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「好き」は「書く力」のエンジン/編集者の言葉#5

はじめまして。そして、いつもきてくださって、ありがとうございます! 人生のヒントを古今東西の編集者の名言に学ぶ「編集者の言葉」。今回は、雑誌「月刊漫画ガロ」の初代編集長だった長井勝一さんの言葉です。多くの新人漫画家を世に送り出してきた長井さんの言葉から、「好き」という力について考えてみたいと思います。

むしろ大事なのは、上手か下手かではなく、絵としての独自性をどれほどもっているかという点であろうと思う。/

『「ガロ」編集長』

なぜ、長井さんは、漫画家さんの絵が上手かどうかよりも、その人の絵としての独自性を大事にするのでしょう。それは絵というものが、実験と経験を重ねていけばそれなりに、うまくなる性質のものだからです。

実際、長井さんは本書の中で次のようなことも述べています。

どう見ても下手くそな絵でも、絵を描くことが好きなら(たまに、マンガは好きでも絵を描くのはあまり好きでないという人がいるのだ)、描きまくっているうちに、その人なりのかたちがついてくる。

『「ガロ」編集長』

同じことは書くことにもいえます。「人に読んでもらう」ということを意識しながら、自分が好きなことや伝えたいことを、ひたすら書きまくりアウトプットし続けると、自然と文章力はついてきます。

とはいえ雑誌の場合、限られた誌面に作品を掲載できる作家さんは一握り。その椅子取りゲームに勝ち残るには、あるいは、新たな席を自ら作るには、ただ上手なだけでなく、その人独自の世界の面白さが求められます。つまり単なる「上手さ」よりも、味わいのある「旨さ」が大切なのです。

そして「旨さ」を練り上げていくのに必要なのは、やっぱり「好きなこと」だと思います。

人は「好きなこと」であれば、努力を努力と思わずに頑張れます。いわば好きなことは、「書く力」のエンジンにもなるのです。「こんなことを試そう」「あんなことはどうだろう」と脳もフル回転して、アイデアもわきやすくなります。

家にこもらざるをえない日がずっと続いていますが、こんなときこそ、好きなことをしつつ自分を磨いて、明日を待ちたいと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございます。
よい一日を!



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