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2021年6月の記事一覧
何かを産み落とすということ 『殺人出産』/村田沙耶香
殺人/出産、という相対する(ようにみえる)題目に惹かれて、数か月前に買った本。(ようやっと読めた。)
概要:今から百年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。命を奪うものが保つ日本。会社員の育子(主人公)には十代で「産み人」となった姉がいた。蝉の声が響く夏、姉の10人目の出産が迫る。未来に命を繋ぐのは、彼女の殺意。昨日の常識は、ある日、突然変異する。
まず、「殺人」「出産」、生を消去す