言葉が離れなくて

あるニュースを読んで
言葉が離れない

「全力で取り組んだとしてももう遅いなと感じてしまい、目標を失い」

ずっとずっとずっと
長年に渡り
懸命に取り組んだ夢で
血の滲むような努力の上での夢で

目標を失い

私より若い彼の言葉が
悲痛で切なかった

彼とは違うし、ただの一般人の私
決して彼と自分を恐れ多く
重ねているわけではない

目標を失い
その言葉だけが私の胸を貫いて
瘡蓋になっていたはずの
私の傷が疼いている

幼い頃から
私も
未来の自分の理想上を思い描いて
そのためだけに、懸命に生きてきた
自分なりの出来る限りの努力をしてきたつもりでいたから
未来の自分の理想上と現実が折り合わず

目標を見失った

必死で真摯で生きてきたはずなのに
私の手に残ったものは
悲鳴を上げていた
心と身体

目標を見失った
バーンアウト

ただただ
懸命に真摯に
生きてきた
未来の自分の理想像だけ
追いかけて

目標を見失った
絶望感は未だに言葉に出来ない
瘡蓋になっていたはずが
たまに疼いて
どうしようもない

新しい目標と環境のおかげで
自分の過去と瘡蓋に
何とか折り合いをつけている今だ
何とか折り合いをつけて生きている

必死で懸命にストイックに
自分の夢へ
向き合ってきたのかもしれない
逃げることさえ
知らなかったのかもしれない

目標を失った
そのように悩み苦しんでいる皆様が
救われますように
救われる世の中で
ありますように

過去の自分と瘡蓋に蓋をして
今日も今も
必死で生きている