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「Alvin Schwartz(アルビン・シュワルツ):禁書扱いまでされた怖すぎる児童書」~英語多読のための読書ガイド [児童書]~

英語学習誌『多聴多読マガジン』連載記事「多読のための読書ガイド」からのスピンアウト! 多読のプロたちによるおすすめの良書(英語の本)を紹介するコーナーです。



児童書編 ~2024年10月号~

執筆:小林 裕子 (桜蔭学園講師・SEG(エデュカ)多読講師)

Alvin Schwartz:禁書扱いまでされた怖すぎる児童書

今月はAlvin Schwartzの作品を紹介します。

彼はアメリカの児童書作家で、言葉遊び、ユーモアたっぷりのお話、昔からの言い伝えをもとにした民話などをたくさん書いています。

LR(I Can Readシリーズ)にもIn a Dark, Dark Room and Other Scary StoriesやGhosts!など彼の作品があります。

有名なのはScary Stories to Tell in the Darkシリーズです。

3冊全82話からなり、各話は短くも恐怖を濃縮した内容で、中毒性があります。

残虐でグロテスクな話は多種多様で、全米図書館協会から禁書扱いされるほどです。

しかし40年以上経っても人気は衰えず、2019年には映画化もされました。

#1の巻末には、幽霊の存在理由や対処法も書かれています。

挿絵はStephen GammellやBrett Helquist(『世にも不幸なできごと』のイラストレーター)で、大人でも恐ろしいイラストです。

庭で見つけた足の親指をシチューにする話や、案山子のハロルドに追いかけられる話など、印象的な話が多数。

各巻末には出典や引用文献も詳しく記載されています。

秋の夜長に友人や家族とともに声を出して読むのに最適。

随所に読み方の注意(例えば”Now SCREAM!”)まで入っているので実演してください。

(1)『Scary Stories to Tell in the Dark』(#1)

YL 2.5-3.5
著者 Alvin Schwartz
出版社 HarperCollins Publishers
総語数 8,941 語

“The Deadman’s Brains”より。
ハロウィンゲーム。暗い部屋に車座になり、各プレイヤーが順に死体の一部に触れます。

脳みそ(つぶれたトマト)、眼(皮をむいたブドウ)、耳(乾燥アンズ)、髪(トウモロコシのひげや濡れた毛糸)、心臓(生のレバー)、血(薄めたケチャップ)、それらを食べる虫(茹でたスパゲッティ)……。

恐怖から叫んだらアウト。ぜひ最後までやりきってください。


(2)『More Scary Stories to Tell in the Dark』(#2)

YL 2.5-3.5
著者 Alvin Schwartz
出版社 HarperCollins Publishers
総語数 9,997 語

“A Ghost in the Mirror”より。や

幽霊を呼び出すゲーム。
静かな洗面所で、戸を閉めて電気を消し、鏡に映る自分たちの顔を見つめながら幽霊の名を47回あるいは100回唱えます。

どの幽霊でもよければ“any ghost”と言います。

幽霊が現れて万一襲ってくる場合は即座に電気をつけてゲームを終わらせます。やってみたくなりましたか? 

ぜひほかのお話も楽しんで(怖がって)ください。


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