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遊びって、大事じゃね?~AI時代の教育のあり方を考える~Part 10(全10回以上連載予定)

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忙しい向けの要約が目次の最後についているので、忙しい人はそこだけみてください!
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やあ、皆さん。
ついに記念すべき、パート10です。
この本、『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』の要約は、パート10もあれば終わると思ってましたけど、

ぜんっぜんおわりませんでした(^^)/

この連載の経緯が気になる方は、こちら、以下のリンクからどうぞ。

ということで、
第五章「遊び上手は仕事上手」のクセ強要約をしていきます。
していくんだけどさ、かなり大事な内容がガッツリあるんすよこの章。
連載の目的である、「AI時代における教育の、ひいては人間のあり方」として、遊びに注目した理由や、私から読者さんに伝えたいメッセージが満載なんです。

なので、またボリューム多めになります、第五章は。前後編ですまた。
ではいきます。

第五章「遊び上手は仕事上手」前編

遊びの対極にあるもの

遊びの反対ってなんでしょうね。
言語的な意味ではなく、心の状態的な意味での反対です。

さて、こんな経験はないでしょうか。(ストーリー調でお届けします)

ジョナサンにとって、レストランの仕事は非常に気に入っていた。
オーナーもジョナサンの熱心な仕事ぶりを評価していたが、ジョナサンにとっては、何一つ大変な仕事などなかった。とにかく楽しかったのだ。
ジョナサンはどんな難題も解決して見せた。みんなと冗談も言い合って、仕事に影響がなくチームの輪が強固になるような、素敵なサボりも完璧だった。
やがて昇進を重ねていき、オーナーからさらに責任が増える管理職に抜擢された。すると、ジョナサンは管理職としての責任を全うするために、冗談なんて言えなくなり、バイト達を如何に仕事に専念させるのか、そしてその文句を誰にも言わせないようにしていった。
ジョナサンは毎日、レストランを閉めた後にオフィスに残り、売上を計算し、毎晩体を引きずるようにして帰宅した。
すっかり疲れ果て、自分の体を洗うことで手いっぱいで、家のキッチンもリビングもドンドン汚れていった。
ある朝、ジョナサンは朝食のテーブルにつくと、ただただ時計の秒針が動くのをじっと見つめていた。そして頭の中には、「こんなことで挫折するのは自分だけなのでは?」「このままで、ほんとにいいのかなあ?」「なんで生きてるんだっけ?」という、誰にも答えがわからないような疑問が、浮かんでは消えていった・・・

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.157改編

はい。こんな感じで、第五章はこんな感じの3人の事例からスタートします。その事例の全てが、「最初は超楽しく仕事してた、でもいつの間にか気力が無くなってしまった」という例です。

はいそうです、いわゆる鬱(うつ)の事例です。

それぞれ極めて重要な事実、つまり遊びの対極にあるのは仕事ではなくて、うつであるということを示す実例だ。人が生まれつき持っている変化や挑戦を求める欲求は、責任感があまりにも重くのしかかりすぎると葬り去られてしまうことがある。(中略)
遊びは対立するどころか、むしろお互いに引き立て合っている。(中略)
遊びと仕事は、その2つが本領を発揮すれば、1つに溶け合い、自分という存在も社会も、ともに意味のあるものにしてくれるのだ。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.158-159

実はこの第五章の原著のタイトルは、
「The opposite of play is not work.」です。
遊びの反対は仕事じゃないよ、ということです。

はい、遊びの反対は、鬱(うつ)です。
(博士の熱いメッセージはこちら!
基本的に6歳~ずっと鬱傾向のある私としては、すごく共感ができる事例です。(6歳の時に結局自分がいなくても地球は残り、やがてみんなが私を忘れる営みがそこにあるのだとしたら、生きる意味はないのではという虚無に陥った陰鬱6歳児爆誕です。)

がっつり仕事しまくってると、ほんとに休日になにもしたくなくなるし、気晴らしが気晴らしになりませんよね。
(ちなみに前職はマネージャーになるのが嫌すぎてやめました)

しかしながら、遊びと仕事は、1つに混ぜ合わせることができるはずです。
遊ぶように仕事ができるはずだし、仕事に少しでも遊びをいれることができるはずです。(遊びの8タイプを参考にしてみてくださいね。)

ここで大切なことをおさらいしますが、

何より大切なのは、本物の遊びは、心の内にある欲求と願望によってもたらされるもので、これこそが仕事で満足感や喜びがいつまでも続く唯一の道筋であるということだ。長い目で見れば、遊びがないと仕事もうまく働かないのだ。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.159

