- 運営しているクリエイター
記事一覧
みやびちゃんとわたし
みやびちゃんとは、幼稚園の年中から同じクラスになったと記憶している。
みやびというのはもちろん本名ではない。が、小学5年生のとき、「子どもが生まれたらみやびって名前をつけたい」と話していたのが印象的だったので、ここでは彼女をみやびと呼ぶ。
みやびちゃんは、うちから150mほどの近所に住んでいた。
当時は理解していなかったけれど、なかなかにお金持ちだったのだと思う。きれいな一軒家に大きな車。一人
Google Mapがないと帰省できない人生のこと
わたしには「実家」と呼べる場所がない。
といっても、両親と死別して施設で育っただとか、そういうことではぜんぜんなくて、両親はいまでも千葉県内のマンションで、ふたりで元気に暮らしている。
でも、そこは、わたしたち姉弟が成人して家を出た後に彼らが新たに住み始めた家なので、わたしにとっては馴染みのない街にある馴染みのない家だ。その家にわたしの部屋はもちろんないし、私物もほとんど残っていない。小さい頃から