アメリカの方が上司に従順

言葉は悪いが、アメリカの方がもっと自己主張が強いのかと思っていた。正確には、「決定までは活発に議論するが、一度上司が決断したらはかなり従順に従う」だった。その従順で順守する度合いに驚いた。

(筆者のいる場所はアメリカの一部であり、アメリカの全てに通用する話ではない)

自己主張とは

自己主張(じこしゅちょう)とは、人間が社会において、自己の意見や考えや欲求などを他人に伝えるということである。

日本語で”自己主張”というと「自分が自分が」という印象が少しあった。実際アメリカに来てみると、アメリカでは今まで思っていた”自己主張”とはかなり違った。


アメリカでの自己主張

あまりに全ての人が違い過ぎるため、自分で自分のことを説明しないと誰も理解できない。「なぜ自分はここにいて、どういうことを目指しており、これに対してはこういう意見を持っている」といった、"自己紹介"や”自分の考え”をその都度説明しないといけない状況なのだ。

もし目の前に、アフリカ/ヨーロッパ/アジア/北米/南米から一人ずつ集まって何かをやろうとしたら、それぞれのスタンスや考えを理解しないと何もはじめられない。

この”自己紹介”や”自分の考え”の説明は必要不可欠であり、その説明からは"一生懸命アピールしている"という印象は受けない。むしろ無言や意見がないと「????この人、何考えてるんだろう???」と怪訝な顔をされる。話さないと何も伝わらない、というのが基本だ。

流れに身を任せる、空気を読んで意見を言わない、というようなスタンスは理解されない。「何考えてるかわからない理解不能な人」という印象のみ。外国人だってよく空気を読んで行動するし、流れに身を任せることもあるが、それが主流ではないということだ。


議論と質問

アメリカは合理主義・個人主義の国である。小さなことを進めるにも、何でも議論が活発に交わされ、質問の嵐である。むしろ完全に理解していないのに実行していたとなると、それは実行している人が「わからなくてやってたヤバい人」と思われかねない。

何のためにやるのか、お金はどこから出ているのか、誰がやるのか、どの部分は誰の責任か、どの部分は誰がメインか、全ての手順は必要不可欠なものなのか、他に選択肢は検討したか、こういったことがきっちり議論される。

話がまとまれば実行へ向けて、折り合いがつかなければ再検討か計画の中止か、となる。


上司の意志決定は順守

議論の後に上司や組織のTopが決断した内容は、嫌であれば守らなくてもいいが、その日にクビになる可能性がある。「組織の方針に同意できない/従えないなら、お互いのために契約を解除しましょう」という考えだ。

したがって多くのアメリカ人は自分としては無駄だと思っている事でも上司が望んでそう決断した場合は、かなり順守する。そして上司の最も望んでいる順番で仕事を仕上げていく。その順守具合が日本で働いていた時の感覚とは非ではなかった。


期限はきっちり守る

上司に指示されていたけど、期限がきたけどまだやっていません、というのはほとんど見ない。やはり雇用主の意見を最尊重するという姿勢は目を見張るものがある。


決定後も交渉の余地はある

決定後も上司と交渉はよくあるし、決定事項が変更になることもよくあるもっと合理的であるという判断がされた場合だ。

交渉はタダだし、可能性は低いかもしれないが不可能ではない。そして交渉したことによるデメリットは日本より少ない、むしろデメリットはほぼ感じない。「面倒なことを言ってきた人」という烙印にはらない。

交渉するなら、合理的な理由とそれよりもよりよい意見を携えていく。よりよい意見がどう上司のメリットになるのかをプレゼンする。


まとめ

アメリカではいつクビになるかわからないので、ちゃんと正規雇用されている人たちも毎日きっちり仕事をして上司に従順。

文化や考え方、いいとされているモノが国によってまるっきり違うので、その異文化間の違いは面白い。



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