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ものを書くことについて

 今日はギリギリの曇り模様。ここずっと毎週のように雨だったのでなんだか外に出るのが億劫で大体家に引きこもっていた。ようやく外に出かけられそうだったのでいそいそと玄関から出てみる。どこからかミンミンと忙しない蝉の鳴き声がする。気だるい暑さの中で自転車を漕ぐと、風が気持ちよかった。

 さてここ1週間ほど会社の新人さん向けにずっと研修をしていたお陰できちんと本が読めていなかったので、ここぞとばかりに本を読んだ。その中で今日読み終わったのが、松岡圭祐さんの『小説家になって億を稼ごう』という本。いつぞやかmonokakiさんでご紹介されていた本である。ちょっと中身が気になったので図書館で借りて読んでみた。

 松岡圭祐さんといえば、代表作に『万能鑑定士Qの事件簿』シリーズや『探偵の探偵』シリーズといったベストセラーがある作家さんである。ちなみに私自身はこれまで作品を読んだことがなく、何かのタイミングで読みたいな、と思っている次第である。

 つい先日、iPadを購入したため(お陰ですっかりボーナスがすっからかんである。一度財布の紐が緩むとゆるゆるである)、メモにApple Pencilで記入してみた。これが驚くほど書きやすくてびっくり。普通にノートへ書くのと大差ないし、こうしたSNSにもアップしやすいため今後は私もデジタル化へ移行していくかもしれない。とはいえあの紙の質感も好きなので、並行して使っていく形にはなるかな。 

 第1部は小説の書き方講座、第2部は小説家になったらの話が載っている。残念ながら億を稼ぐまでの具体的な道は示されていない。よく分からない電話番号から投資マンションなどの案内をされることがあるが、それと比べるとよっぽど現実的である(そもそも小説家になること自体が難しいとは思うのだが)。

 第2部は正直今の私には全く共感できないというか、あまりにも遠い世界なのでイメージできない部分があった。それでも後半部分小説の意義について作者自ら語る部分もあってそこについてはとても興味深い。

人はフィクションに接することにより、多様性に満ちた人生を送れるのです。(p.184)

 確かに私自身、ここまで小説を読むことに没頭するのはさまざまな価値観を吸収したいと思う部分が大きい。特にコロナになって外部とのつながりも満足にあるとはいえない状況の中で、小説が私の心の支えになっていたと言っても過言ではない。「小説」という窓を通して、私は外の世界と繋がっていたのだ。

 私自身も誰かの心をあたらしい世界に導けるようになれるといいな、と思いながら。これからまた少しずつ、短編やら長編やら私の心の中にある世界を少しずつ放り出していく所存です。

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