マガジンのカバー画像

ワタリウマ ー遥かな水源を巡る旅ー 茨城編

11
運営しているクリエイター

#宝島

宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その4 しまめぐり〜

宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その4 しまめぐり〜

しばしの休息後、一行は海へ向かった。
地層がめくれたかのように
飛び込んでくる青の衝動。

イマキラ岳。山と海がひらけた景色。

荒木崎灯台へ。
牧場もあり、牛さんのお出迎え。

柵を開いて、灯台に続く道を歩く。
かなりの暑さなので、進む人待機する人、
二手にわかれる。

平家見張り所もある。
石碑は史実を語っている。

隆起した巨大な珊瑚。

灯台に着き、後ろを振りかえると、
壮大な見晴らしが広

もっとみる
宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その0 島のおためし〜

宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その0 島のおためし〜

2019年夏、宝島に渡る事が決まったのは、
あるメールのやりとりからだった。

相手は一家で宝島に移住し、
滞在型リトリートを開催するとのこと。
その期間予定があえば、
演奏してもらえないかとオファーの話が
持ち上がり、私は二つ返事で快諾した。

「宝島(たからじま)」。
ドラゴンボールの主題歌が脳内にこだまする。
「この世はでっかい宝島♪」。
アニメの世界でしか耳にしなかった名前の島が、

もっとみる
宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その1 見送るリュウゼツラン〜

宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その1 見送るリュウゼツラン〜

フェリー乗り場に着くと、
巨大な一隻のフェリー、
「フェリーとしま2」が停泊していた。

鹿児島港 23時発、
宝島着は、なんと翌昼の11時40分着予定。およそ12時間に及ぶ船旅が
始まろうとしている。

近くのコンビニで食料と水分をそろえ、
準備万全で港に戻る途中、
ふと水場に目をやると
リュウゼツランの株があらわれる。

テキーラやアガペシロップの原料にもなる植物の株だ。(リュウゼツラン

もっとみる
宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その2 しまわたり〜

宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その2 しまわたり〜

フェリーの中。
もう夜も遅い時間なのと、
揺れに耐えられず、
横になるしかない。

暗い海の上で、
平行感覚を失った身体は、
抗うことも許されずにかき混ぜられる。

目を閉じ、聞こえてくる
エンジン音を頼りにするも、
思念思考は、溶かされ、
どろどろに無形化する。
これも島々を渡るための身体儀礼で、
必要な準備なのだ。
と目を閉じたまぶたの暗闇で
言い聞かせてみる。

フェリーは
トカラ列

もっとみる
宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その5 島泳ぎ〜

宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その5 島泳ぎ〜

翌朝はイマキラ岳の展望台にドライブへ。
想像以上に山道の起伏があり、台風になると木が倒れ、通行止めになる。停電時は住民が力を合わせて復旧にあたるそうだ。

宝島の人口は133人(2015年時)。
周囲わずか13.77kmの離島で、
食料品やお土産が買える小さな商店、
郵便局、学校もある。
物資はフェリーで運搬され、
およそ1週間以上欠航になった事もあるらしい。キャプテン・キッドが財宝を隠したと

もっとみる
宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その6 海釣り〜

宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その6 海釣り〜

海釣りに同行させてもらった。
何しろ初心者なので、手とり足とり教えを受ける。

魚の餌をつけた竿を片手に、もう片方の手にはクーラーボックス。足に波飛沫を浴びながら、
見定められた場所までごつごつした岩肌を歩く。

後ろを振り返れば、雄大なイマキラ岳だ。

岩間の深い溝に向かって釣り糸をたらし、
見よう見真似で釣竿を動かしながら、
獲物が食いつくのを待つ。
正面には小宝島が見える。

魚の反応がなか

もっとみる
宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その7 赤逢黒逢(アコウクロウ)〜

宝島に行ってきた。ワタリウマ旅記 宝島編 〜その7 赤逢黒逢(アコウクロウ)〜

2日目の夕方。
海での演奏会をしようと一同はあの海辺へと向かった。

浜辺に着くと親子がいた。宝島で島バナナを栽培している方で、すれ違って会釈をした方だ。その時、相手は大きなユンボに乗っていたので遠かったが、海辺ではじめて正面で言葉を交わした。

島の人の瞳は浅黄色で、吸いこまれるようだった。海の色でもあり、森の色、両方が合わさった宇宙の色でもあった。

島のまなざしに見守られながら、
ディジュリ

もっとみる