マガジンのカバー画像

臨床心理士への随録

167
大学院入学から臨床心理士になるまで/2018.3-2020.12/心理学/臨床心理学/臨床心理/臨床心理士/公認心理師/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント/心理カウンセラー…
運営しているクリエイター

2020年9月の記事一覧

精神科外来で統合失調症の回復と心理士の役割を考える|臨床心理士への随録 心理学

精神科外来で統合失調症の回復と心理士の役割を考える|臨床心理士への随録 心理学

ここは郊外にある統合失調症の患者さんが多い精神科病院の外来診察室。大学院のカリキュラムで陪席実習をさせてもらっていました。<医師>と「患者」のやりとりの中から、統合失調症とは何か、回復とは何か、心理士の役割とは何かを考えていました。

<聞こえてくることはありますかー?>「ないですね」

統合失調症の陽性症状のひとつが幻聴です。自分に対する悪口や批判など、被害的で意味のある言葉が語りかけられます。

もっとみる
マスメディアで形成される沈黙の螺旋|臨床心理士への随録 心理学

マスメディアで形成される沈黙の螺旋|臨床心理士への随録 心理学

近年はマスメディアをマスコミと呼ぶことが多いので、まずは言葉の定義から。「マスメディア」は、マスコミュニケーションするための媒体、テレビ、ラジオ、新聞、書籍などの総称です。「マスコミュニケーション」とは、マスメディアを用いて不特定多数の大衆に一方的に大量の情報を伝達すること、となります。

社会心理学の研究領域に、マスコミュニケーションがあるんですよ。政治、特に投票行動との関連性を調べたのが始まり

もっとみる
モーニングワーク〜朝ではなく喪の仕事|臨床心理士への随録 心理学

モーニングワーク〜朝ではなく喪の仕事|臨床心理士への随録 心理学

はじめて「モーニングワーク」と聞いたとき、朝(morning)の仕事、そう、朝食作りとか窓のカーテンを開けるシーンを想像しました。どうも違うらしい。モーニングワークは「mourning work」、日本語訳は「喪の仕事」となります。

喪の仕事ヒトは大切な人を死別などによって失う(喪失体験)と、大きな悲しみ(悲嘆)を感じ、長期に渡って特別な精神の状態変化を経るようになります。この悲嘆のプロセスこそ

もっとみる
十年戦士を見つめる初年戦士|臨床心理士への随録 心理学

十年戦士を見つめる初年戦士|臨床心理士への随録 心理学

専門家としてフルタイムで臨床の仕事に就くのは今回が初めて。出来ないことが多すぎて凹んだり、やれることを着実にやろうと言い聞かせたり、まるで社会人一年目のような情緒の振り幅の大きい毎日を過ごしています。

職場の年下の先輩は、成熟・芳潤・円やかなパフュームを内に持つ、臨床心理士歴10年のベテランさん。この間、心理検査に陪席させてもらったらマジで凄かった。事前情報から見立てた検査を行うなかで、その結果

もっとみる
#習慣にしていること 〜体幹、休肝、朝時間|臨床心理士への随録 心理学

#習慣にしていること 〜体幹、休肝、朝時間|臨床心理士への随録 心理学

「習慣」を辞書で引くと、「長い間くり返し行ううちに、そうするのが決まりのようになったこと」とあります。習慣にはその人の興味や志向が反映します。会社の人事部で新卒採用をしていたとき、コンサルタントの先生から「学生さんに"学生時代に頑張ったこと"を聞くのもいいですけど、"習慣にしていること"を聞くと、本質に近い部分がみえたりしますよ」と教えてもらったのを思い出しました。私のここ数年間での習慣はですね…

もっとみる