詩 砂丘
『 砂丘 』
私達は もう、此処には居ない
あの白い砂丘に立ち尽くし
呼んでいる
風も 空も、眩しいすべてが
砂丘の空間を歩いている
無音の白い世界
エロチックに光る波
さらさらと抱かれる音
ざらざらと触れる肉体
眩しい白い足裏
流木が疲れた顔をやすめ
此方を見ている
滑らかなわたしの裸体を
虚ろにゆれるわたしの髪を
解き放たれた力強さを
私達は繋がっている
無意識の必然が
此処にある存在として
砂丘と私は生きている
─ 林 花埜 ─
植田正治と土門拳
─ 巡りあう砂丘 ─ より
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