「子どもが主役のミステリー」~英語多読のための読書ガイド [ミステリー]~
ミステリー編 ~2024年02月号~
執筆:河出 真美 (梅田 蔦屋書店 洋書コンシェルジュ)
子どもが主役のミステリー
このコラムを読んでいる人の中には、子ども時代、自分と同じ年頃の子どもたちが謎を解くジュブナイル・ミステリーを心を躍らせながら読んだという人も多いのではないでしょうか。
今回紹介するのは子どもが主役のミステリーです。
一冊目は『The Mean Girl Who Never Speaks』。
「こども警察」に所属し事件の解決にあたるミアは、「意地悪な子なのではないか」という疑いをかけられた転校生のリビーを調べることになります。
事件解決の報酬が好物のぶどうだったり、顔も知らない他のメンバーとトイレでやりとりしたり、「こども警察」が警察というよりスパイ組織のようで面白い。
二冊目は『Encyclopedia Brown Double Mystery』。
あまりにもたくさんのことを知っているため “Encyclopedia”=「百科事典」と呼ばれている少年探偵が、いろいろな事件を解決します。
作者が「2分間ミステリ」のドナルド・J・ソボルなだけあって、一話がごく短く、シンプルで読みやすい。
英語も読みやすく楽しいこの二冊、子どものころに戻った気分で手に取ってみませんか。
(1)『The Mean Girl Who Never Speaks』 (Detective Mya Dove #1)
シリーズは5巻まで刊行されている。
第1巻である本書は86ページという読みやすいボリュームだが、100ページ、200ページ超えの本もあり、5巻は最長の359ページ。
長編に手を出すなら最初はこれくらいの読みやすさの本を選ぶのがおすすめである。
子どもの本によくあるが、本書も章立てが細かく、17章に分かれているので、一章ずつ読んでいくと挫折しにくい。
(2)『Encyclopedia Brown Double Mystery #1』(Featured mysteries from Encyclopedia Brown, Boy Detective)
Encyclopedia Brownシリーズは第1巻が1963年に刊行後、2012年に最終巻が刊行されるまで、息の長い人気を誇った。
今回紹介したのは一冊に二話収録されているバージョン。
問題編と解決編が別々になっているので、問題編を読んだ後で一度本を閉じて謎解きにチャレンジしてみるのも楽しい。
「少年たんていブラウン」のタイトルで邦訳もある。偕成社刊。
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