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過激な読者A「え、でも仕事に遊びいれんの難しいのだが。どうすんの?」

私「もちろん、仕事以外で、生活に少しでも夢中になれる遊びを取り入れるだけでも、仕事などすべてにバランスが取り戻せるそうですよ。言い忘れていて申し訳ございません。」

過激な読者A「早く言えよ。申し訳ないではすまさない。
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はい、言うまでもなく、今でも職場以外の場所で遊ぶのであれば、まあ怒られることはないですよね。仕事で遊ぶことが難しいまたは抵抗がある人は、私生活で、心がなんとも言えない喜びに満たされるような、遊びを少しでもしてみてほしいです。
(私は語り手タイプが強いので、ロールプレイングゲームをしてみたんですが、ものすごいいろんな角度にいい影響がでていることを感じます。)

余談ですが、遊び的な活動のことを、レクリエーションって言うじゃないですか。あれの意味って、re-creationなんですよ。(出展)
遊ぶことで、新鮮な気持ちを取り戻し、自分と、この社会を作りなおす(re-create)ことができるから、レクリエーションっていうんですね。

まあ、いいんですよ余談は。(自分で書いといてこの始末)

さてさて、この本にはもちろん、遊びを仕事で取り入れている例とかも載っているわけですよ。(きゃあああすごい!!ブラウン博士!!)
それが次ですね。

仕事に役立つ遊び

とはいえ、仕事そのものに遊びを取り入れて、効果は見られるだろうか?私は、仕事に遊びは「必須」だと言いたい。まず何よりも、大変なときこそ遊びが必要だ。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.161-162

はい、ブラウン博士の強めなメッセージからスタートします。
必須なんですよ。必須。
博士は例として色々なことを書いてくれています。

例えば、消防士や警察官、軍の人など、命に関わる仕事をしている人たち。
この人たちのストレスは計り知れないでしょう。いつでも、死への恐怖がつきまとうのですから。
でも、そのことばかりクヨクヨと悩んでいるとどうなるでしょう。おそらく、頭にこびりついたその想いのせいで、体が硬直し、うまく危機を回避できないのではないでしょうか。
博士は、「道路に飛び出したシカが車のヘッドライトに驚いて固まってしまうみたいなリアクション取ると轢かれて死んでしまうリスクが高まっちゃうじゃない?あれよあれ」的な感じで説明しています。

なので、博士は、彼らを見ていると、ブラックユーモアを交えてふざけ合うことも仕事の一環なのだと学ぶそうです

ほかにも、インテル社の事例です。
はい、あの、入ってるか聞いてくるCMの、インテルです。

この例で、ブラウン博士は、
状況が悪化しつつあるときには、ごっこ遊びをしてみるべきじゃね?と言っています。

1980年代はじめのインテルは、品質も高く価格も安い日本製のメモリチップに押されて、その事業で利益を出すことが難しくなっていたそう。
そこで、企業としてはどうにかせねばならなくなった。明らかにメモリチップ以外の主力製品を見つけるべきだったのだが、
インテル社の社歴とブランドイメージはメモリチップと切っても切れず、さらにエンジニアと営業スタッフのほぼ全員がメモリチップを中心に編成されていたし、チップをもっと作るために、巨額の資金を投じて工場を作ったばかりだった。どうしたもんかねえ。
そこで、ある日グローブさん(元CEO)とムーアさん(インテル社設立メンバー)は、この板挟みの現状を話し合ったそうです。
なぜならどうにかしないと、彼ら自身のクビがかかっていますから。
そこで彼らがやったことは、まさにごっこ遊びでした。
彼らは、「自分たちが首になったら後釜に座りそうな人物像を想像し、そのスーパー役員がしそうなことをあれこれと考えてみた」のです。
さあ、ごっこ遊びが始まります。
足掛かりとして、とりあえず、自分たちを「クビ」にしてみて、
後釜になるであろうスーパー役員になり切って、再びオフィスに戻ってみた。
はい、レヴェル(下唇)の超高い、辞任・就任ごっこです。
そこで彼らは明白に気が付いたことがあります。
それは、どんな犠牲を払おうと、内部からどんな抵抗に遭おうと、
「メモリチップ事業から撤退しないとアカン。by スーパー役員」
ということに気が付きました。
その後インテル社がどうなったかは知っている方もいるかもしれませんが、マイクロプロセッサ設計事業へと舵を切り、成功しました。

