見出し画像

詩 ニュンフェ

『 nymphё 』
妖精

春の風が吹いて
森の nymphё があちこちに現れます

若草色のなだらかな丘を登ると
やわらかな nymphё の裸体が
薄衣うすごろもを透かして踊っています

光りにたなびく金色こんじきの髪
豊かな乳房
豊満な臀部

それ等は平和な面持ちで
わきだす泉のように
朗らかにうたい
愉しく踊ります

もう、私は去ることもなく
この場所を空を翳りをあびて

あまねく幸福のよろこびに
この身をまかせ
杓の花とたわむれ
垣通しの花に寝そべり

そのやわらかな肌に触れ
そのひそやかな花芯の蜜を吸い
よろこびに震えているのです
一頭の白い蝶と戯れながら


詩 『ニュンフェ』より  林 花埜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?