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[英語]多読のための読書ガイド

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どんな洋書を選んでいいかわからない人のために! 英語学習雑誌『多聴多読マガジン』の連載コーナー「多読のための読書ガイド」の記事をスピンアウト掲載。 英語多読に精通したプロたちによ… もっと読む
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記事一覧

「イースターってなに?」~英語多読のための読書ガイド [絵本]~

絵本編 ~2024年04月号~執筆:柴田 里実 (金城学院大学准教授) イースターってなに?春はキリスト教で最も重要な「復活祭(イースター)」があります。 暦によって毎年、日付が異なり、さらに、西方教会か東方教会かによっても異なります。 今年は、3月31日、または5月5日。 「復活祭」をテーマにした絵本は数多く出版されています。 多読の魅力のひとつは、楽しみながら知識も身につけられることです。 絵本を楽しみながら、イースターについて学び、イースターを感じてみては

「世界のミステリースポット」~英語多読のための読書ガイド [ノンフィクション]~

ノンフィクション編 ~2024年04月号~執筆:伊藤 晶子 (日本多読学会会員・公認会計士) 世界のミステリースポット今回は、読んでわくわくする世界のミステリースポットについての本を2冊ご紹介します。 どちらも出版社ペンギン・ランダムハウスの子ども向けノンフィクションシリーズの本です。 このシリーズは、Who Was/Is?という伝記シリーズから始まり、What Is?という歴史上の事件シリーズ、Where Is?という世界の有名な場所を紹介するシリーズ等どんどん拡大

「ドラゴンの面倒を見てみよう!」~英語多読のための読書ガイド [ファンタジー]~

ファンタジー編 ~2024年04月号~執筆:石黒 恵介 (会社員) ドラゴンの面倒を見てみよう!今回はドラゴンにまつわるトラブルが巻き起こるシリーズをご紹介します。 「Naughty Dragons」シリーズでは、Ward一家が里親となり幼いドラゴン2匹を預かります。 本作のドラゴンは知能が高く人語を理解し言葉も話します。 ただし、相当にやんちゃ(naughty)です。 目を離した隙に次々とトラブルを引き起こします。 くしゃみ代わりに火の玉を吹くのは許せるとして

「文学的ミステリー A Vintage Shortのすすめ」~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~

ミステリー編 ~2024年04月号~執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ) 文学的ミステリー A Vintage ShortのすすめA Vintage Shortは、電子書籍限定の短編作品のシリーズ。 ポーなどの古典作品から現代作家の作品まで、様々な作品を読むことができます。 今回はこのシリーズから文学の香りが漂うミステリーを二編ご紹介します。 一作目はイアン・マキューアンの『My Purple Scented Novel』。 イギリス文学界の大

「Cynthia Rylant : 始まりの季節に」~英語多読のための読書ガイド [児童書]~

児童書編 ~2024年04月号~執筆:小林 裕子 (桜蔭学園講師・SEG(エデュカ)多読講師) Cynthia Rylant : 始まりの季節に今号から新しく担当いたします。 今年度は作家別におすすめの作品を紹介していきます。 日本の4月は厚いコートを脱いで外に出かけたくなる、始まりの季節ですね。 そんな季節にぴったりの、心が洗われるお話を数多く書いているシンシア・ライラントから始めましょう。 ライラントは1954年、アメリカのヴァージニア生まれ、Missing

「気楽に読める短編集 NHK Simple English Readers」~英語多読のための読書ガイド [多読用リーダー]~

GR/LR編 ~2024年04月号~執筆:古川昭夫(SEG英語多読教室主宰) 気楽に読める短編集 NHK Simple English ReadersNHK Simple English Readers は、NHKラジオの英語語学番組『Enjoy Simple English』で放送されたテキストを元に構成された多読シリーズです。 1回5分のラジオドラマが元なので、5分程度で読める1編500語程度のストーリーが収録された短編集となっており、非常に読みやすい学習用リーダー

「今年は多読! 今年も多読!」~英語多読のための読書ガイド [絵本]~

絵本編 ~2024年02月号~執筆:柴田 里実 (金城学院大学准教授) 今年は多読! 今年も多読!2024年は、どんな年にしたいですか。今年こそは多読を始めようと思っていらっしゃる方も、ちょっと忙しくて本が読めていなかった方も、みんなで多読を楽しみたいですね! 一冊でも、二冊でも、宝探しのように、素敵な本に出合えることを願って、お気に入りの本を探してみてはいかがでしょうか。 2月は、National Library Lovers Month。 2月14日はLibra