遊び大事だよね。

この事例から、

逆説的ではあるが、問題から少し距離を置くこと、つまり状況を冷静に判断し常に物事の全体を見ることが、きわめて有力な成功要因になる場合があるのだ。(中略)
ごっこ遊びをして一歩引いて見てみると、問題の感情的な要素と現実的な要素が両方見えるようになる。(中略)
必要なのは、ほんの少し距離を置いてみることだけだ。仕事は大事だとしても、職場での日常的な出来事はやりがいになるというより悩みの種になることが多い。しかし遊んでいる状態に身を置けば、急を要する仕事から受けるプレッシャーに伴う不安感が抑えられ、効率や生産性を上げることができる。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.165-167

はい、そうなんですよ。
もう痛いほどわかるんですが、仕事にのめり込むほど、仕事に飲まれてしまいます。心が消耗するだけではなく、メタ的に認知する視点がなくなってくるのです。

仕事との距離って大切ですよね。

仕事上の益でいうと、昔企画職の時に、アイデアに行き詰った時に超参考にしていた本があるのですが、そこでも、「ぼーっとする」というプロセスがあったりします。

もちろん生活的な側面でいっても、休日をしっかりと休めます。
(「休日は息継ぎで、平日は潜水だ!アハハハハハハハハハhahaha(絶望失神)」と言っていた自分が懐かしい)

まとめると、仕事中に遊んでみて距離を取ってもいいでしょうし、
生活の中で遊びを思い出しても、仕事にいい影響があるでしょう。

ここまできても、全く理解できない人は、とりあえず、遊んでみてください。(遊びとは、なんとも言えない心の高まりや、喜びを感じて、もっと続けていたくなるような何かです。結構自然とやっていることがあるかもしれません。)

ちょっと話が逸れますが、職場で遊びをやってみるのは時に勇気が必要ですよね。組織全体に抑圧的な雰囲気があると、まあ難しいですよね。

死ぬほどわかります。

昨今、心理的安全性がビジネスの世界でも重要としっかり認識されつつありますけど、実は私は心理的安全性を高める組織にするために、色々今の職場で色々実験してきました。
なぜかというと社会人生活で散々見てきた、心理的安全性ない組織は、ほんとに悲惨なものだったから、そういう組織にしたくなかったからです。(心理的安全性良くわからんって人はここみて

きっとAIが時代に大きく影響を持ってきたときに、
人はより人らしさを追求することになるでしょう。ざっくり言うと、遊び心なのかなと私は感じているので、この本の要約をしようと思ったわけですが・・・
その遊び心を忘れないためにも、私は心理的安全性が大切だと思っています。

さて、
そしてですね、博士は、こんな素敵な言葉を残します。(急に本題に戻る)

私たちは、チームとして一緒に「働く」ことについて話し合ったりするものだが、チームとしてみんなが一緒に「遊ぶ」ことについて話す方がさらに有益で生産的だろう。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.168

いやもう博士、日本に来てぜひ講演してほしいです・・・
もちろん博士は、いろんな企業や団体から講演やコンサルティングの依頼をされるようなのですが、中でも多いのは、創造性と、生産性に対することだそうです。それが次。

創造性と革新

企業がブラウン博士と話したがる理由に、創造性と生産性と遊びの関連性があるらしい。
ブラウン博士の知る限りでは、企業はちゃんと、「遊び」が大切だとしっているっぽいです。(ほんとかなあ・・・今までいた会社が悪かったのかなああ・・・)
そして、生産性が大切なのはまあそうだとして、創造性こそがあらゆる成長の源だよ~と、ブラウン博士は言っています。

では、遊びのいったい何が創造性と関係があるのだろう?本当に「必要は発明の母なのか」?
答えは「ノー」だ。「必要は創意と革新のお膳立てをするにすぎない」と言いたい。「遊び心こそが発明の母」なのだ。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.168-169

はい。私も心から同意です。

ところで皆さん、ブレインストーミングってしたことあります?
日常的にしている人も多いと思いますけど、4つの原則があるのは知っていましたか?(原則はこちら参照
アイデアを否定しないとか、変わったアイデアを歓迎するとか、質より量を重視する、アイデアをまとめる。の4つですね。
知らなかった人もいるのではないでしょうか。
そして博士はこう言うわけです。

問題なのは、おそらく、一部のブレインストーミングで、話し合いの最中に遊び心がなくなってしまっていることだ。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.173

はい、その通りです。実際私も思いますが、
ブレインストーミングがうまく進んでいる時は、遊んでいるといっても過言ではないです。(ブレインストーミングは個々でアイデアを募るのと大して代わり映えしないという研究報告もあるそうですが・・・)

実際、遊ぶと空想と現実の融合が進む。遊びは、あちこちの脳領域の機能を活性化して、脳の働きを相乗的に統合するのが目的なのだ。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.170

