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呪われた家〜夢のお話〜

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突然知らない人に、見覚えのないお屋敷に連れて行かれた。 祭り事が行われるというその屋敷の一角に見た不気味な4体の人形… 老人の語る呪われた家で繰り返されていた事、そこに隠された事…
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【最終章】目覚め

【最終章】目覚め

和室に用意された御馳走の数々。
大人達は皆飲んでガヤガヤと賑やかだ。割烹着を着た女性は家政婦なのだろう、次々にお料理やお酒を運び忙しそうだ。

肝心の主役であろう若者たちは大人の相手を怪訝そうな顔でやり過ごしている。
20歳を超えて敷居を跨ぐことが許されたのだが、馴染がない分よそよそしさが目立つ。宴は日が暮れるまで続き、今は昼間の賑やかさが嘘のように屋敷は静まりかえっていた。

皆何処に行ったのか

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【第四章】真実

【第四章】真実

老人はまた歩を進めながら、今度は奥の和室
つまり立派な仏壇のあった薄暗い部屋の障子を開けると話し始めた。

「お前もみたのだろう?あの人形を」老人は私を見てニヤリと笑う。

部屋を見て回っていたのを見られてたのかとドキッとした。
「怒りはせんよ、お前はなぜここ連れてこられたのか知らんのだからな」その言葉の意味がわからず怖くなる。

「この人形…不気味だと思ったのではないか?お前に聞くが、なぜ人形は

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【第三章】呪い

【第三章】呪い

すると紋付袴の年配の男性がや割烹着を着た女性、その他にも紋付袴や黒留袖を着た女性やら何処にいたのか奥からバタバタと小走りできた。

「おかえりなさい」

と若者の中の誰かの母親なのだろう、とても品のある仕草の女性が言った。
他の親だろう人達も「ようかえってきた!」と笑顔で、それまで屋敷の中になかった華やかな空気と活気に溢れた。

若者たちは各々に、手入れの行き届いた和風庭園に行くものもいれば、台所

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【第ニ章】人形

【第ニ章】人形

じっとしてられない私は客間を後にし、気になっていた和室へと足を向けた。

客間に案内されているときからずっと和室を見ていたのだが、手前の部屋の和室は光が差し込み風が通るようにされているのに、その奥の和室は襖が閉められ、さらに縁側の方の障子も閉められ光が入らないようにされていたのだ。

私の好奇心がうずく。

何が準備されているのか…
私は辺りを見渡しながらそーっと襖を開ける。

薄暗い部屋、私は目

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はじまり

はじまり

最初にお伝えしておかなければならないのは、これは私が見た夢の中のお話である。
所々記憶が曖昧なところは多少作っている部分もあります。
では夢の世界へいってらっしゃい…

私は運転して見覚えのない広い駐車場にきていた。車を止めると誰かと待ち合わせをしているのかキョロキョロとあたりを見渡す。
そこに一台の黒のワンボックスカーが来てそばにとまった。

私の知り合いなのだろうか?

「こんにちは」

夢の

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