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秘密

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わたしが焦がれた話です。現在進行形です。
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白の狼

白の狼

冷えた体は
暖炉の前の白の毛を
オレンジ色にする
それがすごくきれい

わたしはそばに行って
毛並みに沿うように
ゆっくり撫でる
呼吸で膨らむ大きな背中を見ながら
ゆっくり時間を進めた

抱きしめる
少し頭を撫でてから
揺れてる火を見てた
オレンジ色
あったかい
いつもの、いつも通りの目をしてた
火を見る
揺れてる火が好きなんだよ

左目の上の傷が
痛々しくも
それさえ精悍な印象が
目に焼きついて

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深く潜る

深く潜る

こんな日の夜は
頭がすっきりして
無償に会いたくなる
連絡する
勝手に指先が走ってる
頭の回転がすっごく速くて
今ならあなたを笑わせた
まだこんな時間なのに
話していたいのに
すっごく眠い

寄り添って、
私が切ったその髪を
ぐしゃぐしゃにする
なぜか頬を合わせることが
こんなにも楽しくて
おかしくなる
少し暗いこの部屋で
貴方がいれば時間を止められる
あったかくてすごく静か
心臓の音だって聞こえ

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空腹

空腹

お腹いっぱいまで食べることも無くなった
うつむいて歩いていたけど
涼しい顔をしていた
最近は大通りから帰ってる
大きすぎないマンションやアパートが好きだ

あの丸メガネが魅力的だったから絵に描くことにした

あなたの音楽の聴き方が好きだ
今日あの子に挨拶しなかったら
どうなるとか
くっついていなければ
どうなるとか
そんな面倒なことは考えない
夢に出てくるあなただけは実物と違って
気まぐれだ
私も

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色に耽る

色に耽る

送ったメール
朝から甘ったるすぎた気がした
馳せる 馳せる
あの涼しい青が私を待ってる
流れる窓の外は変わらず
あなたのそばにいるよ

エンディングテーマ
別にわかりやすいドラマが嫌いでも
想像してるよりずっと切なく
公園の空と夜の海
透き通る肌と髪
素直な青が思いを馳せる

その度、その度

その度、その度

あなたの笑顔を見ている私は19
17のあの時よりもたくさん
思わず両手で頬に触れて見つめた

敬語が少なくなった事に気づかない
やっぱり阿呆かもしれないけど言い訳がある
それはずっとそこに居てくれたからで
タメ口に変わる苦手な感じを一切感じさせなかったでしょ
今までであなただけだよ
お陰でそのままでいれた

あの手は暖かい
大人の良いところが何かはわからない
子供の良いところが離れていく感覚にも

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距離を測る

距離を測るのが上手だ
あなたの共感に救われ
このままだと
どきどきして
また手を繋ぎたくなる

どきどきして

どきどきして

時を遡っている
隣にいる私はいつでも
手を繋いでいた
駅を過ぎる度に
時間が経っている
今日も もう外が暗い

私は笑っている

距離を測るのが苦手だ
誰かの不安に駆られて
このままだと
どきどきして
また手を繋ぎたくなる

好きな音楽を聴いて
好きな作品を観て
チョコレ

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夢裡でも

夢裡でも

涙は止まらないし
口紅は上手く塗れない
今日も落ちそうな場所に彷徨ってる
そのままでいろなんてもう言われなくない
私の顔は今 もう真っ白で
血なんて巡ってないみたい

あなたの傷から垂れた一滴の赤
驚くほど 素直だったから
このまま
口角や手の温度には
触れたいと思った

光で瞳が透けて美しい

この手で掬いきれない
触れられないものも全部

そばに置いておいて。

年を越す

年を越す

熱くなって火照った
空気は体を通って回っていく
同じ部屋を回っていく

まだ見慣れる気がしない
まだそそられたい
まだ頬は赤く
まだ察せない

肌が暖かい

鏡が映した
あなたが乾かす
髪を見つめる眼を
私は見ていた

肌は暖かい
寝息がぐるぐる回っている
沈んでいくような
あの部屋の体積と暗さ

日を跨ぐ
意識しすぎた一日は
私の胸に刻まれた

いつものこと。

いつものこと。

頭の中まで響いた
動けなかった
嬉しかった
電話、あなたは喧騒にまぎれている

私 どうしたらいいかわからないのに
すっごく落ち着いて
少しずつってそう言った

その言葉はあなたの体温
もうなんかあっつくなった

大人っぽくて
悔しい
好きだ

おはようも、おやすみも
頑張っても、お疲れ様も
これからも欠かすことはないんだよ

今日は寒い
新橋駅のホーム
前の無機質な壁を見るとまた思い出す

家まで

家まで

"完璧な人はいない"
あなたがしてたこと全部が強くなって
溢れそうになったところだった

この時間は静か
電車を降りて久しぶりに遠くを見た

あの曲のイントロが心地よくて
音量を上げる
あなたの声が近くにある事がよくて
引き伸ばす

星を見ると指先が冷たくなる

同じ道を歩くことは嫌いじゃない
ゆっくり なんか商店街みたいな場所を
歩いているみたいで
いつもの道の知らないところを見つけたりして

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瞑らない

瞑らない

何もない空
夕方だった

少し似ているけど似ていない
別々の色の絵の具を重ねて塗っていた

私は新しいものを生み出したよう
喜怒哀楽は
抱えきれていない

あなたがかける眼鏡に
指紋がついていないか
少しだけ気にした

もっと遠くの景色を見ようと
繋いた手を目に焼き付けるように

コンタクトも乾くほど見つめたあとで
涙が溢れそうになる

頭を撫でられる感覚は
一人で立てたあの頃と変わらない
目を瞑

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羊のような

羊のような

次の次の電車に乗るまで

今日も確かに手を繋いでいる
確かに 隣に歩いている

このまま時間がたって
眠りにつく頃
そこに時差はないよ
別に大した距離じゃないよ

別々の場所同士
できることをやっていよう
同じ場所に居れるなら
知らないことを話し合おう

あの日の青い羊
心配かけてごめんねという言葉を
よく知らない人間に言えたものだ

その目は真っ直ぐ見つめていた
確かに目が合った

美しかった。

手足

手足

何も話さず
何も放さず
何も離さず

繋がない手はどうすればいい
どうしようもなくぎこちない

いつも聞くその音は
耳障りになる
途中からは聞こえなかった

大丈夫と言うのは簡単
考えずに言える言葉
私を許そうとしてしまう言葉
あなたが無理をする言葉
逃ることができる言葉

見たい映画が無いのも
わかってたくせに
わざわざ歩いた

もう言い訳になった理由
うまく声が出ない

君は怪我をしていた

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