はい、創造性って面白くてですね。
創造の過程はもともと矛盾していて逆説的なので、クリエイティブな人たちは勤勉でありながら怠け者でもあったりしますよね。もはや創造性って神秘的ですらあります。
個人的には、クリエイティブな人たちを見ていると、とある分野の深い知識があるのはもちろんですが、既存のルールや価値観では理解できないような目新しい情報が来ても見過ごすことはなく、受容して、こねくり回して新しいアイデアの結合を作っている気がします。

博士もこんなことを言っています。

想像力豊かな研究者は、創造の世界に逃避できるのと同時に、現実にもしっかりと足を着けている。創造的なアイデアは、異なる領域や分野のアイデアが組み合わさった形で出てくることが良くあるからだ。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.170

これは事例を上げればキリがありません。

私が昔化粧品の業界にいた頃、しわを改善するということを訴求してもよい革新的な商品が登場したのですが、
その時の裏話も、チョコミントをみてある成分を溶かすのではなく、点在させればいいのでは?という処方上の課題をクリアしたなんて研究者さんがいたのを思い出しました。(事例はこれ

さてさて、そんな創造力溢れる人材は、どの会社も欲しがるところでしょう。(21世紀型人材に求める要件にもはいっていたような)

そんな悩みを持つ1人として、デイブさんという米大手銀行で人事担当者をしていた人が出てくるのですが、その人は色々なツールを使ってみたけど、結局、求職者の創造力がどれくらいあるのかを見極めるのに超苦労したらしいっす。
(その中の1つに、MBTIという性格検査がでてくるのですが、ちょっと前に韓国で話題になったのを皮切りに日本でも話題になったような・・・気になる人はやってみよう

そのデイブさんは色々と学習したり試してみたりした結果、こうなったようです。

革新力が備わっているかどうかを見極める有力な手掛かりは、幼い頃夢中になって遊んだ記憶の中に潜んでいることがわかった。(中略)
採用予定者が目新しさを楽しむかどうか、失敗にどう反応し、そこからどのように学ぶのか、嫌がらずにリスクを負うかどうかといった要因や、以前はあまり重要だと認めていなかったほかの要因を分析する基準を設けることができた。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.172

(ちなみに、この事実に気がついたデイブさんは、このノウハウを生かしたコンサルティング業をはじめたそうです。調べたけど、うまくヒットしなかったのでファクトチェックできずですが・・・)

はい、それだけ大事な創造性なんですが、大事なポイントは、
個人的には、とにかく創造性を否定せず個人でも組織全体でも受容することだと思います。

博士もこう書いてくれています。

企業でも、個人でも、私たちの創造性は、周りの批判から守るだけではなく、自分自身の内なる批判から守る必要がある。最初は考えたり、感じたり、行ったりすることを批判しないで、創造的なアイデアが生まれやすい状態にしよう。思い浮かんだアイデアで、自分流に、ひたすら遊んでみること。(中略)
知り合いの、とりわけ有名なある科学者は、「僕に素晴らしいアイデアが浮かぶ秘訣は、本当に大きなゴミ箱を持っていることなんだよ」と教えてくれた。たった1つのアイデアにたどり着く前に、彼は、ひどいアイデアを100個考えては捨てることを楽しんでいるのだ。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.176

ここまで、主に創造力に対する言及が多かったですが、
それだけではなく、”習得”に関しても遊びの貢献を語る文の中で、
「なんでも楽しまないとアカンで。」という、
ブラウン博士のメッセージが伝わってきます。

突き詰めると、やっていることを楽しまなければ、つあり、遊ぶ時間を作らなければ、それぞれが携わる分野で頂点を極めることは難しい。せっせと仕事に精を出すだけではダメなことが多いのだ。
面白いという感覚や遊びの感覚がないと、どんなトレーニングでも、習得しようと長い時間をかけてひたむきにやり切ることはできないものだ。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.179


はい。ここまで第五章「遊び上手は仕事上手」を要約してきました。
遊びが当然大切なのは、もう明白だとして、
仕事のどんなものも、遊ぼうとすれば遊ぶことができる。楽しくて創造的で夢中になれる要素があるはず。その喜びに浸かるべきだし、気がつかなければならないというメッセージが強かったように思います。

さて、第五章「遊び上手は仕事上手」後編では、
なんで僕らって遊びを手放してしまうのか、そしてどう取り戻せばいいのかについての要約をしていきますね。

追記:
このまとめをする中で、自分の遊び心を大切にした結果、絵本が生まれました。
もしよろしければ、サンプルだけでも読んでみてください!
絵本のタイトルは、「かみかみかみ」で、子どもと読める内容ですが、
裏設定があります。彼は本当は食べているのかを想像してみて欲しいです!

