やまだれおな

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3月の読書感想文

 去年の冬より雪が降った。そして、たまに訪れる暖かい日には蚊柱がたった。茶柱と違って、縁起もくそもない。大量の虫が網戸に張り付くので気持ちが悪い。誰か暖冬と言ったか、そんなことは山奥では関係ない。0度に近づく夕暮れ、雪が降り、寒さに耐えかねたユスリカが部屋の電気にたむろする。室内灯のカバー裏には死骸の影が映る。どうやって入ったのだろうか。彼らを除いて他のユスリカたちは下に落ち、それらを拭い去ったティッシュも雪も下に落ちる。渡辺佑基『ペンギンが教えてくれた物理のはなし』を物理を

    • 風刺画

       最近は風刺を全面に出した絵が流行っているようですが、もっと皮肉った笑える絵がいいと思います。  風刺画について書こうとおもったきっかけの絵は、夏ノ瀬いのさんの絵です。絵の中には「それぞれのキャパシティー」とつづられ、泣き叫び助けを求める子とそれを助ける子が描かれています。  矢とキャパシティーについての言及がよくされるため、そのことについて触れないでおきましょう。  僕が思うことは、この絵(「風刺画 矢」で検索)を見た人が自分のキャパシティを見誤るだろうということです

      • しずかに生きる

        辻村深月『ツナグ 想い人の心得』  感情の揺れが少なく、ゆったり読める本です。まさに、僕らが死と向き合うようで、とても静かです。  「死」とは誰もが避けたくても、また、多くの人が拒絶をもってしても、向き合わなければならない問題です。後悔や自責の念にかられたり、恐怖を感じたりします。あるところでは、その感情を煽るような商法が採用されているのも事実です。しかし、時間がかかっても、死と向き合う準備をしなければいけません。  「死者に会うことは、誰かの死を消費するということと同

        • 冷たい出来事の温かい本

          辻村深月『朝が来る』  本の重要なキーワードを抜き取って綴るので、まっしろな頭で読みたいという方は本を手に取り読んだ後、戻ってきてください。  退屈しない展開が望まれる分厚さですが、期待は裏切りませんでした。あっという間に読み終えました。読書メモを取る間も惜しんで没頭しました。これからの人生、他人事と思っていたことが自分に降りかかるかもしれないと考えさせられました。  この本のキーワードは不妊治療でした。事はこのひとつの点から派生し、多くの問題を露わにしていきます。  恥

        3月の読書感想文

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          【山奥4】幸せとは

           僕は幸せ者だと思います。大学生になるまで大切に育てられてきたこと、今も仕送りをもらっていること、地元を離れ疎遠になった友人から心配してもらっていたこと、バイトや授業にあくせくせずゆったりとした日々を過ごせること。よく考えてみれば自分一人で成し遂げた幸せはありません。なので僕はこれからもきっと誰かとその幸せをかみしめて生きていくのだと思います。  山奥さんも「人間は他人と関わらずに生きていくことができない。他人と助け合い、影響しあって生きていくのは普通のことだ」と言っていま

          【山奥4】幸せとは

          【山奥3】幸せ馬鹿にはなりません

           今は、とても変わったどこにもいないバカに落ち着きたい僕です。小さい頃は頭の悪いクソガキでした。今回はこんな書き出しで始まる山奥さんの投稿をもじって書きます。既にもじっています。自分を語るのは苦手ですができなくはないので頑張ります。  幼い頃、祖父が亡くなり、しかし僕には死なんてわからないわけですから、チューブにつながれた祖父を見て、「スパゲティみたい」といったそうです。本なんて読まないし、生きる意味なんて考えもしませんでした。中学2年までは好きなことだけやっては、よく怒ら

          【山奥3】幸せ馬鹿にはなりません

          【山奥2】多分僕の話

           山奥さんの投稿に呼応するのは暇だからではありません。そうしなければいけないのです。(#2)  僕には自分の能力を過信する癖があります。ある集団では常に自分が優れているものだと思い込んでしまいます。相手を見下す癖ともいえるのでしょうか。相手の秀でた能力を目の当たりにした瞬間、どっと衝撃を受け、僕はまた自己優勢の思い込みに浸っていたのだと思い知らされます。これを何度も繰り返すものですから、もうどうしようもないし、どうにでもなるわと、投げやりになるのです。だから繰り返すのでしょ

          【山奥2】多分僕の話

          【山奥1】僕小説冒頭

           とても暇なので、山奥さんのnoteに文句をつけてやろうと思います。同じ山奥の人として。  とは言っても、はじめの投稿は自己紹介でしたので文句のつけようがありませんでした。  他人のnoteを読むと書きたくなります。しばらくやめていたnoteを再開しようと思いました。文化的な生活を目指していますので、読んだ本や観た映画などを投稿しましょう。また、文章の質を高めたいと思いますので、文才に長けた方の投稿に倣って書けたらといいと思います。  ところで、僕は「僕」という一人称に

