君子な在る虎

凡人より、変人でいたい。 面白い変人でいたい。

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顎道:アギドウ 第3顎「お米を食べろorASMRを聞け、お前ら」

エムさんが家に居着いた。 すぐにでも、勧誘がくるかと身構えていたが、特段そんなことはなく、今日も朝に挨拶を交わした程度だった。 本当はもっとこの状況にソワソワするのだろうけれど、それよりも学校もとい、部活のことが気になって仕方なかった。 あっという間に放課後になって、顎道部の道場にやって来た。 どんな人がいるのだろう? 心配と期待を胸に道場に足を踏み入れる。 「なんで君がここにいるんだ!」 「ああ? ここしか受かんなかったんだよクソがぁ!」 入り口の下駄箱の地点で

    • 顎道:アギドウ 第2顎「キャラ崩壊DXエディション」

      突然、顎が伸びてビックリどころじゃすまない僕だけど、4月になって高校生になりました。 人間関係は一新されたから、ほとんどの人は僕が顎人だということに違和感を抱かない。 正直それで良かった。いちいちビックリされる方がしんどいからね。 入学式後、自分のクラスに入る。 「高校もまた同じクラスだな、慎吾」 「ああ、でも人間あれだな、慣れるもんだな、お前の顎も見慣れてきた」 「ははは、正直僕もそうなんだ。適応するみたいだな」 僕は苦笑いをする。 「ま、そんなことより、あ

      • 顎道:アギドウ 第1顎「ケツアゴは突然に」

        あらすじ 顎が急成長して1mほどのBIGケツアゴなってしまった主人公、決乃顎斗。 想い人である浅見結に避けられたことで絶望の淵に立つ顎斗だったが、同じ長い顎を持ちながらモデルとして活躍する海原と出会う。 彼は長い顎を持つものだけが出来る競技、顎道を極めており、周囲からの尊敬を集めていた。 顎道部に入って強い男になって浅見結に想いを告げることにした顎斗。 しかし、顎道部の部員たちは皆一癖も二癖もある者ばかりで翻弄される日々。 さらに、同じ顎を持つ祖父の遺言により、顎道を指導す

        • 復讐の石英 第3話「吐気模様」

          ■教室 「転校生出てこいオラァ!」 授業中、突然素行の悪そうな男が乱入してくる。 その後ろには眼鏡をかけた少女がついている。 「……」 英司は肩肘を着いた手で頬をついて窓から外を見ている。 「はいはーい! 私だよぉ、あとこいつ」 叶瀬が立ち上がると、俺の肩をバシバシと叩く。 「面倒なのはパスだ」 「こっち向けや!」 男はバットを英司に投げつける。 「ちっ」 英司は男の方を向いてから席立ち、バットを避ける。 教室内は一気に騒々しくなり、英司たちを除いて生徒

        顎道:アギドウ 第3顎「お米を食べろorASMRを聞け、お前ら」

          復讐の石英 第2話「灰とマフラー」

          2年前 この国の生誕80周年を祝う催しによって街中で賑わっていた。 「ほら、英司早く行こ?」 ブロンドの髪が美しい少女が僕の手を引っ張る。 「落ち着いて行こう、はぐれちゃうよ」 「もう、楽しみじゃないの?」 「僕は里奈がいればどこでも楽しい」 「……なら」 里奈は僕の腕に抱き着く。 「里奈⁉」 「うふふ、こうすればはぐれないでしょ?」 二人でパレードを見る。 幸せだ。 僕は、里奈がいればそれで良かった。 他はどうでも良かった。 僕と里奈だけの世界がある。 こん

          復讐の石英 第2話「灰とマフラー」

          復讐の石英 第1話「決別そして、」

          ■あらすじ 仮初めの平和で染め上げられ、裏では他の国に搾取されている国。 この国では人々の解放という目的の過激テロ組織、浄天会が浸透していた。浄天会がばら撒いたウイルスによって、人生を狂わされた少年、石波英司は復讐のために政府の犬となる。 学園内にて、ウイルスの売買を行う浄天会を見つけ出すため、英司は学園に潜入する。 そこで、真面目だが危うい少年、灰崎燐と出会い、共にテロリストを探す中、復讐に憑りつかれた英司の心を溶かす。 しかし、英司のいる政府の闇を知った燐はやがて、国を