絵本はコチラ

続きはこちら。


忙しい人向けの要約

第五章「遊び上手は仕事上手」

急ですが、遊びの反対にあるものってなんでしょう。
言語的な意味ではなく、心の状態的な意味での反対です。

「最初は超楽しく仕事してた、でもいつの間にか気力が無くなってしまった」という経験はないでしょうか。

そうです、鬱(うつ)という症状です。
遊びの反対は、鬱(うつ)です。
がっつり仕事しまくってると、ほんとに休日になにもしたくなくなるし、気晴らしが気晴らしになりませんよね。

私たちは、仕事をしていく上で、遊びを忘れてしまいがちですが、
本当は遊びは対立するどころか、むしろお互いに引き立て合っていて、
遊びと仕事は、その2つが本領を発揮すれば、1つに溶け合い、自分という存在も社会も、ともに意味のあるものにしてくれるはずなのです。

とはいえ、仕事そのものに遊びを取り入れて、効果は見られるだろうか?私は、仕事に遊びは「必須」だと言いたい。まず何よりも、大変なときこそ遊びが必要だ。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.161-162

その事例として、例えば、消防士や警察官、軍の人など、命に関わる仕事をしている人たち。博士は、彼らを見ていると、ブラックユーモアを交えてふざけ合うことも仕事の一環なのだと学ぶそうです

ほかにも、「状況が悪化しつつあるときでも遊びは有効だ。」として、
インテル社CEO達が行った、「もし私たちがクビになって、後釜に座るスーパーCEOだったらすること」という、ごっこ遊びの事例を紹介してくれます

逆説的ではあるが、問題から少し距離を置くこと、つまり状況を冷静に判断し常に物事の全体を見ることが、きわめて有力な成功要因になる場合があるのだ。(中略)必要なのは、ほんの少し距離を置いてみることだけだ。(中略)効率や生産性を上げることができる。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.165-167

そして、博士はその話から、仕事で求められる創造性と遊びの関係について触れていきます。

では、遊びのいったい何が創造性と関係があるのだろう?本当に「必要は発明の母なのか」?答えは「ノー」だ。「必要は創意と革新のお膳立てをするにすぎない」と言いたい。「遊び心こそが発明の母」なのだ。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.168-169

実際、遊ぶと空想と現実の融合が進む。遊びは、あちこちの脳領域の機能を活性化して、脳の働きを相乗的に統合するのが目的なのだ。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.170

想像力豊かな研究者は、創造の世界に逃避できるのと同時に、現実にもしっかりと足を着けている。創造的なアイデアは、異なる領域や分野のアイデアが組み合わさった形で出てくることが良くあるからだ。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.170

というくらい、創造性と遊びは切っても切れない関係にありそうです。
そして、企業も創造性を持つ人材を集めるべく、様々な性格診断テストをするも、中々集められないのが現状です。
しかし、大手米国銀行人事部のデイブさんは色々と学習したり試してみたりした結果、創造性ある社員を探す手法を見つけ出します。

革新力が備わっているかどうかを見極める有力な手掛かりは、幼い頃夢中になって遊んだ記憶の中に潜んでいることがわかった。(中略)
採用予定者が目新しさを楽しむかどうか、失敗にどう反応し、そこからどのように学ぶのか、嫌がらずにリスクを負うかどうかといった要因や、以前はあまり重要だと認めていなかったほかの要因を分析する基準を設けることができた。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.172

そう、遊び歴です。そこに大切な要素があったそうです。
(その後、このデイブさんは人事コンサルとして活躍します。)

そして博士はこうまとめます。

企業でも、個人でも、私たちの創造性は、周りの批判から守るだけではなく、自分自身の内なる批判から守る必要がある。最初は考えたり、感じたり、行ったりすることを批判しないで、創造的なアイデアが生まれやすい状態にしよう。思い浮かんだアイデアで、自分流に、ひたすら遊んでみること。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.176

突き詰めると、やっていることを楽しまなければ、つまり、遊ぶ時間を作らなければ、それぞれが携わる分野で頂点を極めることは難しい。せっせと仕事に精を出すだけではダメなことが多いのだ。
面白いという感覚や遊びの感覚がないと、どんなトレーニングでも、習得しようと長い時間をかけてひたむきにやり切ることはできないものだ。

『遊びスイッチ、オン!―脳を活性化させ、そうぞう力を育む「遊び」の効果』p.179

さて、第五章「遊び上手は仕事上手」後編では、
なんで僕らって遊びを手放してしまうのか、そしてどう取り戻せばいいのかについての要約をしていきます。

続きはこちら。


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