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日記(エッセイ)

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2024年自費出版で本を出すことを目標に日記(エッセイ)で日常の出来事を綴ります。なるべくなんでもない日常が良かったのであえて中途半端な日付からスタートしました。
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#銭湯

なくしちゃいけないもの(12月19日)

なくしちゃいけないもの(12月19日)

銭湯の話は基本的に尽きることがない。そのくらい番頭に座っているといろんなことが日々目まぐるしく起こる。最近「あら、なんかちょっと痩せたんじゃないの?」と常連さん何人かから言われた。頬の辺りがシュッっとしたらしい。人の見た目はそんな急に変わらない。1ヶ月ぶりに会ったなら分かるが、ほぼ毎日のように会っているはずである。こちらも特に痩せようとは思っていないので気にしなかったのだが、その夜ふと体重計に乗る

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ピンク色の髪をした番頭(12月18日)

ピンク色の髪をした番頭(12月18日)

銭湯の仕事の合間を見て、髪を切りに出かけた。去年の春、桜の花が咲き始める頃人生で初めて髪を染めた。真っピンク色に。生まれて25年茶髪にすらしたことがなかったし、する意味も特に感じなかった。でもふとした時にそんな自分がつまらなく感じた。染める意味がないのと同じくらい黒である意味もないと思った。だから誰にも何も言わずにいつも通り美容院に行き、その時に「桜色みたいなピンクにしてください。」と言った。他人

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銭湯映画を観ながら番頭(12月13日)

銭湯映画を観ながら番頭(12月13日)

番頭をしながらある映画をみた。「わたしは光をにぎっている」。銭湯が舞台になっている。番頭しながら銭湯映画なんてこれほどまでに乙なことがあろうか。なんという贅沢。銭湯で働き始めてから銭湯がなんらかの形で関わってくる作品の数の多さに驚いた。次から次へと新しい作品が発表される。すべて把握できているわけではないのだが、この映画は「映画好き」と「銭湯好き」、僕なりにその両側面から見てとても好きな映画だった。

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銭湯暮らしもうすぐ4年目の日記(12月12日)

銭湯暮らしもうすぐ4年目の日記(12月12日)

朝9時半起床。いつもと変わらない日常の始まり。僕にとっての当たり前。
それはあなたの日常とはきっと違っていて、人の数だけ日常が存在する。

朝起きて、まずトイレに向かう人。歯を磨く人。カーテンを開けて換気をする人。朝ごはんを食べる人。食べない人。コーヒーを淹れる時間があるほど優雅な朝を過ごせる人。1秒でも多くの睡眠時間を優先する人。他にも奇天烈な朝を過ごしている人はごまんといるはずなのにそれを想像

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