          【山奥1】僕小説冒頭

          風邪

           おきると体がだるくて、それから5日間からだを自由に動かすことができなかった。実際は2日目や4日目は熱が下がって楽になったので、掃除やドラマ鑑賞にせっせと体を動かし、熱が入って寒いんだか熱いんだか。熱のときの悪夢には襲われなかった。熱は苦しくない。それは薬のおかげ。しかし、咳やくしゃみで体力は消耗され、頭や喉の痛みで食にありつけず、上がったり下がったりする熱に精神を疲弊させた。いよいよ神頼み。そういえば今年はまだ詣でていなかった。  ネットの情報を鵜呑みにする馬鹿はいねぇか、

          普通 最果て

          又吉直樹『東京百景』   僕はよく変わっていると言われ、当の本人もそう言われることを喜んでいます。そのためか変わっていると思われる行動に出たりします。恣意的な変わり者の気がして、僕とは一体何者なのか、と悩んでいます。  キャラとしての変わり者から本当の変わり者になるためには、理想を掲げ、現実に打ちのめされる経験を何度も繰り返す必要がある気がします。本著では、そのような場面がたくさんありました。僕も東京の文化に揉まれ、多くの刺激を得て、もっと自分に新しいニューロンを埋め込み

          普通 最果て

          考える月にします

           2024年も例年通りの早さで3月に突入しました。年始早々、石川県能登地方の地震で北陸各地で甚大な被害が発生しました。現在も11625人が避難生活を余儀なくされています。(令和6年能登半島地震による被害状況等について(令和6年2月28日14:00現在))  何か行動に移せねばと焦りますが、不安を抱えたまま現場に足を運んでも、かえって迷惑なると思われますので、3月は世の中に目を向けることにしました。  3月は東日本震災があった月です。それは2011年3月11日14時46分に起こ

          考える月にします

          また1日が始まる

           昨晩は眠れず、そして今朝は起きられませんでした。本当は東京見物にでもいこうかと思っていましたが、遅くに起きたため、その気力は消え失せてしまいました。なかなか蒲団から出られず、スマホで映画やアニメを観て、13時ごろ、ようやく起き上がりました。昨晩口から入れたものを今朝尻から出し、また新しいものを口に入れます。シャワーを浴び、それから大学へ本を読みに行きます。家では集中できないのと、買い物も兼ねまして。  途中のコンビニでお菓子を買い込んで、大学のフリースペースでずっと本を読

          また1日が始まる

          2024 目標

          はじめに もう2月が終わります。僕の隣の人は時の流れに敏感で、あれからもう1週間だとか、あそこに行ったのが1か月前とか、よく言っています。次会った時には、もう2月が終わると嘆くことでしょう。そんなに後ろばっかり見てどうするのかと思いますが、過去の出来事を省みるのが、今をよくする(結果的に悔いなく生きる)ことにつながるのは事実です。  今さらではありますが、2023年の反省と2024年の目標を書き示したいと思います。 反省と目標良いおこない  旅行にたくさん行きました。タイ

          旅行と荷物

           旅行と言えば、どこに行こうかしらと、前日の夜家で、飛行機や宿で考える時間は楽しいですが、僕はいかに少ない荷物で行けるかと考えて荷造りしているときが一番好きです。旅行中に試行錯誤した効果がでると一層幸せを感じます。  あと、僕は手に何かを持っているのがあまり好きではありません。なのでスーツケースや手提げは避けて、リュックを愛用しています。  タイに行ったとき、2週間ほど滞在しましたがリュックひとつでなんとか過ごせました。それから帰省もリュックひとつで、今後の旅行の参考にとい

          名古屋旅行・3・狭間

          寝るのが遅かったので当然、起きるのも少し遅かったですが、動き始めたころはちょうどいい時間帯でした。この日はとうとう最終日ですので、旅と現実とのハザマで皆の顔はやはり曇っていました。一方で空は快晴、またしても空は暑い日差しを容赦なく注ぐので、この苦しさは現実を暗示していると思わずにはいられませんでした。旅の途中で現実に苦しめられ、今思うとこれほど滑稽なものはありません。  苦しい苦しいといいながらも小倉トーストのモーニングを食しました。そこは小倉トースト元祖らしいですが、名前

          名古屋旅行・3・狭間

          名古屋旅行・2・非現実

          二日目(2023/06/18)  Aはいつになったらアラームで起きれるようになるのでしょうか。しかしこの日は僕が起きる時間よりも遅いときに鳴らしまくっていたので大して嫌な気持ちになりませんでした。7時に起きては身支度をして読書までして、8時に宿を出発するのですが、僕らにしては早すぎる行動にこの日の夕方には少しばかりうんざりするのでした。  朝食はカフェも兼ねているこの宿でとろうかと話していたけどモーニングはやっていないらしいと、諦めて名古屋城に向かいながら喫茶店を探すので

          名古屋旅行・2・非現実