見出し画像

詩 『平和な午後に』

僕達はお互いの肉体を頬張り
少しの痛みと共に笑い合い
空腹を満たしていた


血は丸く膨らみ
ぽとぽとと滴り生温かい
嘆きは たおやかに震えて


僕達は
新鮮な果実のように飛び跳ね
お互いを貪りながら生きていた


例えば、一つの影と一つの影
例えば、二つの影と四本足

例えば…
平和な午後の穏やかな昼下がりに
誰かが坂道を登って行くように…

─ 林 花埜 ─


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?