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客が客扱いされないお店

カレー好きの知人に聞いてみた。

「会員制カレー屋さんの6curryって知ってます?」

すぐ返事が返ってきた。

「もちろん会員ですよ。」

そうして一時帰国中の12月初旬、渋谷で知人と待ち合わせをして、一緒に6curryへ。(会員と一緒なら1名までゲスト入店できる)

住所は公開されていないので、知人について行くしかない。
繁華街を過ぎ、だんだん落ち着いた街並みになっていく。

すると、一箇所だけボヤッと灯りが漏れている場所が。
おお、全然目立たないけど、外から店内を見ると、オシャレな雰囲気が伝わってくる。

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店内の雰囲気はこんな感じ(6curryさんのnoteよりお借りしました)

夜だったのでもっと橙色の落ち着いた雰囲気でしたが、レイアウトはほぼこうでした。

ドアを開けると、平日の夜なのに人がたくさん(しかもその後もどんどん増えていく)。

そして、お店の熱気ではなく、人からの熱量でお店が熱かった。まるで音楽フェスのように盛り上がっていた。

至る所で、この人たち知り合いじゃないだろう、といった人たちが一つの輪をつくって和気藹々と喋っている。(私たちもこの後、カウンターでカレー食べているときに、隣に座ったカップルと当たり前のように喋った)

私たちは店員さんに声をかけて、注文も店員さんにお願いしたけれど、店員さんが忙しい時は、常連さんが厨房に入って注文システムの説明してあげたりしていた。生ビールもみんな自分で注いでる。

どれが店員さんで、どれがお客さんか、もはや一見さんには区別がつかない。

しかも知人の解説によると、店員さん自体も、6curryのお手伝いをしているうちに、社員になってしまった人とか。わお。

ちなみに、大半の飲み物は自分で冷蔵庫から取り出して、自分で栓を抜いて飲む。そして、伝票も自分で付ける。

これ、いくらでも誤魔化せるけど、そこは性善説が成立している空間なんだな。ズルしたら誰かが損するとかじゃなくて、みんなで運営しているお店だから、お店にとって困ることは自分も困る。お客さんもそういう意思で集まっている感じ。

そしてしばらくすると、店長さんが大声で喋り始めた。

「本日は初めての方も多いと思います。6curryはカレー屋ではなく、場所です。気のいい仲間がたくさん集まることで混ざり合う「場所」で、たまたまカレーを出しています。

混ざり合うというのがテーマではありますが、カレーともっとも相性良く混ざり合うものは何か?

それはもちろんゴハンです。

ということで、本日は『おむすびANDON』のオーナーが来てくれています。」

一語一句、全然合っていないけれど、だいたいこんなこと言っていた気がする。そして、ANDONのオーナーのプレゼン大会が始まる。

「ぉぉぉおおおおおお!!」

異常に盛り上がる店内。これはこの空気に飲まれた方が絶対楽しいやつだ。

プレゼンのスライドがめくられるたびに歓喜を上げ、拍手し、ボケに対して一緒に大笑いする。なんだこの空間は。

「会員制レストラン」も、「クラウドファンディング」によるお店作り自体も、「サブスクモデル」もそこまで珍しいわけではない。

でも、多くの人が大好きで奥が深い「カレー」を軸に人が集まり、でもカレーを目的に集まるわけではない。

結果論から見ると、「こういう仕組みか〜」とか言えそうだけど、何をどの順番で、どのように仲間のモチベーションや絆を作りながら、この状態に持ってくるか。一つ歯車が狂えばこうはいかない気がする。コミュニティづくりの理想形だと思った。

そう言えば、キングコングの西野氏も「天才万博はみんなでつくる。共創すれば、仲間はみんな自分ゴトで参加する。だから熱量が違う」という話をしていたことがあった。

でも問題は、その自分ゴトになるまでの巻き込み方。「こいつの企みに乗ったら絶対おもしろいことがおきるぞ」そういうワクワク感を醸成して、結果を出していく事が難しいんだと思う。

2018〜2019年はサロンがとても流行った印象だけれど、構造としては「主催者」がいて「参加する人」がいる、という学校の先生と生徒のような仕組みが多い。熱量のあるサロンはどれだけあっただろうか。

人がある程度集まった段階で、主催者が複数のプロジェクトを立ち上げたり、参加者からもプロジェクトを立ち上げる人がだんだん出て来て、うまく混ざり合っているものもあるけれど、果たして主催者が抜けたらそのサロンは成り立ち続けるだろうか。6curryはその点では、成り立つと感じさせるものがあった。

6curryの理念については、こちらに詳しく書いてありました。

勉強になる...φ(゚ー゚*)フムフム

海外に移住して3ヶ月ちょっと。海外生活での課題も、孤独も、色々と目の当たりにして、やっぱりもっと横のつながりがあるといいのにな、と感じることは多い。

2020年は、「海外移住組」なのか「フリーランス・複業系」なのかまだわからないけれど、ただ情報共有や、教えを求める合理的な集まりなだけではなく、参加する人が能動的に「場所の熱量」、「精神的な熱量」を高め合うような仲間コミュニティを作れたらいいな、とか夢見た。

シアトルはまだ30日ですが、日本はもう大晦日。
みなさま、2019年おつかれさまでした。来年はオリンピックもあって日本に外国人増えて、国の熱量が上がります。せっかくの機会なので、その盛り上がりに飛び込んで、楽しみたいですね!!

来年もよろしくお願いしますm(_ _)m

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