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【私鉄知名度No.1】小田急電鉄株式会社

今回は、関東の大手私鉄「小田急電鉄」をリサーチしました。
小田急は、専門メディアによる調査では全国の私鉄の中で知名度No.1を獲得している有名な路線です。

大手私鉄の中で、もっとも知名度が高いのは「小田急」(83.9%)となった。

鉄道トレンド総研「大手私鉄の知名度調査」

話題となったフジテレビのドラマ「silent」でも沿線が舞台になるなど、全国区の知名度を獲得しています。
いつかロマンスカーに乗ってみたい!
それでは、さっそく見ていきましょう〜


①概要

小田急電鉄は、1946年に設立され、東京・新宿を起点に神奈川方面に展開する鉄道会社です。
路線は、
①箱根の玄関口である小田原までを結ぶ「小田原線」、
②湘南エリアに至る「江ノ島線」、
③多摩ニュータウンに至る「多摩線」
の3路線あります。

小田急電鉄の営業路線図
小田原って思ったより海沿いの街なんですね

基本データ

総営業距離:120.5km(他社線乗り入れ区間85.1kmを別に有する)
駅数:70駅
年間輸送人数(2022年度):6.4億人
1日あたりの利用者数(2022年度):約178万人
最も利用者の多い駅(2022年度):新宿駅 約41万人/日
最も利用者が少ない駅(2022年度):南新宿駅 約3600人/日

②小田急電鉄の特徴

小田急線の顔といえばロマンスカー。
初代ロマンスカーが1957年に登場して以来、都心と行楽地を結ぶ特急として愛されています。
現在は5種類の車両が運用されているそうです。
ちなみに、「ロマンスカー」の名称は小田急電鉄の登録商標らしいです。

ロマンスカー
いつかは乗ってみたい

また、観光路線+通勤路線が共存しています。
都心の新宿から、小田原を経由して箱根へ行くルートや、藤沢・江ノ島へ至るルートがあり、日常使いとしても観光地への足としても利用することができます。

③小田急電鉄の立ち位置

国土交通省の区分では、日本全国に大手私鉄が16業者存在します。
その中で小田急電鉄はどういった立ち位置なのでしょうか。

営業距離

120.5kmの営業路線を持つ小田急電鉄ですが、私鉄の中では9番目の位置づけです。意外と低い順位のように見えますが、他も概ね100〜200kmほどの営業距離なので、目立って短いわけではなさそう。

営業距離では第9位
16社の中央値が132kmなのでちょうど真ん中くらい

輸送人数

では輸送人数ではどうでしょう。
下記のグラフを見てみると、人口の多い首都圏を走る路線が上位を占め、そのうち小田急電鉄も4位にランクインしています。
営業距離は特に長いわけではないものの、東京と神奈川という大都市を結ぶ路線として、かなりの輸送人数を数えています。

輸送人数では第4位
首都圏強し

④小田急電鉄の業績

私鉄の中でも大きな規模を持つ小田急電鉄。
業績の方はどうなのでしょうか。
最新の2024年3月期 第2四半期決算短信を見ていきます。

直近の決算

利益の伸びがすごい

営業利益:本業で稼いだ利益
経常利益:営業利益+本業以外の損益の合計
純利益:税金などを引いたあとの最終的な利益

直近の決算では、売上高と各種利益の伸びが目立ちます。
要因として同社は、コロナ禍が終わり、通勤・観光両軸での需要が戻ってきたことで、鉄道及び参加のホテル事業が回復してきたとしています。
今後も海外からの観光客の需要増も見込まれ、さらなる業績の向上が期待されます。

貸借対照表(B/S)

続いて貸借対照表を見てみましょう。
貸借対照表(バランスシート=B/S)は、その会社が持つ資産を可視化したものです。
左側が資産、右側が負債で、資産から負債を引いたものが純資産になります。
ざっくりまとめると
流動資産:現金にしやすい資産(現金・受取手形など)
固定資産:現金にしにくい資産(土地・建物など)
流動負債:1年以内に返済が必要な負債(短期借入金・引当金など)
固定負債:1年以内に返さなくても良い負債(長期借入金・社債など)
自己資本比率:総資本のうち自己資本が占める割合。高ければ高いほど健全。

そしてこちらが小田急電鉄の貸借対照表です。

自作の貸借対照表
シロウト感はご容赦を

特徴的なのは固定資産がとても多いこと。
鉄道会社なので、線路や駅といった設備、土地、建物が占める割合が多いと推測できます。

また、自己資本比率も3割を超えており、財務状態は健全だと言えるでしょう。

一方、流動負債が流動資産よりも大きいです。
1年以内に返す負債のほうが、手元にある現金にしやすい資産よりも多いということですが、業績は好調なので特に気にする必要はないと思われます。

損益計算書(P/L)

続いて損益計算書です。
損益計算書(P/L)は、その会社がどう稼いで、何にお金を使ったのかを可視化したものになります。
ざっくりまとめると
売上高:本業で稼いだ収益
売上原価:売上を上げるために直接かかった費用
販管費:売上原価以外で、商品の販売や管理にかかった費用(広告費や賃料など)
営業利益:本業で稼いだ利益
営業利益率:売上高のうち営業利益が占める割合。高ければ高いほど効率よく稼いでいる。

そしてこちらが小田急電鉄の損益計算書です。

シロウト感…

注目ポイントは営業利益率が13.5%で、10%を超える企業は優良企業だと言われますのでとても良い数値だと思います。
四半期で1900億円も売り上げているのですね…

株価の動向

最後に、直近5年間の同社の株価推移です。

Google Financeより

2021年から2022年にかけて大きく下落した株価ですが、2023年に入ると回復傾向にあります。2023年初来では28%の上昇となっていて、日本株全般が好調な中、波に乗ってきた印象です。
観光需要の回復から通期見通しを上方修正したのは先述のとおりですが、今後の株価がどうなっていくのか注目したいと思います。

⑤まとめ

以上、小田急電鉄についてリサーチした結果、
・観光路線と通勤路線が共存している特徴がある
・大手私鉄で第4位の輸送人数を誇る
・足元の業績は絶好調で財務状況も良い
・株価はコロナ禍以降下落したものの足元では回復基調

でした。

今後も個人的に気になった企業についてどんどんリサーチしていこうと思います。

参考資料

『鉄道まるわかり002 小田急電鉄のすべて改訂版』 「旅と鉄道」編集部

大手民鉄の素顔 大手民鉄鉄道事業データブック 2023 https://www.mintetsu.or.jp/activity/databook/pdf/23databook_full.pdf

小田急電鉄公式サイト
https://www.odakyu.jp/company/railroad/about/
https://www.odakyu.jp/company/railroad/users/
 
https://www.odakyu.jp/romancecar/ 
https://www.odakyu.jp/ir/financial/ 

小田急トラベル公式サイト
https://www.odakyu-travel.co.jp/special/oer/roma_5_01.html

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