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日記

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2024年4月の記事一覧

逢瀬のすべて

逢瀬のすべて

 水を飲む。
 飲み口に少し残されたなまぬるい温度が、少し天国だった。名前に果てはないように、わたしに命がよりかかる。たわんで、すべてがおじゃんになる。

 ふるい雨が降っている。腕の内側にすっかり細い蛍光灯のような骨がある。それをきゅっと引き寄せるみたいに雨を見あげる。傘は忘れてしまった。白いひかりがわたしから駆け上がって空へ飛びついていった。それは涙ともいえるものだった。
 わたしの黒いトート

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春の住処

春の住処

 たとえばわたしが鳥だったとしてあの顔ができるだろうか。愛され方しかわかっていないあの鳥の、くるりと一周まわった水鏡のような瞳。水浴びをする白文鳥をじっと見つめる。春の午後。

 わたしが100%わたしであった時代を思い返す。それはフライ返しみたいにへにゃんとしていて、輪郭がやわらかくひしゃげている。わからない、とは言えないが、スフレにフォークを押し付けるみたいに少し痛む。結局全て忘れてしまうから

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