決まっているのに ドライな冷たさを感じたくて指先を右往左往。 ようやく手に取った100%の果汁を コップに注いで胃袋に入れる。 喉を通っていく音。 窓から見える濡れたアスファルトは 少し柔らかく見えた。

          1年2組 朝の空気

          1年6組

          「あいつやっぱ苦手だわ」 菜々子が話しているのは川田一郎の話。 転校生。こんな町に似合わないシティーボーイだ。 「なんか、ウザいよね」 煽るのは雅(ミヤビ)だった。 柔軟剤が香るシャツに腕を通しながら。 このグループでは菜々子がリーダー。 雅はいつもご機嫌とり。 「結海(ユミ)はどうなの?」 あからさまに肩が上がった、気がした。 ちょっとした沈黙。 ウ…ウ…みんなが求めている言葉。 「あー、だるーい」「雨じゃん」 「体育館に変更じゃね?」「えー」 助かった。天からの恵み、も

          2年B組 初夏

          夏に生まれたから 夏を彩るってことで、彩夏。 良い名前って言われるけど あたしは単純だなぁと思う。 時代遅れの扇風機が カタカタうるさい。 生ぬるい風で我慢してるんだから 静かにしてよ。 汗でへばりつくのが嫌だから 仕方なく髪をくくる。 昔はお母さんに くくってもらうの 好きだったな。 いつからだっけ、たぶんアイドルが歌う 「ポニーテール」ってタイトルの曲が 学校で話題になってから。 なんか、ダンスとかも流行ってて。 みんなやらないと「ノリ悪いィ」とか。 それから、なん

          2年B組 初夏

          2年4組

          「焼豚の作り方動画見たよ!」 「見てくれたの?ありがとぉ」 「1000リツイートはすごいよね」 「通知が画面いっぱいでさぁ」 千秋は照れながらも自慢げに 話しているようだ。 昨日、千秋が投稿した料理動画が また、バズったらしい。 最初は半年くらい前。 時短料理を投稿した動画が インフルエンサーをきっかけに拡散。 「RT」「いいね」に比例して それまで影の薄かった千秋にも 視線が注がれるようになった。 私と一緒にカーテンに隠れながら 教室の一部になっていた千秋はもう居

          2年2組

          「コンバースなんか履いてくるんじゃなかったぁ」 銭湯で爪先歩きするのと同じように 田んぼの畦道を歩いている。 「こっちのが近いんだから我慢して」 「近道なんていいよ〜  てかUFOなんてあるわけないじゃん」 気怠そうに答える結海(ユミ)に目を向けず 希美花(キミカ)は足を進める。 返事はしなかった。 結海に見えないように、もう一度LINEを開く。 「今日、お父さん来てる」 「わかった」 「晩御飯までには帰ってもらうから。  ごめんね」 返事はしなかった。 「わかった」自

          1年B組

          「その天然パーマは笑えますね」 「うるさいよ、生まれつきなの」 湿度が高いと自動的に巻き上がってしまう この髪の毛には、うんざりだ。 洗濯機の中、1枚だけあるTシャツを真っ先に手に取る。 「お気に入りなんだよね」 「週3で着てますもんね」 そんなに着てない、と呟きながら バサバサと洗濯物をふる。 家事の最後は、洗濯物を干すと決めている。 ベランダには影が一つ。 風が気持ちいい。 透明少女 / NUMBER GIRL

          1年C組

          「ごめんね〜」 コツコツと、聴き慣れない ヒールの音で振り返る。 青い花柄のワンピースに また心音が早くなる。 「待った?」 「あ、いや、全然」 「そか、よかった」 じゃ行こ、と言って 変わらないポニーテールを振って 麻友は先を歩いた。 風が運んで来たのはいつもと違う ベリー系の甘い香り。

          有料
          100

          1年6組

          「あと3点!決めていこう!」 「オウス」体育館に響く野太い声。 「安藤、背中、頼むわ」 「はい」 両手を大きく開いて野沢先輩の背中を叩く。 「ありがと」 振り向いた笑顔と コートに向かう軽い足取りを見て 自分の両手には超能力が あるんじゃないかとすら思う時がある。 少し息苦しい。 今朝から続く雨は目に見えないけれど、 まだ降っているみたいだった。 昨日切った前髪が張り付いて、 短すぎたことに気づく。 コートの中の戦士たちは皆、肩で息をして 身体からは、ほのかに湯気

          3年H組

          同じ方向に流れる木目を見つめていた。 教室の机は、産毛が立つくらいに冷たい。 遠くで金属音が鳴る。 野球部の掛け声が聞こえて、窓に目をやる。 桜の木が花びらを落としながら揺れていた。 「橘!おい!聞いてるのか!」 狸顔の渡辺先生は5秒も直視すると破顔してしまう。 口の端に唾を溜めながら早口でまくしたててくる。 親指の第一関節をこすり付けるように 眼鏡をくいと上げるのは癖だ。 「半年後の学力テストが勝負だ。 今、基礎の学力をつける時だろう」 わざとらしく息を吐いて

          2年F組

          「朝ごはん食べないから!」 「ちょっと…」 背中に降りかかる母の声を 勢いよく背負ったカバンで跳ね返して 玄関扉に手をかける。 日の光が眩しい。 くぅー。 両手を高く伸ばして深く息を吸う。 はぁー。 そして私は、冨田沙里になる。 「おっはよーう!」 「サリー!あのさ!」 「数学の宿題でしょ?」 恵理子は上目遣いでキュッと唇を結んでる。 「おっけーおっけー」 春風に黒髪がなびいて甘い香りが鼻に触れる。 「ありがと!ほんっと、ありがと!」 甘い香りより鼻に付く態度に