          復讐の石英 第1話「決別そして、」

          太陽神像キングバック 第3話「選ばれた存在」

          「今度こそかち割ってやる!」 砂の巨人は神像に向けて手斧を振り下ろす。 ガキンと鈍い音が鳴る。 手斧が神像の左肩に直撃する。しかし、神像も傷一つ付いていない。 神像はすかさず左手で砂の巨人の手斧を握る右手を掴む。 「は、放せ!」 「やれ」 治の静かな命令で神像は右手刀を砂の巨人の左肩に叩き込む。 神像の手刀は砂の巨人の胸辺りまでめり込む。 「う、嘘だろ」 土の国の一人が泡を吹いて倒れる。それと同時に手刀をくらわせた砂の巨人はその場に崩れる。 「畳みかける!」 今度

          太陽神像キングバック 第3話「選ばれた存在」

          太陽神像キングバック 第2話「今、害する者への滅をここに」

          「行け」 遺跡から出現した神像は僕の言葉と共に動き始める。 大きく踏み込んだ一歩で僕を跨ぐ。振動で地面が大きく揺れる。 ゆっくりとした動きで神像は歩く。 すると、敵である砂の国の巨人の1体が神像に気が付く。 敵は槍を構えると警戒しながら神像に近づいてくる。 神像側もゆっくりと近づいて行き、槍が届くほどの距離になったとき、敵は槍を突き立てた。 ガキンっとぶつかり合う衝突音が鳴り響く。 しかし、神像はそれでもゆっくりと前に進む。 そう、槍の刺突はまるで効果がなかったのだ

          太陽神像キングバック 第2話「今、害する者への滅をここに」

          太陽神像キングバック 第1話「王の帰還」

          あらすじ 太陽は消え、世界は荒廃した。 人の心を読む力を持つ青年、石神治は荒廃した世界で義賊組織を率いていたが、敵の策略により、仲間に見捨てられることとなる。 そんな治を救ったのは神と名乗る少女だった。 少女は太陽を取り戻す儀式への参加を求め、それに応じる治。 気が付くと治は太陽の国で目を覚まし、記憶を失っていた。 治を介抱した少女ステラによって国の祭りに参加し、そこで祀られている神像の存在を知る。太陽の国への愛着を感じ始めたのも束の間、隣接する土の国からの襲撃を受ける。

          太陽神像キングバック 第1話「王の帰還」

          マガジン漫画原作「ヘタレ王子と熱砂の旅路」あらすじ

           大砂漠の強国の王子であるルドは東の果てにあると言われる水の国ジャッパンを目指すことを偉大な父に言い渡される。  しかし肝心のルドは砂漠を股に掛ける屈強さもなければ、白紙の航路を進む勇敢さを持ち合わせていないヘタレだった。  しかし、彼には仲間がいる。一人一人がどっかの漫画の主人公を務められるほどに勇敢で豪傑だ。  ではなぜ彼らがルドの元に集うのか?  それは自身の目で確かめて欲しい。  ヘタレな王子、ルドのトラブルだらけの笑いあり、涙ありの熱砂の旅路のはじまりはじまり……

          マガジン漫画原作「ヘタレ王子と熱砂の旅路」あらすじ

          マガジン漫画原作『ヘタレ王子と熱砂の旅路』 3話「ネタばらしは盛大に」

          ■アジト奥地  立っている者は宝玉を持つ老人以外にいない。 老人「ほっほっほ、容易い容易い」  老人は勝ち誇って王子の傍に近づいた、その時。 ルド「きえぇぇい!」  突然立ち上がった王子は宝玉が付いた杖を奪い取る。 老人「何⁉」 ルド「はあはあ、油断、したなぁ」  息を荒げながら笑みを浮かべたルドは老人を見上げる。 老人「な、何故?」 ルド「何言ってやがる? 分かってんだよ、俺が情けない親の七光りだってことくらい」 老人「そ、その程度で精神の崩壊を防げるものでは…

