詩 鈍色の雲
鈍色の雲は
空一面を覆い何層も重なって
水墨画のように寒々しい
流れゆく時は重なり
濃淡をつけて流れてゆく
ゆっくりと ゆっくりと
私の目に映る鈍色の雲
冬の果てを追いかけ
何処へゆくのだろう?
私は此処にいるのに
さよならも言わずに
過ぎ去った人達のように
振り返って私を見ることもない
さようなら さようなら
もうすぐ青空の季節が来る
君が私を忘れるように
青い青い空になる
初めましての青空になる
─ 林 花埜 ─
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