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詩 『抱えきれない物』
週末の終わりの二日前
ぼろぼろに破れたリュックを降ろす
それは心のリュックだ
あれやこれや詰め込んで
たいそうな重さになってしまった
重たいから引き摺って歩く
ズルズルぼろぼろズタズタ
傷だらけで草臥れてしまった心
ほら ほら 明日から休日
やれ やれ 一日が終わる
何にもしないでいいんだよ
時間はたっぷりあるんだよ
そうだ呑もう
冷蔵庫に赤いワインが冷えている
私の熱い血のような色
フ
詩 無常の哀しみを抱いて…
未明に ふとめざめた わたしに
ちいさく コトりと
戸をたたく音がきこえた
誰もきづかない ときに…
わたしは そっと 戸をあけ
その人にあい よろこぶのだ
よく来たと 泣いているように
抱きしめて しずかに そっと…
その人は なにもいわず
たちつくし ちからなく
わたしを抱きしめる
よくぞ ここまで尋ねてくれた
身にひき寄せ 泣きじゃくり
ひとしきり 泣きじゃくり
やがて ただ 安
詩 『平和な午後に』
僕達はお互いの肉体を頬張り
少しの痛みと共に笑い合い
空腹を満たしていた
血は丸く膨らみ
ぽとぽとと滴り生温かい
嘆きは たおやかに震えて
僕達は
新鮮な果実のように飛び跳ね
お互いを貪りながら生きていた
例えば、一つの影と一つの影
例えば、二つの影と四本足
例えば…
平和な午後の穏やかな昼下がりに
誰かが坂道を登って行くように…
詩 『届けたい思い』
届けたい思いは
風のように
誰かの心に寄り添う
届かない思いは
枯れ葉のように
埋もれてゆく
一つ又ひとつ
灯されたそれぞれの思い
幾億の瞬きの下に
しあわせに息づき
小鳥のように寄り添う
あなたは私を愛していたの?
誰かが問いかけてくる
季節は移ろい色褪せ
鏡の向こうで鈍く光っていた
あなたは私を愛していたの?
透明な風がそよぎ
小枝を揺らし 私を揺らす
会いたい 会いたいと
小鳥の