「みんなのマリオ!」~英語多読のための読書ガイド [ノンフィクション]~

ノンフィクション編 ~2024年02月号~執筆:伊藤 晶子 (日本多読学会会員・公認会計士) みんなのマリオ!今回は、日本の代表的なグローバル企業である任天堂を紹介する本と、任天堂躍進の原動力となったゲーム「マリオ」シリーズの生みの親であるゲームデザイナーの宮本茂氏の伝記を取り上げます。 まず、1冊目は『What Is Nintendo?』。 子ども向けノンフィクションシリーズの1冊です。 任天堂は1889年創業時は花札の製造をしていました。 3代目社長がゲーム機

「不思議な生き物との出会い」~英語多読のための読書ガイド [ファンタジー]~

ファンタジー編 ~2024年02月号~執筆:石黒 恵介 (会社員) 不思議な生き物との出会い今回は架空の生物に焦点を当てた2シリーズを紹介します。 「The Fabled Stables」シリーズでは、この世でふたつといない(one-of-a-kind)不思議な生き物たちが登場します。 主人公Auggieが世話役として働いているStable(厩舎)には、時に遠く離れた場所に繋がるポータルが現れ、彼を冒険へといざないます。 各巻、盗賊団Rooksの魔の手から生き物を救

「子どもが主役のミステリー」~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~

ミステリー編 ~2024年02月号~執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ) 子どもが主役のミステリーこのコラムを読んでいる人の中には、子ども時代、自分と同じ年頃の子どもたちが謎を解くジュブナイル・ミステリーを心を躍らせながら読んだという人も多いのではないでしょうか。 今回紹介するのは子どもが主役のミステリーです。 一冊目は『The Mean Girl Who Never Speaks』。 「こども警察」に所属し事件の解決にあたるミアは、「意地悪な子

「災害を生き延びろ! “I Survived...”シリーズ」~英語多読のための読書ガイド [児童書]~

児童書編 ~2024年02月号~執筆:黛 道子(元日本保健医療大学教授) 災害を生き延びろ! “I Survived...”シリーズ今年度も引き続き、chapter books*をご紹介しています。 今回、ご紹介するのは、“I Survived...”という実際に起こった災害を背景に描かれたシリーズです。 歴史を振り返ってみると、地震、嵐、干ばつなどの天災や、戦争、事故、テロなどの人災に見舞われ、人類は何度も危機に立たされてきました。 その衝撃の大きさのため、人々の

「美術を学べる英語リーダー、Classic Art Readers」~英語多読のための読書ガイド [多読用リーダー]~

GR/LR編 ~2024年02月号~執筆:古川昭夫(SEG英語多読教室主宰) 美術を学べるGR、Classic Art ReadersClassic Art Readersは、韓国の語学専門出版社Seed Learningが発行する英語学習者用のGraded Readers(GR)です。 Level 1(使用語彙750語レベル、総語数600語程度)から、Level 4(使用語彙1,500語レベル、総語数900語程度)まで、4段階に分かれています。 レオナルド・ダ・ヴィ

「2023年は『パンどろぼう』」~英語多読のための読書ガイド [絵本]~

絵本編 ~2023年12月号~執筆:柴田 里実 (金城学院大学准教授) 2023年は『パンどろぼう』 師走となり、この1年を絵本の視点で振り返ると、2023年は『パンどろぼう』(柴田ケイコ作)の快進撃が思い出されます。 2020年に1作目が出版されてから、様々な賞を受賞し、今年はさらに5作目も出版され累計250万部(2023年9月時点)も売り上げたようです。 英語で翻訳される日も近いのかもしれませんね。 まだ読んでいらっしゃらない方は、2023年の締めくくりに、ぜひ

「Equalityについて考える」~英語多読のための読書ガイド [ノンフィクション]~

ノンフィクション編 ~2023年12月号~執筆:伊藤 晶子 (日本多読学会会員・公認会計士) Equalityについて考える今回は、カナダの子ども用ノンフィクションシリーズ Engaging Readers から、Equality(平等)について考える本2冊を紹介します。 1冊目は、What Is Ableism?です。 Ableism(エイブリズム)とは、障がい者に対する差別や偏見のことです。 日本語では「非障がい者優先主義」とも訳され、障がい者は「治す」必要がある