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ちょこっとコラム★ ~なぜイベントを開催するのか~

みなさん、「コーダ子育て」を知っていますか。
~なぜイベントを開催するのか~ その経緯をお伝えします。


▶ 子育ては十人十色。 コーダ子育ての場合は?

「コーダ子育て」は
「ろう者&ろう者」「ろう者&難聴者」「難聴者&難聴者」「ろう者&聴者」「難聴者&聴者」というパートナー間に聞こえる子どもが生まれてから始まります。 

※コーダは聞こえない親をもつ聞こえる子どものことです。 片方の親が聞こえる人(聴者)の場合でも当てはまります。
(▶「コーダとは?」を参照)

子育ては子どもが生まれた瞬間から始まりますが、聞こえない親が聞こえる子どもを育てる場合、聞こえる人以上に苦労することが多いという話を聞きます。

聞こえない妻または夫のライフスタイルや聞こえる子どもと接する時間、ご自身の育った環境によって、悩みが大きく異なります。

▶ 地元の子育てサロンは利用しづらい・・ なぜか?

現在の社会は、「コーダ子育て」に関する情報がとても少ないです。
聞こえない親は、情報が少ない中で手探りしながら子育てをしています。

また、コーダに関わる学校関係者や聞こえる親御さんたちに、「コーダについて」を理解してもらうために繰り返し同じ説明をするという苦労も抱えています。

“ 地元に子育てサロンがあるから、相談できるのでは? “と思われるかもしれません。
聞こえる子どもを育てる「聞こえる親」と、聞こえる子どもを育てる「聞こえない親」とでは育児方法が違うため、子育てサロンに行ってもどのように相談すれば伝わるだろうかと悩んでしまい、相談をするという一歩が踏み出せないことが多いです。

▶ 聞こえる親御さんたちや行政関係者に話をしても理解してもらえない苦しみと孤独

聞こえない親は、赤ちゃんの泣き声に気づく方法は? 赤ちゃんのときから手話で話しかけた方が良いのか?など、聞こえる親にはない悩みを抱えながら、なんとか工夫をして日々子育てをしています。
このような、聞こえない親としての苦労を理解してもらいたいと思ってはいても、中々理解はしてもらえません。

コーダのことを知らない、または、理解していない人にコーダ子育ての悩みを話しても「へえ、そうなんだ…。 大変だね。 頑張って。」と言われてしまいます。 そんな時、自分は違う世界にいるかのような気持ちになり落ち込んでしまいます。 話をしても中々理解してもらえず、もどかしい悩みが徐々に積もっていくようになります。

相談したいけど、期待できないかも…とやるせない気持ちを抱きながら明るく振る舞い、子育てサロンに通うけれど、通えば通うほど苦しくなっていく… そして、しまいには子育てサロン通いをやめてしまう聞こえない親が多くいらっしゃいます。 

子育てサロン通いをやめ、孤立した中での「孤育て」となってしまうことで自分を責めてしまう親御さん、その親御さんの元で育つコーダ。 親子ともども心身に悪影響が出てしまう心配があります。

「孤育て」となってしまうのは、コーダ子育て情報を探してもなかなか見つからない、周囲の理解が追いついていないということが原因であって、その聞こえない親御さんのせいではありません。 聞こえない人には聞こえない人の生活様式(ろう文化)があり、子育ての方法も異なるため、聞こえる人とは共感できない部分も多くあります。

ご自身がろう者としてのアイデンティティを確立し、ありのままでやっていけばよいとわかれば、次第に解決できるのではないかと思います。

▶ コーダ子育て支援の起ち上げと啓発活動

有志団体からコーダ子育て支援事業を立ち上げるまでの間、コーダ子育て中の親御さんたちからの悩みを沢山聞いてきました。

私たちは、コーダ子育て中の聞こえない親当事者であるスタッフとして、聞こえる子ども(コーダ)がのびのびと育つ環境と、聞こえない親が子育てしやすい環境づくりを目指し、コーダ子育ての情報ステーションとなるよう事業を起ち上げ啓発活動を行っています。

◆ コーダ子育てに関する情報の提供(HP開設、SNS発信)
◆ 聞こえない親御さんたちを対象とした、手話での子育てサロン(オンライン・対面)
◆ コーダ当事者を招いての講演会やコーダ子育て法を学ぶワークショップの開催
◆ コーダがお世話になる方々に渡すための「コーダについて」のパンフレット作成と配布

▶ 聞こえない親とコーダのコミュニケーション手段は多様である

既にお伝えしたように、夫婦の聞こえ方等によって、コーダとのコミュニケーション手段は、手話オンリー、手話(または指文字)と口話の併用、口話オンリーと多様です。 そのため、コーダが必ずしも「手話ができる」とは限りません。

育った環境によって、手話ができる・手話ができない・手話を使わないコーダがいるということになります。 親子間でのコミュニケーション手段に関しては、結局どの方法が良かったのかと悩む親御さんが多くいらっしゃいます。

▶ コーダ子育ては「共育」できる場が少ない

地元の子育てサロンなどに行くと、聞こえる子どもを育てる聞こえる親がいて、先輩たちの子育てを参考にしながら「共育」ができるのですが、聞こえない親の場合はどうでしょうか。

聞こえる親とは育児方法が異なるため、参考になる内容が少なく、また、コーダ子育てをしている先輩親と出会う確率も極めて低く、コーダ子育ての手本となる人がいないまま、手探りで子育てをしているのが現状です。

聞こえない先輩親曰く「そういう人が近くにいれば、手話での子育てを勧めてもらえたかもしれない」ということです。
誰からもアドバイスがもらえないまま口話で育てたことにより、子どもの成長に伴ってコミュニケーションがうまくいかなくなり、その時はじめて自分のコミュニケーション方法の間違いに気づいても、時すでに遅しという話をよく耳にします。

▶ 手話での子育てサロン開催

このような状況をなくすため、コーダ子育て支援では、コーダ子育てに関する情報を発信しています。
また、情報発信だけでなく、オンラインや対面の「コーダ子育てサロン」等様々なイベントを企画/開催しています。

「コーダ子育てサロン」等は、参加者同士の情報交換や交流の場となり、コーダ同士の繋がりづくりの場となっています。

今後も聞こえない親やコーダがホッとすることのできる場所を提供できるよう努めてまいります。

◆ 子育てサロン(オンライン)毎月1~2回(平日の昼間、休日の夜)開催
◆ 子育てサロン(対面)不定期開催

また、有志の集まりも紹介しています。
コーダを育てる親の会~こだおや~オープンチャット
(略称:こだおやオプチャ 管理人:りきちゃあさん) 

こだおやメンバーは現在200人以上いらっしゃいます。 このオプチャにてコーダ子育てに関する情報交換や交流をしています。 

コーダ子育て支援は、こだおやオプチャとコラボして、毎月オンラインサロン(ZOOM)を開催しています。
こだおやメンバーが自由に入退室でき、交流を深める場として利用されています。

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