          マガジン漫画原作『ヘタレ王子と熱砂の旅路』 3話「ネタばらしは盛大に」

          マガジン漫画原作『ヘタレ王子と熱砂の旅路』 2話「ヘタレに隠れし力」

          ■広間  巨大な炎がゴウエンを包む。 ゴウエン「うっ⁉」 バオ「こんがり具合はどんくれぇかなぁ! 頭がヘルメットで焼け具合がばらつくかもしんねえけどなぁ!」 ゴウエン「そうだな、これは暑いな」  ゴウエンはヘルメットを取り、地面に転がして素顔を明かす。 バオ「てめえ、その顔⁉」  バオはゴウエンを見て身震いする。 ゴウエン「珍しい、か。鉄の一族は」  真っ赤な目、肌には鉄のような鱗があり、極めつけは剥き出しの牙だ。  しかも、その牙はただの牙ではなくナイフのように鋭

          マガジン漫画原作『ヘタレ王子と熱砂の旅路』 2話「ヘタレに隠れし力」

          マガジン漫画原作『ヘタレ王子と熱砂の旅路』 1話「DO ZE ZA」

           一台の船がキャタピラを転がせ、広大に広がる砂漠の上をゆっくりと進んでいる。 ■船内 ルド「暑い、アチいよぉ~」  船内はクーラーが効いておらず、砂漠のど真ん中、蒸し風呂状態である。 ルド「へいッ! メカニック、空調どうなってんだ空調は!」  俺は内線でメカニックに怒鳴る。 メカ「あー船長。今、エアコン切ってます」 ルド「なぁーんで切ってんの! この俺を殺す気か!」 メカ「油が足りないんでさぁ、ガス欠で砂漠のど真ん中立ち往生するわけにはいかんでしょう?」 ルド「な

          マガジン漫画原作『ヘタレ王子と熱砂の旅路』 1話「DO ZE ZA」

          マガジン漫画原作『キングバック』あらすじ

           記憶喪失の青年、岩谷治は偶然にも太陽の国の若きトップ、ステラに拾われ、太陽、月、炎、水、木、鋼、砂の国による7つ巴の戦いに巻き込まれてしまう。  そんな中、彼らは主の背中を守る存在、キングバックを戦場の武器として使い、治自身もその力に目覚める。  治はステラの「戦争終結のために全ての国の頂点に立つ」という理想に共感して共に多くの国を縦横無尽に跨ぎ、最中、臆病な敵国の密偵クラスチェを仲間にする。その他にも身分、国、関係なく仲間を集め、理想に近づいていく。  その理想に近づ

          マガジン漫画原作『キングバック』あらすじ

          マガジン漫画原作『キングバック』3話「ダイヤモンドとカブトムシ」

          ■森内部  俺は絶賛敵地で迷子になっていた。 治「普通、いきなり迷子になるかね」 ?「バカめ、お前は俺の仲間が既に術にかけ、幻の森景色を見ているのだ。まあ、この声も聞こえていないだろうがね」 治「……はぁ」  俺は俯く。 ?「絶望したかな? 他の奴に手柄を取られても困る、殺すか」  治の背後に謎の男が迫る。  その時、突然クリサリスストーンズが現れる。 ?「な、何だ!」 治「よし、慎重に木をぶっ倒すか!」  クリサリスストーンズは大きく振りかぶって拳を振るう。

          マガジン漫画原作『キングバック』3話「ダイヤモンドとカブトムシ」

          マガジン漫画原作『キングバック』2話「多手多様」

           諸々の戦いの後から数週間が経った。 治「ステラも退院か、その間暇だからルインのバッシュをボコボコにしてキングバックの扱いにも随分となれてきな」 治「まあ、ルインのやつ……」 ルイン「捕虜をこんなことに使うな!」  大の字に寝るルインが息を荒くしながら叫ぶのを思い出す。 治「とか文句を言ってたが、「煮るなり焼くなり好きにしろって言ったのはあんただろ? あれは嘘だったのかなぁ?」って言ったら黙ったわw」 ローキット「相変わらずだねぇ、だから友達出来ないんだよ。これでも

          マガジン漫画原作『キングバック』2話「多手多様」