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コーダについて知ろう

◎コーダとは? (簡易版)

聞こえない親をもつ聞こえる子どものことです。
片方の親が聞こえる人(聴者) の場合でも当てはまります。
コーダ (CODA : Children of Deaf Adultsの略)

聞こえない親とコーダのコミュニケーション手段は手話や口話(またはその併用)など家庭によって様々です。

そのためコーダ自身のコミュニケーション手段も多様であり、必ずしも「手話が出来る」とは限りません。

コーダは音声言語と手話言語、聴文化とろう文化という、二つの言語(バイリンガル)と二つの文化(バイカルチャー)を行き来しながら成長していきます。

時には社会に対するカルチャーショック、誤解、プレッシャーなどに対峙しなくてはならない場面があります。(▶「コーダによくみられる行動と気持ち」後日掲載予定)

◎コーダとは? (詳細版)

聞こえない親をもつ聞こえる子どものことです。
片方の親が聞こえる人(聴者) の場合でも当てはまります。
コーダ (CODA : Children of Deaf Adultsの略)

「コーダ(CODA)」という言葉が最初に作られたのは、1983年のアメリカです。

聞こえない両親を持つアメリカ人コーダ、ミリー・ブラザー(Millie Brother)が作ったニュースレターをきっかけに、まずはアメリカ、そして次第に英語圏で、コーダの集まりが開かれるようになっていきました。

日本では、「コーダ」という概念は、1995年前後に「ろう文化」の考え方と共に紹介されました。そのため、「コーダ」は、手話が堪能で「ろう文化」を受け継いでいるという、バイリンガル的なイメージが強くなりました。

しかし、

「コーダ」というのは、あくまでも「聞こえない親を持つ聞こえる子ども」を意味していて、手話が上手かどうかは問われません

また、「コーダ」という言葉が日本に紹介された当初は、聞こえない親から生まれた聞こえない子も「コーダ」に含まれるのではないかと捉えられたこともありました。

現在では、聞こえない親を持つ聞こえない人は「デフファミリー」という言葉を使い、「コーダ」は聞こえない親を持つ聞こえる人だけを指しています。

1994年にアメリカで出版された『聞こえない親をもつ聞こえる子どもたち(Mother Father Deaf)』という本では、聞こえない人の90%は聞こえる人から生まれ、聞こえない人から生まれる子どもの90%は聞こえるコーダであると記されています(Preston 1994) 。

聞こえない人の中でも、手話をコミュニケーションの中心として使っている人を「ろう者」と呼びます。

「ろう者」は、日本語とは異なる言語体系を持つ手話言語を用い、手話と視覚に基づく生活様式(ろう文化)を身につけ、社会におけるマイノリティ(少数派)として生活しています。

「ろう者」の親の下で育つコーダは、手話言語と音声言語、ろう文化と聴文化(聞こえる人の生活様式)という、二つの言語と文化にふれることになります。(▶「コーダによくみられる行動と気持ち」後日掲載予定)

コーダは、小学生ぐらいになると聞こえない人に対する世間の見方や接し方にショックを受け、「親を守らなくては」と身構えてしまうこともあります。そのため、年齢にそぐわない責任やケアを担うコーダが多くみられます。(▶コーダの心境 詳細へ)

◎だから私たちは…

コーダ子育て支援では、コーダたちが年齢相応の子どもとして育つように、聞こえない親向けの子育て相談、情報交換の場の提供、ワークショップ、講演会などの活動を行っています。

聞こえない親たちには、お世話になる方に ▶親の聞こえについて(後日掲載予定)と ▶コミュニケーション方法や情報保障(後日掲載予定)について知っていただくためには、どうしたらいいか、その方法を伝えています。

そして、コーダたちが経験する誤解やプレッシャーを少なくしていくために、コーダとその親についての正しい知識を伝え、理解を広めるために啓発活動を行っています。(▶私たちの活動について 詳細へ)


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